リファラル採用はなぜうまくいく?そのエッセンスを見本にしよう 事例詳細|つなweB

リファラル採用はなぜうまくいくのか

さて、ここからは実際の採用活動のプロセスに進んでいきますが、どんなプロセスを踏み、どんなところに力を入れていけばいいのか、まったくイメージが沸かないという人も多いでしょう。そこで、デジタルマーケティング時代の採用活動と近い考え方で行われている採用方法を紹介したいと思います。それが「リファラル採用」です。リファラルとは日本語で「紹介」を意味する言葉。つまり、会社のメンバーに人材を紹介・推薦してもらう採用方法のことを指します。

この採用は、あらゆる企業でうまくいくわけではありませんが、機能すると大きな成果を上げる採用方法と言うことができます。その理由は何でしょうか。

1つ目の理由は「人選」にあります。「採用は現場の声を十分に反映したものでなければならない」という話をしましたが、リファラル採用の場合は、そもそも現場で働くメンバーが「こういう人と働きたい」と推薦するものですから、能力的にはもちろん、社風や社内文化といった部分に関しても、マッチする可能性が高いのです。

さらにもう1つ、推薦したメンバーと推薦された人(入社希望者)の間には、事前に人間関係が成立していますから、会社の良い部分だけでなく、課題についてもきちんと伝わっていると考えられます(友人を騙して入社させるようなことはありませんよね)。そのため、現状を正しく把握した上で入社してくれることになり、納得感が高く、すぐに離職するといった最悪の事態にはつながりにくいと考えられるのです。

つまり、リファラル採用で入社した人材は、会社が必要とする要素を持ち、しかも納得感を持った上で入社をしてくれる、というわけなのです。

ただし、どんな時もうまくいくとは限りません。会社の状況が悪いとリファラル採用は機能しませんし(友人を蟻地獄に引きずり込むようなことはしたくないと考える人がほとんどです)、そもそもメンバーが乗り気にならなければリファラルは機能しません。また、友人から推薦されるような優れた人材は、他の友人からも誘われているケースが多く、他社と競合する可能性も高いと言えます。すべての人材をリファラル採用で補うのは難しいのです。

 

デジタルマーケティングを活用した採用はリファラルが参考になる

リファラル採用のエッセンスは、デジタルツールを活用した採用の見本となるべきものです。特にSNSなどのツールをうまく活用できれば、友人関係までとは言えずとも一定の信頼関係をつくりだすこともできるでしょう。また、会社が必要としている能力や、社風などの情報をあらかじめ届け伝えたり、その逆に相手の適正を判断するための情報を得ることもある程度は可能になるでしょう。そうして関係性を深め、いずれは「そちらの会社で働いてみたい」と思ってもらえれば、理想的な関係性が生まれたと言えるでしょう。

デジタル空間上でどう動けばいいか迷ったら、リファラル採用のことをイメージしてみてください。

05 リファラル採用のメリットとは?
リファラル採用がなぜうまくいのかを考えてみることが、デジタルマーケティングを利用した採用の理解につながります
小泉森弥
※Web Designing 2018年8月号(2018年6月18日発売)掲載記事を転載

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