メタル・ウォーズ
東洋経済新報社
- 谷口正次(著者)
メタルが安価に手に入る時代は終わった。石油の次の危機は何なのか。進む寡占支配、中国の勇躍等ものづくり国日本への不安材料は尽きることがない。第一人者が資源問題の実相に迫る!
鉱物資源の現在と未来を鋭くえぐる本。著者は日本で数少ないこの分野の専門家である。メタル資源は、発展途上国への依存度が高まりつつあり、すでに40%に達している。メジャーによる途上国における開発に伴っては、さまざまな問題を生じている。そのため、資源供給サイドの不安定要因はますます大きくなってきている(地政学的問題、政治的不安定性、資源ナショナリズム、環境問題、人権問題、労働問題、先住民問題、HIV問題、腐敗の構造など)。そこで世界のサプライ・チェーンの最上流で今「メタル・ウォーズ」ともいうべき争奪戦の問題が起きており、その中心には中国がいる。メタルが安価にかつ安定して手に入る時代は、石油と同様、終わった。世界における不安定なメタル資源事情に対して警鐘を鳴らし、いまだに資源は金さえ出せばいつでも買える単なる外部購入資材という位置付けで、商社依存体質から抜け出せない。それらの複合的な課題を明確に提示する。
発売日:2008-02-28
目次
序 章 生き返った恐竜
―資源メジャーと喰らいつく中国
第1章 世界で囲い込みに狂奔する中国
第2章 メタル資源メジャーの実力
第3章 メタル資源開発の闇
―Out of sight, out of mind
第4章 飢餓を呼ぶ世界のメタル消費
第5章 どうする? 日本
―歴史上三度目の資源危機
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