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世界は深淵をのぞきこみ、日本は屹立する

東洋経済新報社

欧州危機は世界文明の大変動の始まりだ。これまで世界を支配してきた「4つの幻想」が終わろうとしている。人気アナリストが欧州危機後の世界経済の行方を大胆に予言する。

ヨーロッパも、アメリカも、中国も、総崩れだ。
グローバル化万歳論は 大いなるまやかしだった。

 欧州危機に端を発する国際金融の混乱は、まったく収束のメドは立っていない。ヨーロッパも、アメリカも、中国も総崩れで、グローバル化万歳論はおおいなるまやかしだった。この混乱はたんにいくつかの国の財政破綻で終わるものではなく、より大きな世界経済の大変動の始まりである。これまで世界各国の政治家・中央銀行・経済学者・マスコミが吹聴してきた4つの幻想が崩れ落ちようとしているからである。すなわち、
(1)借金踏み倒し経済は永続するという幻想、
(2)超大国・多国籍巨大企業は効率的だという幻想、
(3)経済のグローバル化は歓迎すべきだという幻想、
(4)エリート支配こそ理想の社会をつくるという幻想
が終わりととげるとともに、欧米先進国もアジア新興国も衰退に向かう。しかしこれらの4つの幻想にとらわれることなく、
(1)投資銀行も肥大化せず、
(2)どの業界も寡占は中途半端、
(3)グローバル化もさして進まず、
(4)超エリートが政治・経済を支配することもなかった
日本が、欧米先進諸国やアジア新興国の没落をよそに「屹立する」。一貫して「日本楽観論」を主張して読者を魅了し続けてきた人気アナリストが、欧州危機後の世界経済の行方を大胆に予言する一冊。

発売日:2012-05-10

目次

第1章 借金踏み倒し経済は永続するという幻想
第2章 超大国・多国籍巨大企業は効率的だという幻想
第3章 経済のグローバル化は歓迎すべきだという幻想
第4章 エリート支配こそ理想の社会をつくるという幻想
第5章 4つの幻想と無縁な真正大衆社会――日本