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UXの改善をどう評価すればいいの? 小手先の改善だけで終わらせない!

自社サイトのUXを見直してはみたけれど、その効果をどう測ればよいのか… 。このようなお悩みはありませんか? Webサイトを成長させていくためには、効果測定とそこからのアクションが欠かせません。ここではUXの効果測定の基礎と、明日から業務で使える評価指標検討ワークシートをご紹介します。

なぜ効果測定が必要なのか?

まず、なぜUXデザインにおいて効果測定が必要なのかについて考えてみましょう。UXデザインのゴールは「ユーザーの満足とビジネスの成果が循環する仕組みを創り出すこと」です。UXの効果測定は、その活動がうまくいっているのかを知り、次のアクションを起こすために行われます。ビジネスの成果を追いかけるだけでなく、ユーザーのもとでいったい何が起きているのかを知ったうえで、改善に向けて行動することが大切です。

Webサイトの効果測定というと、通常のアクセス解析を思い浮かべる人も多いと思います。もちろん重なる部分もあるのですが、ここではUXデザインにおける効果測定に特有のポイントを3つご紹介しますので、その違いをまず確認してください。

 

シナリオ全体を検証する

第1のポイントは「シナリオにもとづく仮説検証である」ことです。前述のように、UXの効果測定は「シナリオで定義した体験が実際に起きているのか」「それによって求めるビジネスの成果が生まれているのか」を検証するための活動です。

Webサイトを対象にする場合、特に難しいのは前者です。通常、1つのユーザー体験は複数の「行動」によって構成されますが、アクセス解析ツールの多くは、一人ひとりの「行動」を線で追いかけることが苦手で、実際のところ何が起きているのか見えづらいからです。

そこで、UXの効果測定としてアクセス解析を行う際は、ユーザーが特定の行動をとったことを表す量的な指標を、シナリオで定義した順番につなぎ合わせることで「傾向として、どこまで意図した体験が実現しているか(どこで脱落しているか)」を確認するところから始めるとよいでしょう。ただし、他所から指標だけ借りてきたような効果測定をしても、本来のシナリオにもどづく仮説がないためうまく機能しない点にご注意ください。

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シナリオ全体を検証する
UXの効果検証では、量的な測定だけでは捉え切れないシナリオ(仮説)の流れ全体を見ていく必要があります

 

その行動の「理由」を問う

第2のポイントは「ユーザーの心理を可視化する活動である」ことです。UXの効果測定においてキーになるのは、ユーザーの心理に着目した「定性評価」です。

アクセス解析を代表とする定量評価は、ビジネスの成果を追いかけたり、ボトルネックを発見したりすることには向いていますが、「なぜ、その問題が起きたのか」という原因を特定することができないという特性があります。そのため、定量的な数値を追いかけるだけでは、改善につながる具体的な気づきや学びを得ることが難しいのです。

一方で、ユーザーテストを代表とする定性評価では「なぜ、そのような行動を取ったのか」という理由や「結果的にどう思ったのか」という感情を、詳細に把握することができます。数字には現れないユーザーの心理を知ることにより、ユーザーの関心、期待や不安をふまえた “正しい” 改善策を考えることができるようになるのです。このことはUX改善のアクションを起こすうえで、欠かせない工程だと言えるでしょう。

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その行動の「理由」を問う
定量評価と定性評価は、それぞれ得意とする問いかけが異なります。UXの評価ではなぜ?(Why)が重要です

 

UX改善は事業価値の問い直し

そして第3のポイントが「事業の価値を問い直す活動である」ことです。UXの効果測定では、物差しであるシナリオ自身の検証とリデザインを行います。

特に、新規事業においては、成功の法則とも言うべき理想のシナリオがまだ見えていません。よって、シナリオ自体を大胆に進化させていく必要があるのですが、現場では手元にある(暫定的であるはずの)シナリオの中で、改善という名の “部分最適” を繰り返すという事態に陥りがちです。

スピードが求められるUI(Webサイト)の改善とは異なる時間軸で、UIの外の世界を含めてユーザーに提供すべき価値とは何かを問い直し、シナリオを一度壊してリデザインしていく視点と勇気を持てるかが、UXデザインの成否を決めると言っても過言ではありません。

このUXの効果測定に特有な3つのポイントを踏まえたうえで、実際にどのように評価指標を組み立てていくのかを見ていきましょう。

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UX改善は事業価値の問い直し
シナリオそのものが明確に見えていない新規事業では、UX改善は事業そのものの価値を問い直す活動でもあります

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掲載号

Web Designing 2018年2月号

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2017年12月18日発売 本誌:1,530円(税込) / PDF版:1,200円(税込)

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そこで、サイトの改善を急務として考えている方は多いと思います。

Webサイトの弱点を改善して、成果の出せる武器にしたい、もしくは、Webを有効活用した新しいビジネスを立ち上げたい。そうお望みの方に、「UX(ユーザー体験)」のノウハウをお勧めします。

UXとはとても端的に言えば、ユーザー視点で設計やデザインを考えることです。マーケティングの世界は、ユーザーの心をとらえる「体験を売る」時代になり、ますますこの考え方が取り上げられるようになりました。ただ、「UX」という言葉が先行して、イマイチ何のことかわからない、理論はわかるけど実際にどこから手をつけていいかわからないという方も少なくないのではないでしょうか。

UXは闇雲に叫んでも成功するものではありません。そこには理論に基づく準備やプロセスがあります。
本特集を一通りお読みいただければ、無意識にUXの理論や見るべき視点、メリットや期待できる効果などが把握でき、みなさんのビジネスの現場で応用ができるようになることでしょう。

【段違いの成果が出るUXの「5プロセス」】

[1]心を1つに。
プロジェクトチームの意識共有を図ろう

[2]お客様を知る。
ユーザーの「ホンネ」や動向を知ろう

[3]商品を知る。
プロジェクトにおけるビジネス的課題を把握しよう

[4]理想を描く。
商品のあるべき姿を描き、実現のためのアイデアを練ろう

[5]つくる・見せる・話を聞く。
原型を部外者に試してもらい、反応を見よう


<こんな方にオススメです>
・UXをまずは何から始めていいのかわからない
・UXってデザインだけじゃないの?
・そもそもUXってなにがよくなるの?
・部署を横断して取り組むべきなのはなんとなくわかっているが、説得する自信がない
・理論だけではなく、現場で実践していることが知りたい
・Web解析時のUX評価方法や改善方法を知りたい
・UXの重要性をクライアント・上司に理解してもらいたい
・効率よく成果をもたらすためのテクニックを知りたい

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