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YouTube検索で潜在顧客を「引き寄せる」方法 [Case Study]主婦の手づくり動画で月商650万円

“子育てママ”の悩みから発案されたアイデア商品「抱っこひも収納カバー」。世の中にそんな商品が全くなかった時に販売し、YouTubeを使い強力な認知に成功したルカコの秘策は、「動画を見ている人に届ける」ことだった。
Photo:黒田彰

ルカコ

「シンデレラストーリー」を支える苦労

2人の小さな子どもを抱えながら、自分が欲しいと思ったものを手づくりした縫製品の販売で月商は半年で100万円を超え、2016年11月の段階で主婦のパートを30名雇用するママさん起業家。それが「抱っこひも収納カバー ルカコ」代表の仙田忍さんだ。ここだけ聞くと単なる「シンデレラストーリー」と受け取られてしまうかもしれないが、小さいことを積み重ねてきた仙田さんのプロセスは、それこそ動画をビジネスに利用するためのヒントが満載なのだ。

もともとは個人的に始めた商売だった。子どもが小さく、フルタイムで働いている証明がなければ保育園に預けることができない現状のなか、仙田さんは子育てをしながら働ける方法を模索していた。そこで、まずは自分の経験から不便と思ったことを解決するため、2,000円の生地を購入して抱っこひも収納カバーをつくり、自身の手で販売することを考えた。しかし当初は、「抱っこひも収納カバーなんて売れないのではないか」という声が大半だったが、「自分と同じ悩みを持っているママさんは少なくないはずだ」と地道に努力を重ね、販売数が上がりだしたのが約3年前のことだ。

受注が増えるのは嬉しいことだが、増えすぎると1人でこなせなくなってくる。そこでパートを募集したところ70名が応募してくれた。「午前か午後のどちらでも良い」「いつ休んでも良い」という小さな子を持つママのための条件を提示して30名を雇用した。現在は12名が受注発送で、自宅で縫製しているママも多いという。リアル店舗では阪急百貨店ほか8店舗で常設販売されているが、つくり手となるママがお客様に直接手渡している。製造から販売に至るまで、まさに「ママの手づくり」なのだ。

ルカコのホームページ
抱っこひも収納カバー専門店 ルカコ

 

「動画を見ている人」に発信する

このようにして手づくりされた商品を、これまた仙田さん本人が制作したWebサイトで販売し、動画も自分で撮影/編集してYouTubeにアップロードしている。なぜ動画だったのか。それは、抱っこひも収納カバーがこれまでにない商品であり、商品特性がわからないのが理由だ。

子どもを抱く時に使う「抱っこひも」の不便さや不満を解消できる商品特性を、静止画ではうまく表現できない。そんな悩みを抱えていたある時、このカバーの使い方を実演してみせる機会があった。すると、その場で見ている人たちは「おおー!」と感嘆の声をあげたのだ。「これは動画しかない」と、四苦八苦しながら3分の動画を制作した。もちろん手づくりである。

使い方・特徴に絞ったシンプルな動画
YouTubeに公開されている動画には、ベビー用品メーカー大手の「エルゴ(で使える)カバー」と銘打って商品を紹介し、固定カメラ1台で撮影した使い方を紹介。あとは静止画を組み合わせた“手作り”動画だ

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掲載号

Web Designing 2017年2月号

Web Designing 2017年2月号

2016年12月17日発売 本誌:1,559円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

Web動画マーケティングの[最新]勝ちパターン

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企業のIT推進担当者やネット運営者に向け、ネットビジネスの課題を解決するノウハウや最新情報をお届け。徹底した現場目線とプロへの取材&事例取材で、デジタルマーケティング施策に取り組む上での悩みや疑問、課題を解決するヒントを紹介します。

2月号の特集テーマは「Web動画マーケティング」です。

「いまは動画の時代である」と言われはじめてはや数年。インターネットで見られるコンテンツのうち、動画の割合が増えてきたことは言うまでもありません。SNSはもとより、コーポレートサイトなど、目にする機会が多くなった動画は、すでにマーケティングのツールのひとつとして考えるのが当たり前になっています。とはいうものの、いまのビジネスに動画がどんなメリットを与えてくれるの? という方も多いのでは。そんな方のためにも本特集では、利益を伸ばすためのポイント、トラフィックを増やす方法、SNSやYouTubeとの連携など、ビジネスに動画を活用するための知識や方法を、費用対効果に沿った形で解説します。大手企業のマネをするのではなく、自社のビジネスにあった動画の活用方法をお伝えします。


第1部「ここだけはおさえたい! 動画マーケティングの基礎知識」

_実録「マーケティグ動画のできるまで」
実際に中小企業が動画マーケティングのプロに仕事を依頼した一つの案件について、ヒアリングから動画制作、納品、その後の分析/解析まで時系列で紹介。
動画施策の一連の流れを疑似体験してみましょう。

_やさしく解説する「動画マーケティング」
動画マーケティングについて、その考え方、ポイント、留意点などさまざまな点から、動画とマーケティングの関係についてわかりやすく解説します。

_“動画マーケティング”その背景を考える
なぜいまマーケティングに動画が利用されるのでしょうか。写真ではなく、動画であることの理由はたくさんありますが、スマートフォンの普及、それに応じた縦型動画の利用などなど、いま動画がマーケティングとして利用される背景について考えます。

_マーケティング視点で考える動画
動画をマーケティングに利用するということは、単に写真を動画に入れ替えるということではありません。動画にすることの目的は、あくまでも自社の課題を解決するためです。
課題を見つけ、それに応じたKPIを立て、PDCAを回していくという基本的な考え方が必要であることを改めて考えます。

_Facebook、Twitter、Instagram…SNSで展開する動画について
SNSで動画はどのように扱われ、いかにマーケティングに利用できるのでしょうか。各SNSがプラットフォームとして用意する動画との親和性はもとより、利用する側が知っておきたいさまざまな知識について解説します。

_Youtubeで公開する動画について
SNS同様、動画プラットフォームとして確立しているYouTube。広告としてだけでなく実際に動画を配信することで得られるメリット、マーケティングとして利用するための方法についてなど、あらかじめ知っておくべき基礎知識をまとめます。

_動画の効果を測定する方法、その考え方
動画を利用したマーケティングでは、動画つくって終わりではありません。公開した動画がどのように見られているのか、アプローチしたい層に届いているのかなど、その効果を測定しながらさらなる改善が必要になってきます。そのための効果測定について、解説します。


第2部「事例集」
_5つの事例から学ぶ、動画マーケティングの現場からの視点

コラム
_費用対効果で考える自社の動画制作(予算と規模感の相関)
_中小企業が実践すべき動画マーケティング10か条

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