打ってはいけない定石「その1」

5子局に例を取ってみました。白1から5までは、昔からある基本定石の一つですが、典型的な失敗例です。
うわ手は後手できっちり形を決めてしまうことは原則的に避けましょう。

1図
部分的には互角でも、置かせているうわ手がこの定石を採用するのは、無気力と言っても過言ではありません。昔からある基本定石ですが、これでは端的に言えば白はもう負けに近づいています。
この後、部分的には黒から黒1、3、5が好手です。この結果を検証してみましょう。

2図
白の得た確定地は△の10目程度ですね。
対する黒は×に最小限6目を確保しました。そして中央に強固な厚みを得ました。
この結果は、白が局面を大きく悪化させてしまっています。なお、黒5では…

6図(全体を見る)
黒5や、a、b、c、dなどがより有力です。
このように積極的に大場に先行すれば主導権を握ることが出来ます。

7図
白6から出切ってこられても、黒1子を捨てて全く痛痒を感じません。
黒11や、a、bなどに、どんどん先行。以上、この定石選択がいかに置き碁のうわ手の戦法に相応しくないか、お分かり頂けたと思います。

8図
では、黒3に手抜きして白4とでも打ってみましょう。その時にはすかさず黒5とフクラミます。この手が思いの外、痛いのです。

9図
白6と受けておき何事もないようですが、意外と白は辛い形です。後に黒aとツメられると白の眼形が乏しいのです。少なくとも白地は低くて非常に小さいですね。
『アマ必勝の新作戦! 囲碁・奇襲事典』では、16,000局の対局から編み出した必殺技を分かりやすく紹介しています。
Amazon
マイナビブックス