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『アマ八段の指導碁ノート』の著者・宮岸黎明とは? ~書籍発売特別インタビュー~

『アマ八段の指導碁ノート』の著者・宮岸黎明アマにインタビューをさせていただきました。普段の活動から、本書の内容まで語っていただきました。

こんにちは。『24』にハマって一日24時間じゃまったく足りない編集部の山本です。

今回は予約開始直後にとても話題になった『アマ八段の指導碁ノート』の著者・「みやれー」さんこと宮岸黎明アマに特別にインタビューをさせていただきました!


―本日はよろしくお願いします。えー、見た目結構ガンガン系なんですね(笑)


「よろしくお願いします。自粛の反動がこんなところに出てしまいました(笑)」



―綺麗に赤に染まっていますね。


「染めてから1ヶ月も経っていないので。ホームページ等の写真の更新も間に合っていません。リアルでもネット上でも好評なので、当分赤髪でいこうと思っています」


―めっちゃ格好良いです!
それでは本題に。 まず、宮岸さんとは何者なんでしょう。自己紹介をお願いできますか。

 

「現在は【宮岸黎明オンライン囲碁サロン】を運営しています。去年まではプロ棋士志望で毎年1回プロ試験を受験していました。2018年から「みやれー」という名前でYouTubeチャンネルも運営していますので、どちらかというとそちらの名前で覚えてくださっている方が多いでしょうか」
 

―いろいろなことをやられていて素晴らしいです。プロ修行もされていたのですね!
 

「円田陽一先生が師匠です。囲碁を始めることになった経緯や、プロ試験のことなどは、本のコラムで書いているので是非読んでください(笑)」
 

―チビみやれーさんのほっこりエピソードから、涙なしでは読めない円田先生とのエピソードまでとてもおすすめなコラムです!
ところで、普通に生きていたら“プロ試験”は中々経験ができないことだと思います。『ヒカルの碁』でのヒリヒリするようなイメージが強いですが

 

「もちろんみんな真剣です。私が受けていたのは、予選を勝ち抜いた8人による総当りのリーグ戦で、プロになれるたった1人を決めるものでした。少人数なので狭い会議室みたいなところに長机4つ。碁盤4つ置いて碁を打ちます」
 

―某知事に「密です!」って言われそう…。しかも夏ですよね?
 

「さらに、みんな戦闘モードで血気盛んですから、それはもう暑いです。」
 

―何か裏話的なものがあれば聞かせてください。
 

「では、気温の話がでたので。日本棋院関西総本部で2019年に行われた試験での話です。たまたまその日は外が涼しかったので、立会の先生が気を利かして部屋の空調を切ってくれていました。しかし、窓一つ無い部屋で完全に締め切っていますから、いざ対局が始まるともう暑くて暑くて…。サウナにいるみたいでした」
 

―ひえーーー
 

「そんな状況を打破すべく立ち上がった勇者が一人、その年結果的に1位となってプロ入りすることになる中野奨也くんです。」
 

―あの!? 中部の中野寛也九段の息子さんですね。
 

「そうです! 彼がばっ! と立ち上がったかと思うと、部屋に一つしかないドアを全開にしました。空気の換気ですね。しかしこれにはリスクもあって、涼しい風とともに外の雑音がバンバン入ってくる訳ですよ。中野くんも悩んだと思います。室温を取るか、静寂を取るか」
 

―周りの目もありますもんね(笑)
 

「相当勇気が必要だったと思いますが、中野くんはドアを開けてみせました。さあこれからが勝負! とばかりに中野くんが自分の席へ腰を下ろしたその瞬間、ぱっと立ち上がったのはKくん。彼がお茶を汲みに行こうとコップ片手に、たった今開けばかりのドアをバン!と閉めて外へ行ってしまったんです」
 

―盤外もバチバチじゃないですか(笑)
 

「ドアが空いていた時間は実に5秒! ドアを見つめたまま放心する中野くん! もう笑いを堪えるのに必死でした(笑)。でもこれは良くないなと思って、次に立ち上がったのは僕こと宮岸です」
 

―満を持して登場ですね
 

「外へ出て立会の先生のもとへ向かいました。部屋の空調をつけるには、先生の許可が必要だからです。先生すみません。部屋が暑くて…。と僕が空調をつけに行ってるその時、部屋の中ではドアを閉められ、暑さの限界に達していた中野くんが、下に着ていたTシャツを1枚脱いで涼を取ろうとしていたみたいなんです。しかしそんなことは知らないので、中野が暑がっているので空調少し強めにお願いします…と」
 

―はい…(笑)
 

「気を利かせたつもりでいたのですが、いざ空調がついて冷気が部屋を覆った時、みんながひと息ついてる中で、薄着になったばかりの中野くん。今度は寒い寒いと震えだして(笑)」
 

―踏んだり蹴ったりじゃないですか(笑)
 

「誰一人として悪者はいないのですけど、中野くんばかり理不尽な目にあってて笑いました。ちなみにその日、中野くんは負けました」
 

―真剣に勝負にこだわっているからこその悲劇ですね(笑)。ちなみに、私も中部の院生でかぶっていたので、彼の子供時代はよく知っています。これを読んでいる方は是非応援をお願いします!
 

中野奨也初段https://www.nihonkiin.or.jp/player/htm/ki000499.html
 

―宮岸さん自身のことももって聞かせてください。囲碁以外の趣味は?
 

