2017.12.01
上司を口説く“ズルい”データの見せ方・伝え方 レポートは伝え方が9割!
Webのアクセス解析やコンバージョンなどさまざまな数値の見方や考え方を理解したら、その結果や改善提案を上司やクライアントに報告する必要がある。だが、そのレポートの「伝え方」を間違えると、これまでの苦労が台無しになってしまう。そうならないためにWeb担当者が考えるべきことは何だろうか?
なぜ、あなたのレポートはうまく上司に伝わらないのか
Web担当者であれば自社やクライアントのサイトにGoogleアナリティクスなどの計測ツールを仕込み、毎日のアクセス数や流入経路の動向などさまざまな情報を確認していることだろう。また、コンバージョンが設定されたWebサイトの場合は、適切なKPIや実現に向けた施策の提案などを行っているかもしれない。現状を数値の裏付けを持って正しく把握できれば、さまざまな改善提案を行うことができるはずだ。

最近はレポートを作成せず、Googleアナリティクスのデータを元にBIツールのダッシュボードで直接表示する機会も多い。しかし、それが相手に伝わるかどうかは別問題。解析した結果のどこにポイントがあり、どう改善につなげていくかを提案するのがWeb担当者の腕の見せどころだ
しかし、いくら熱心にアクセス解析を行って、詳細なレポートを上司やクライアントに提出しても「項目や数値の意味がわからない」「で、これが何なの?」と冷めた反応が返ってきた、という経験をされた方もいるだろう。
それにはいくつかの理由が考えられるが、あなたの提出したレポートの内容そのものよりも、作り方あるいは内容を見直してみる価値はある。
まず勘違いしてはいけないのは、Googleアナリティクスのレポート作成機能自体は非常に高機能ということだ。画面の見方さえ知っていれば、そのままでもアクセス数の増減などをグラフで表示できるし、どの検索キーワードが多いかもリスト化できる。さらに、レポートを自動作成するためのツールやサービスも豊富で、項目を見やすく表示するためのExcelのアドオンや外部の連携サービスが有料・無料含め多数存在する。現状を定期的に報告するだけなら、これらのツールを利用するだけで短時間にレポートは作成できる。さらにGoogle Data StudioのようなBIツールを用いれば、画面をそのままプロジェクターに出力して説明するなどレポートを作成する時間すら省くことも可能だ。
しかし、多くの上司がWeb担当者に期待しているのは、そうした自動的に生成されるレポートを提出してもらうことではない(関係者でドキュメントを保管・共有する必要がある場合を除く)。
直属の上司であればどのコンテンツがどれだけ集客できていて、成果がどのくらい出ているのかをピンポイントで知りたいだろうし、経営層に近くなるほど今月の数字が目標に達成しているか、前月や昨年と比べて伸びているのか、これから数字を伸ばしていくにはどのような施策が必要かといったことがより厳密な形で求められる。
これに「結果の数字しか見ていない」と不満に思われるかもしれないが、特にエグゼクティブ層はWebサイトそのものについて知りたいわけではない。わかりやすく言えば、興味があるのはその施策が「利益をもたらすのか」と「実現可能なのか」の2つだけといっても過言ではない。上司が責任を負っているのはその数字に対してなのだから当然なのだが、この役割の違いを理解しておかないと、あなたがいくら詳細なレポートを出しても正しく評価されることはないことは肝に命じておこう。