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プロモーションの舞台裏 Web Designing 2017年6月号

違いは小回りと機動力! 独自開発AIチャットボットの強み

チャットボット「Rebot」(リボット)を開発する会社、Resola(リソラ)。独自開発のAIによる応対サービスを提供する同社では、AIへの需要や独自開発による強み、今後の展望をどう捉えているのだろうか。

□開発元:(株)Resola

 

20年前の研究経験が活きる起業

Resolaは、AI(人工知能)をはじめトータルソリューションを提供するベンチャー企業。代表の奥田栄司さんは大学時代に統計学を専攻し、約20年前よりデータマイニングやニューラルネットワークの研究に携わってきた。その後、システム開発やモバイルアプリゲーム開発などに従事した後、2016年2月にAIやビッグデータを扱うサービス開発会社としてResolaを起業し、AIサービスのチャットボット「Rebot」をリリースした。チャットボットとは、AIを活かした自動会話プログラムを指す。

「20年前と違い、昨今は周囲の環境がAIに適してきました。GPUなどのハードウェアの進化、インターネットの普及による大量データの蓄積、ディープラーニングといった精度の高いアルゴリズムの発展などが重なり、投資家や参入企業、研究者が集まりやすくなって、進化の速度がますます高まってきています」(奥田さん、以下同)

昨今のAIブームが重なり、現状はさまざまな事業規模の企業から問い合わせがあるそうだが、特に大手企業、一定の組織力や規模感のある中規模以上の企業からの依頼が多いという。そこでよく聞かれるのが、「AIは万能?」という疑問だ。

「折衝時の心がけは、万能という誤解を解きながら、AIの得意、不得意を明示すること。AIありきとはならない対応です」

 

AIが意図を解析し、返答する

自動応答チャットサービス「Rebot」は、ユーザーのメッセージの意図をAIで解析。数々の機械学習や自然言語処理を経ながら精度向上を図る。例えば、返品対応を目的としたボットは「返品する」「返す」といったほかに、「かえす」などひらがな、カタカナ表記の揺れも含めたメッセージから「返品」の意図を認識する必要があるからだ。返答では、意図にあわせて定義づけした答え方を展開していく(01)。

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01 Rebot(リボット)とは?
Rebotは、AIを搭載した自動応答チャットサービスで、独自開発から生まれた。部分一致や曖昧な質問にも対応できるように機械学習が可能。上の例だと「返品」と「返す」について、同じ意図や同じ意味で使われている言葉だとAIが判断できるようになっている Rebot □開発元:(株)Resola

「現状のAIは、自由に応答文を組めないので、あらかじめ意図に沿った返答方法をルール化しておきます。仮に意図の判別ができない発話があった場合には、表向きは謝罪と、 別の言葉を使った再入力をお願いします。一方管理画面には、想定できる意図との一致率が基準値に到達しないが、対応候補となるリストが表示されます。仮に意図との一致率が50%という返答候補であっても、中身に問題なければ、該当する発話に返答を紐づける設定ができます(02)。すると、次回以降に同等の状況に遭遇しても、ボットが新たに設定した回答を自動で返すようになります」

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02 Rebotができること
クライアント側が操作しやすい管理画面が用意され、適宜AIを調整できる。例えば、任意のユーザーからの質問に対してチャットボットが答えられなかった場合でも、管理画面には回答候補が表示されて、画面上で指定、調整すれば、次から対応できるようになる

 

コスト抑制やニーズ対応で勝負

AmazonやMicrosoft、IBM、Googleなど、今回のAI特集では、名だたる企業のAPIが公開されている背景や、それらAPIを使った開発にも触れている。一方で、Resolaは基本的に独自開発。その点を奥田さんに問うと、ベンチャー企業ならではの機転の良さやカスタマイズの柔軟性に強みがあることを指摘する。

「たしかに世界的な企業には、莫大な投資額や大量のデータを扱える点では負けますが、各社APIのほかにも、ライブラリや論文などもかなり公開されて、世界的にAI技術のコモディティ化(一般化)が進んでいる時代です。決して技術的に劣るとは考えていません。逆に大手企業が手の行き届かない、クライアント一社ごとの細かなニーズにあわせたカスタマイズやコストを抑えた開発には、機動力が備わるベンチャーのほうが向いていると思います」

クライアントが気になるのは、実現できることのほか、コストに見合う開発なのか、依頼にあたって自社ですべき準備や手順の有無などもあるだろう。例えばFAQなら、自社で貯めてきたデータの提供があれば、奥田さんの見解では、大きすぎない規模なら短期間(2週間程度)でプロトタイプ開発まで進められるという。さらに2週間、社内などで検証期間を置いて自由回答の精度を確認できれば公開のメドもつきやすい。実際、価格設定が現実的だ(03)。問い合わせ対応で人手が割かれるなど、課題の顕在化が前提ながら、今後有力な選択肢と考える企業は増えてきそうだ。

 

Rebot(チャットボット)とは?