「趣味といえるほどでもないですが、ゲームが好きです。特にポケモンが好きですね。カビゴンが推しキャラです。あと最近はスマホアプリゲームの逆転オセロニアに諭吉が消えました」
 

―歴代の棋士で一番対局してみたいのは?
 

「ミーハーというか、棋士オタクなので一番を選ぶのが難しい(笑)。決め切れないですが、呉清源九段と木谷実九段の二人を選ばせて下さい」
 

―囲碁人生で嬉しかったことは?
 

「囲碁やってて良かったなと思った時は3回あります。YouTubeチャンネルの登録者が1000人を超えた時。オンライン囲碁サロンに人が集まって来てくれた時。今回の本の発売を告知したらたくさんの人が喜んでくれた時。ですね。総じて自分と、自分の碁が受け入れられたのが嬉しかったです」
 

―今後の野望・目標は?
 

「プロ棋士という道は閉ざされたものの、囲碁で生きていけたら嬉しいですね。今囲碁界って不況なので、それを立て直すくらいの勢いでがっぽり稼いでやります」
 

―ありがとうございます。このポジティブさが、宮岸さんを応援したくなる要因なのかなと思います。囲碁界の手越君として、どんどん新しい境地を切り開いていってください!
 

―最初に出てきたオンラインサロンについても知りたいです。囲碁界だと聞きなれない言葉ですが…
 

「ひと言で言うと、月額制のネット上の碁会所ですね」
 

―誰でも入れるものなんですか?
 

「宮岸黎明オンライン囲碁サロンは誰でも入会可能です。みんな真面目に囲碁をやってますね。級位者から高段者まで、小学生から大人まで幅広く在籍しています。
メインコンテンツは僕が毎日投稿している囲碁に関する記事が読めること。メルマガみたいな感じですね。僕が勉強している中で「これ大事だな」と思うものを共有したり、棋譜解説したり、サロンメンバーさんの疑問に答えたりしています」

 

―なるほど。ネット上の碁会所という表現がしっくりきました。記事も毎日配信されているのですね!
 

「またサロンメンバー同士のリーグ戦をして、週1くらいのペースでネット上で集まる研究もしています。プラス希望者に指導碁もしていますね」
 

―至れり尽くせりですね。こちらもリンクを貼っておきますね。https://community.camp-fire.jp/projects/view/224936

―ごめんなさい、このページの写真とのギャップが...(笑)。私はずっとこのイメージだったので。
 

「(笑)」
 

―書籍執筆をしてみていかがでしたか? 苦労されたことなどありましたか?
 

「初めての作業でしたし、要領がわからなくて全体的に苦労しました。特に図1つにつきこれだけの文字数って決まってるじゃないですか。それに文章を収めるのが大変でしたね。1回書きたいように書いて、後から要らない部分を削ったり、言い回しを変えるとかしてがんばりました。締め切り日がこんなにも憎いとは知りませんでした(笑)」
 

―あ、ああ…。
もし続編を書くとしたらどんなテーマで書きたいですか?

 

「問題集にも興味がありますね。筋が良くなるためのトレーニングとか、一冊丸々シチョウを追いかけるだけの問題集とかも面白そうですね」
 

―ここで答えたらあとでお願いした時に断りにくいだろう、という作戦なので、あとでまたご相談させてください(笑)
 

タイトルが『指導碁ノート』ですが、指導碁のときに意識していることや大切にしていることがあれば教えてください。
 

「できる限りその人の実力を引き出すように意識しています。無理手を仕掛けないのはもちろんのこと、自然な石運びを心がけます。その方がその人の長所と短所が浮かびやすいので、本人にそこを実感してもらいたいのと、局後の検討でアドバイスしやすいですから」
 

―オススメの勉強法は?
 

「僕自身は棋譜並べが好きで、勉強はほとんど棋譜並べでした。50手とか100手までとかで良いので、手順を覚えることを意識して並べると良いですね」
 

―ご自身の話で、伸び悩んだことはありますか?
 

「プロ試験を受けられるくらいの棋力、つまり七段くらいから伸び悩みました。ちょっと勝負の世界に疲れてしまったところもあったと思います。数年くらい停滞してしまったのですが、一度囲碁の考え方を基礎の部分から見直す機会を得て、そのおかげでもう一段上に進むことができました」
 

―基礎を見直すのって重要なのですね。
 

「めちゃくちゃ重要ですね。でも1人で考え方から見直すって結構大変だったりしませんか? ちょうどここに良い本がありますねー。囲碁とは何を考えてどういう風に進むのかがしっかり書かれてあります。タイトルは『アマ八段の指導碁ノート』というのですが…。
 

―やっとその話に持っていけました(笑)。それでは、本書を簡単に紹介してください。
 

「僕の指導碁を題材に、囲碁の基礎的な考え方、それに基づく着手の選び方を書いています。1テーマを短くまとめたのでテンポよく読み進められるようになっています。各テーマの最後には簡単なまとめもありますので、振り返るにも便利ですよ!」
 

―どのような方に読んでもらいたいですか?
 

「次の一手に悩んでしまう方、碁盤が広すぎてどこが大きいのかわからないという方、そして棋力を伸び悩んでいるという方々に特に読んでもらいたいです。自分の碁の新たな指針を作る一冊となると思います」
 

―なるほど。ありがとうございました。今後、商品ページなどに試し読みなどをつけて充実させていくので、是非本書の良さを実感してみてくださいね!
 

―それでは、宮岸さん。本日はありがとうございました。
 

「ありがとうございました」



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