農民国家 中国の限界
東洋経済新報社
- 川島博之(著者)
「奇跡の成長」を続ける中国は、8億人もの農民を抱える巨大農民国家である。従来の中国論では着目されなかった「農」と「食」の部分にスポットをあて、課題と将来像について論じる。
「奇跡の成長」で沸き立つ中国であるが、今後、中国の実像を理解するために最も重要な因子は、「農民」と「土地」である。本書ではこの二つの因子を中心に中国を分析している。
中国はここ20年ほど奇跡の成長を続けて来たが、これをこれからも続けて行くことは難しい。現在の中国は日本がバブルに踊った1980年代のような状況にあり、なんらかの調整が避けられない。
その調節は、政治体制を揺るがす可能性もあり、中国は日本がバブル崩壊後に味わった以上の苦しみに直面する可能性がある。その調節が終わった後に、中国が周辺諸国に及ぼす政治的な影響力は、現在よりも小さくなる。
それは、国内統一を維持するために、より大きな力を裂かねばならなくなるためである。したがって、中国が米国のような超大国になることはない。気鋭の学者が説く、新しい視点の中国論。
発売日:2010-04-15
目次
序 章 冷静に中国を分析できない日本人
第1章 中国は巨大な農民国家
第2章 膨張する都市と地価
第3章 「奇跡の成長」はなぜ起こったか
第4章 都市と農村の大格差
第5章 農業では豊かになれない
第6章 中国爆食論の嘘
第7章 日本というモデル
第8章 農民国家 中国の未
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