2016.09.05
担当者ひとりでもできる“オウンドメディア”のはじめかた Movable Typeのシックスアパート流
目的、予算、プラットフォーム、体制など考え始めると二の足を踏んでしまうことも多いオウンドメディア運用。だが、担当者の負荷を最小限にする仕組みがあれば、ひとりでも実行可能だ。
はじめなければはじまらない
「自ら書き、発信すること」がオウンドメディアの要件であるが、それを実現する手段は実にさまざまだ。コーポレートサイトをコンテンツ化する場合もあれば、広報・製品ブログ、あるいは特定のテーマを中心にしたWebメディアを立ち上げる場合もあるだろう。また、媒体はWebに限らず、メールマガジンやフリーペーパー、あるいは店舗そのものだって企業の従業員自らがコンテンツを発信するのであれば、それはもう立派なオウンドメディアである。
こうした形態的な理解を踏まえたうえで自社のメディア戦略の方向性を考え、最適な選択肢を取らなくてはならないが、現実問題として人員や予算に余裕がなく、運営のノウハウもないといった理由で周囲に相談もできず頭を抱えている担当者もいるだろう。
だが、ブログ形式のオウンドメディアであれば、運用の人員やコスト、更新の労力を極限まで抑えられると「Six Apartブログ」の壽(ことぶき)かおり編集長は語る。

「オウンドメディア運営者のためのオウンドメディア」を標榜するシックス・アパートのブログ。同社が取り扱うCMS「Movable Type」の認知向上という側面もあるが、企業のオウンドメディア運営者を支援し、最新の事例やテクニック、トレンド動向を発信する場でもある。同ブログの運用は、現在編集長だけで行っており、まさにひとりで運用するオウンドメディアのお手本になるだろう https://blog.sixapart.jp/
同ブログは自社製品の広報活動を担う「広報ブログ」とは別にオウンドメディア運営者に向けて役立つ情報を発信しており、実際に編集長みずから1名体制で運用している。費用も人件費以外はほぼゼロだという。
「オウンドメディア運営の目的を明確にし、記事の数ではなく、記事がもたらす効果に注目してメディアを運営しています。単体のメディア力を上げることだけではなく、勉強会運営など対象読者につながるための多様な活動を通して、Six Apartのファンを増やしていきたいと思っています」(壽氏)

オウンドメディアの立ち上げでブログを選択した場合、まず大事なのは運営の目的を明らかにし、「読者に役立つ情報は何か」を考えることだ。ブログ投稿に必要なCMSツールを選択したら記事を投稿し始め、そこを起点にさまざまな展開を広げ、問題点があれば軌道修正していこう
プラットフォーム選びは運用の手軽さを重視
ここでは、まず担当者がオウンドメディアをひとりで切り盛りするための基本的な環境構築と知識を整理していく。例えば、あなたが広報や製品マーケティングの担当者としてブログ形式のオウンドメディアを新規に立ち上げるとしよう。予算と人員が潤沢にあれば社内のIT部門や外部の制作会社に依頼することも考えられるが、ここではすべて自力で行う場合を想定してみる。自分でレンタルサーバの管理、WordPressやMovable Typeなどソフトウェア型のCMS導入・カスタマイズまでを問題なくできるのであれば話は簡単で、そのままセットアップして次のステップに進んでもらって構わない。
だが、実際は本業でWebの業務などをしているのでなければ、そうした環境構築の手間は極力かけずにコンテンツの制作や更新に注力したいのが本音ではないだろうか。