打ってはいけない定石「山型」

白の1、3、5の山型は辺を打つ場合の理想形とされていますが、実はあまり良い形とは言えないのです。
うわ手とすれば、もう一工夫する必要があります。

1図
部分的に黒の6、8のツケノビが好手です。
黒はとりあえず隅を確定地に出来ます。
左辺も同様です。

2図
仮に白21以下としました。
続いて黒30、32と打ち、三隅でツケノビが出現しました。
では黒42までの局面を検証してみましょう。

3図
白地△は右辺32目(アゲハマ2目)、左辺25目。計57目。左辺白は薄いですがおまけです。
黒地×は三隅が、13×3=39目 上辺右寄りが5目。計44目。あとは上辺と下辺の模様ですが、安く見積もって10目ずつ。黒優勢です。

4図(使える手筋!)
そして黒にとってプラス材料がまだあります。この形では最低限でも黒1と切り込む手があります。そして黒3以下白10までが有名な「二目にして捨てよ」の手筋です。
黒の陣形が益々強化しました。白はyが近くにいるために凝り形にされています。

14図
黒は部分的には上記のツケノビが好手ですが、この段階では他の大場に向かうのが普通です。
黒6やa、b、c、dいずれかの小ゲイマジマリがより良いでしょう。

15図
白からの直接的な狙いは白1の三々入りくらいですが、黒は2から8とあっさり受け流していても腹は立ちません。
後にaの強烈な打ち込みが残ります。山型の欠陥です。
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