コンピテンシー、リファラル…多様化する採用、6つのキーワード事例詳細

［Keyword 1］コンピテンシー面接・採用

苦労して採用した人材が思ったほど活躍しない･･･という悩みはどこの企業でも抱えるもの。そうした背景から生まれたのが、このコンピテンシー採用。業績や成果を上げている従業員の行動特性を分析・パターン化し、活躍している従業員と似ている人材を採用する手法。現在でも行われているものの、データの活用によって、より一層、注目を集めそうです。

「活躍する従業員の特性データを活用するコンピテンシー採用とAIをかけあわせるような新たな手法が今後、広まってくるのではないでしょうか」（松岡さん）

［Keyword 2］女性の活躍推進・ロールモデルの確立

女性の活躍が叫ばれる一方で、圧倒的に足りないのが、企業内で働く女性のロールモデル。女性は妊娠、出産などで、ライフステージによって生活が大きく変化することも少なくないため、企業内にお手本とする女性がいるかどうかが非常に重要になります。

「ある大手企業では、人事の執行役員が女性になったことで、社内の意識が変わり、エントリーでも女性が増えたと聞きます。これからは、企業内で働く女性のロールモデルを確立することが不可欠と言えます」（松岡さん）

［Keyword 3］ダイバーシティ

最近、よく耳にするダイバーシティ（多様性）。女性の活躍がここに含まれることもありますが、「障害者雇用」と「外国人採用」にも注目が集まっています。「これまでは身体的な障害者が中心で、精神障害者は敬遠されていた部分があるのですが、雇用率がこれだけ低くなると、戦力として考える必要があります。ただ、障害のある方の対応が企業側の課題になっています。一方で、外国人採用は増えていくと予想されますが、現在は日本語でコミュニケーションをとれることを採用条件にしており、なかなか広がっていないのが実態です」（松岡さん）

［Keyword 4］リファラル採用

社員やOB、OGから、自分の会社に適性が高いと感じられる人や必要な能力を持っている人を紹介・推薦してもらい、選考をする採用手法で、特にアメリカでは主流。かつての「縁故採用」とも似ていますが、取引先や経営層に限らず、広く社員のネットワークを活用する点が異なります。一時期、個人情報保護の問題で下火になりましたが、採用手法としてまた注目を集めています。「この手法はキャリアが中心ですが、新卒でも増えています。新卒の場合は、内定者に紹介してもらうなど、今後も増えそうです」（松岡さん）

［Keyword 5］人事制度改革

働き方や介護の問題など、個人の求めるものが多様化している今、採用に力を入れるだけではなく、会社の規定や人事制度全体を見直す必要があります。

「今までは勤務時間や働く場所、研修などは、一律にして、それを従業員が受け入れるのが当たり前でしたが、今後は人口が減るなかで、いかに個人個人が働きやすい環境を提供できるかが重要。今後の採用は、採用手法を見直すだけでなく、会社の規定全体を含めて検討する必要があります」（松岡さん）

［Keyword 6］共感採用

会社のビジョンやそこでの仕事、働いている人などに「共感」してもらうことも有効な採用手法の1つになります。ビジネスSNSとして知られる「Wantedly」や、OB/OG検索サービス「VISITS OB」などは「共感」が採用のカギになっています。

「知名度に劣る中小企業などは、とくにこうした『共感』が重要になってくると言えます。例えば弊社では『当社は家族を最優先させる家族主義の会社です』と説明しています。中小企業は何か1つ、印象に残るキーワードを打ち出すことが大切です」（松岡さん）

奥田高大
※Web Designing 2018年8月号（2018年6月18日発売）掲載記事を転載

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コンピテンシー、リファラル…多様化する採用、6つのキーワード

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