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機織りとあやかし。思いがけないところへ誘う謎解き噺|編集Nの『繰り巫女あやかし夜噺』感想

日向夏 (著)『繰り巫女あやかし夜噺』は2016年11月刊行のあやかし謎解き噺。シリーズ2巻を刊行中。
2024年12月よりコミカライズ連載開始。

日向夏先生の『繰り巫女あやかし夜噺』を読みました。
大学生たちが出会う奇妙な出来事の連作短編集。あやかしが絡むホラーテイストの1冊です。

織物が有名な村出身の絹子。彼女は無形文化財になるほどの上質な織物を作り、若くして大学で非常勤講師をしていました。
その中で大学生、教授たちが出会っていく奇妙な事件を見つめていきます。

各章題が妖怪の名前を冠し、それにまつわる事件が描かれていく連作短編集。
身近にありそうな事件や不可解な出来事など、様々な謎が描かれていきます。
それぞれ人間に着地したり妖怪に着地したりと、揺れていくのが面白かったです。
そして1冊を通して積みあがった違和感への答え。驚きとぞっとしてしまうような感覚がとても素敵な作品でした。

思いがけないところに連れていかれるような感覚が大好きです。


編集N