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Rebotのサンプル

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03 チャットボットの導入に必要な「できること」の背景
AI(意図解析)が読み取ったユーザーの意図どおりに最適な対応ができることが、チャットボットのあるべき姿。導入以後は、02のような管理画面を使い、AIの機械学習を重ねながら、ボットの精度を向上させる。価格の目安は右の表を参照

 

目指すはコンバージョンへの寄与

もともと奥田さんの起業の背景には、カンバセーショナル(会話型)UIへの関心の高さもあったそうだ。その具体化に近づく一歩も兼ねたRebotだからこそ、奥田さんはその先の姿を明確に見据えていた。

「導入されているチャットボットの大半の目的が、精度や性能を考慮すると、コスト削減だと思います。これを変えたい。具体的には、近い将来、コンバージョンに貢献したチャットボットの開発を実現したいです。CRMと連携して、各ユーザーが興味を抱くトピックを提案できるようなチャットボットだったら、みなさんが想像したくなる、万能っぽい“いわゆるAI”にも近いかもしれませんし(笑)、これまでと違ったAIの魅力を感じていただけそうです」

技術的なハードルは越えられそうだ、と奥田さんは手応えを語る。踏み込んだAI事例の登場が、近くどのような形で現れるのか(04)。Rebotの飛躍に期待したい。

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04 目指すは、コンバージョンドリブンなチャットボット
現状はチャットボットが担えることを考えても、コスト削減が目的の第一となるが、コンバージョンに寄与するチャットボットこそ遠くない未来に待つ新たなチャットボット像、と奥田さんは語る
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Interview with >>(株)Resola 奥田 栄司氏

掲載号

Web Designing 2017年6月号

Web Designing 2017年6月号

2017年4月18日発売 本誌:1,530円(税込) / PDF版:1,200円(税込)

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企業のIT推進担当者やネット運営者に向け、ネットビジネスの課題を解決するノウハウや最新情報をお届け。徹底した現場目線とプロへの取材&事例取材で、デジタルマーケティング施策に取り組む上での悩みや疑問、課題を解決するヒントを紹介します。

6月号のテーマは「AI」です。「え!?」と思った人、ぜひ本書ですでに直面している現実をご覧ください。

現在、ビジネスのキーワードとして飛び交っている「AI(人工知能)」。人間の脳の代わりとなり、さまざまな仕事をAIが賄ってくれる未来像がネット上でも飛び交っています。「人間の仕事を奪うのではないか」「人間を支配するのではないか」そういって煽るメディアも多々ありますが、果たして現在のAIとは、本当にそんなSFのような話なのでしょうか?
答えは「今はNO」です。
むしろ、AIはインターネット、そしてSNSといったものと同じ、現在のマーケティングを加速させる「新しいマーケティングツール」なのです。

一方、AIの導入は巨額の開発費を投資できる大手企業の話であり、自分たちのような中小規模の企業には関係ないと思っていませんか?
答えは「NO」です。
むしろ、時代の流れに少なからず影響を受ける中小企業こそ、大手との仕事のため、企業成長のため、正しい理解と認識が必要です。

AIは今すぐに、多額の投資をしなくとも活用できる状況がすでに作られています。
人工知能によってマーケティングにおけるあらゆるコミュニケーションが変わっていく可能性があり、そんな時代はもうすぐそこまで来ています。仕事の効率化、人件費削減など中小企業が抱える長年の課題に対する解決の道筋をつけてくれる可能性が大いに有り得ます。
御社の競合がAIを使った施策を行っている、そう聞いてからでは遅いのです。
本特集では、今、現場で活用できるAI技術を使ったWebマーケティングの方法と、それによるリソース面、予算面のメリットまで追求します。

第1部 【中小企業Web担こそ!】いますぐAIを検討すべき理由
●いますぐ使えるAIの基礎理解
●図解・AIがマーケティングで注目される理由
●AIの仕組み~要するに、何をしてるの?~
●AIをビジネスツールとして活かすには

第2部 AIを現場の即戦力にするメリット
●AI搭載型botでオペレーションコスト低減へ!スモールスタート可能なチャットボット活用法
●AIの機能は「分析」ではなく「分類」だ!AIの導き出す「答えの見方」
●実録・AIでFAQを作る
●こんな身近にある!AIツール

など

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