「世界一やさしい問題解決の授業」
渡辺 健介 著　matsu（マツモト　ナオコ）イラスト
ダイヤモンド社 刊
 

働き方改革を支援している私は「効率化にも限界がある」「もっといい仕事をするためにはもっと時間をかける必要がある」といった意見を伺うことがあります。しかし残念ながら、これらの意見は、現在の働き方をより良いものにしていこうとする議論を、別の議論へと導いてしまいます。これらの意見に基づくテーマを取り扱い、時間をとって議論をしたとしても「もっといい仕事をする」という理想的な未来を手に入れることはできないからです。この背景に、問題解決能力の不足があると私は考えています。

働き方改革で取り扱う問題の多くは複雑であり、簡単に解決することができません。また議論に参加している人たちの問題解決能力に差がある場合には、建設的な議論を行うことも難しく、よりよい未来を手に入れるまでの道のりが長く、困難なものになっていきます。

本書では中高生にも問題解決力を身につけられるよう「問題解決」をわかりやすくまとめています。働き方改革の様々なシーンで話し合われている複雑な問題にさえも汎用することのできる、問題解決に必要な考え方を教えてくれているのです。本書で出題されている問題をひとつご紹介します。「容器を振るスピードや強さを変えずに、ひと振りで容器から出るコショウの量を増やすにはどうすればよいか」―――あなたはどう考えますか。

複雑な問題に対処するために「問題解決能力を高めよう」として、複雑な問題解決本に手を伸ばしてしまう前に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

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