古代史悪党列伝
「正史」に封印された謎と真実
主婦と生活社
- 関裕二(著者)
そもそも正史とは「正しい歴史書」ではなく、政権側に都合のいい歴史書ということでしかない。中臣鎌足、物部守屋、雄略天皇、恵美押勝、行基、道鏡など、歴史の中で「ワル」のレッテルを貼られた者は、ただ単に「政争に敗れたもの」にすぎないことがままあるのだ。その一方で、ヤマトタケル、中大兄皇子、天武天皇など、英雄と思われた人物が、実際には本当の「ワル」だったということも。彼らの正体は果たしていかなるものだったのか…。
歴史の中で「悪」のレッテルを貼られているものどもは、ただ単に「政争に敗れたものども」にすぎないことがままある。その一方で、これまで「正義の味方」と思われていた英雄が、じっさいには、「本当の悪」だったということもありえるのだ。また、地域や立場の違いによって、人物評ががらっと変わることも十分考えられる。幕末の京都で暴れ回った新撰組がいい例だろう。倒幕派にすれば新撰組は極悪人だが、江戸幕府からみれば、「忠義の人々」である。敗れる側に自ら身を挺した彼らの姿に、「滅びの美学」を嗅ぎ取ることもできる。では、古代史の「ワル」どもの正体はいかなるものだったのだろう。悪徳の天皇と罵られた雄略天皇。天皇家をないがしろにした蘇我入鹿。独身女帝を手玉に取り、皇位を簒奪しようとした道鏡などなど。古代史には個性豊かでふてぶてしい輩がわんさかといる。彼らの正体はいかなるものだったのか。古代史の「ワル」どもの正体を明かしていこう。
発売日:2011-12-22
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