文章の目的は、情報を正しく伝えること ならば文章は「短く」、「能動態」で書け!|WD ONLINE

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Web Designing 2022年4月号

文章の目的は、情報を正しく伝えること ならば文章は「短く」、「能動態」で書け!

今日は時間がないので長い手紙になる

現在、私はライターさんの書いた文章を校正する仕事をこなしています。さまざまなタイプの書き手さんの原稿を拝見するのですが、その作業のなかでとにかく多く指摘するポイントが2つあります。まず一つが「ひとつの文が長いです。2文か3文に分けましょう」ということ。もう一つが「受動表現を止め、文章に責任を持ちましょう」というもの。この2つのポイントを知らないで原稿を書くと、とにかくその内容が理解しにくいものになるうえに、文章自体の責任の所在が極めて曖昧になってしまいます。本連載の第1回で、私は次のように書きました。「サイトに掲出される文章は、正しく表現し、作り上げたコンセプトが誤った形で伝わるのを防ぐ必要がある。表現を間違えると、作ったもののブランド価値を落としうる」。文章は、サイトの、いやその奥にあるサービスや企業の顔なのです。長ったらしく冗長な表現を止め、受動表現を極力避けた、凛々しい文章が必要です。ひとつずつ説明していきましょう。

さて、はたしてひとつの文章の長さはどのくらいが適切でしょう。これは教え手、書き手によって違いはありますが、私は「60文字以内」を一つの基準としています(多少の揺らぎはOK)。これを超えてしまうと、主語と述語の関係にねじれが生じたり、修飾の順序が乱れたりと、いろいろな問題が発生するもの。例文を書きましょう。

【悪い文】20XX年の日本の総広告費は、継続する景気拡大に伴いX兆0,000億円(前年比XXX%)となり、X年連続でプラス成長となったが、媒体別にみると、インターネットSNS広告費の伸長に反し、雑誌広告費は前年比XX.X%と大きく規模を縮小してしまったために、新聞を含めた紙媒体だけを切り取ると、その規模は年々縮小していると言わざるを得ない。

一文が168文字。極端な例ですが、このくらいの文章は現実的によく見かけます。複数の主述関係が内包されているため、理解に負担がかかるのです。

【良い文】20XX年の日本の総広告費は、継続する景気拡大に伴いX兆0,000億円(前年比XXX%)となり、X年連続でプラス成長となった。だが、媒体別にみると、インターネットSNS広告費の伸長に反し、雑誌広告費は前年比XX.X%と大きく規模を縮小している。新聞を含めた紙媒体だけを切り取ると、その規模は年々縮小していると言わざるを得ない。

3文(一文50文字前後)に分けてみました。いかがでしょう。「文章の理解しやすさ」という意味では、劇的に改善していると思います。フランスの哲学者・数学者のブレーズ・パスカルは、こう言ったそうです。「今日は時間がなかったので、申し訳ないが長い手紙になる」。そう、わかりやすい文章とは、常に短く整理されたものであるべきなのです。

文章から説得力を奪う受動表現という罠

2点目。文章は、「誰が、何のために」書いているか、という責任の所在が重要です。しかし、文章のなかには「と考えられている」「と言われる」など、一体誰が主体者なのかわかりにくいものが散見されます。このような受動表現になるのは、「自信がない」「根拠がない」「体験したことではない」といったことが原因。もちろん「予測」や「一般論」など断言できない事象の説明文では受動表現を用い、その事実の不確実性を示すことはあります。しかし、「明確な事実」「調べたこと」「体験したこと」は、書き手は自信を持って能動表現にしないとなりません。

【悪い文】出版市場、とりわけ雑誌の落ち込みの原因は、インターネットの隆盛が原因と考えられる。一方で、書籍市場はまだまだ活気があるとされ、その落ち込みのスピードは雑誌よりも緩やかと言われている。

【良い文】出版市場、とりわけ雑誌の落ち込みの原因のひとつは、インターネットの隆盛が原因だと考える。一方で、書籍市場はまだまだ活気があり、その落ち込みのスピードは雑誌よりも緩やかと言える。

責任を持った能動表現が、その奥にあるメディアの信頼を生みます。「考えらえる」「される」「言われる」で、姿の見えない第三者発信に逃げるのは止めにしましょう。さて、今回の例文は奇しくも雑誌業界の不況を伝えるものとなりました。しかし、その例に反し、「WebDesigning」は今日も雑誌の体裁で発行され続けています。その理由は、岡編集長の巧みな媒体マネジメント力であると考えられます(ここは根拠が不明なため、文責をあいまいにさせていただきます)。

受動表現は、文章内容としては「別におかしくない」のが怖いポイントです。チェックする側も「内容がわかるし、いいか」となりますが、やはり文章全体の印象がぼやけてしまうもの。自身の体験や正しいエビデンスをもとに書く文章ならば、「だ・である」としっかりと言い切りましょう。
まついけんすけ
株式会社ワン・パブリッシング取締役兼メディアビジネス本部長。20年間雑誌(コンテンツ)制作に従事。現在はメディア運営のマネジメントをしながら、コンテンツの多角的な活用を実践中。自社のメディアのみならず、企業のメディア運営や広告のコピーライティングなども手掛ける。ウェブサイトのディレクション業務経験も豊富。

掲載号

Web Designing 2022年4月号

Web Designing 2022年4月号

2022年2月18日発売 本誌:1,560円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

ヘッドレス時代のCMSトレンドは「適材適所」と「ファーストデータ収集」

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Web Designing 4月号(2月18日発売)特集
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コンテンツマーケティングが大きく変わる!
CMS新時代 2022

クッキー規制で要望高まる「自社サイトからの情報発信」。
多チャンネル時代の効率的&効果的な
運用のカギはCMSにあり!
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IT業界では現在、「クッキー規制」が取り沙汰されていますが、
今後は自社サイトへ顧客を集め、自社で得たデータを元にマーケティング活動をする 流れが確実に進んでいます。
それを効率的に行う1つのヒントが、「CMS」です。
CMS(コンテンツ管理システム)を「情報の集積場」にして、
そこからWebサイト、SNS、その他ユーザーの閲覧デバイスや求める情報に合わせて
最適な形とタイミングで情報を提供していく仕組みを作るのが近道であり、
既存のツールとうまく連携し、できるだけ運用の手間を削減するには どうすればいいでしょうか。

それを効率的に、スピード感を持って実現できる技術として注目されているのが、
「ヘッドレス」です。
Web Designing 2022年4月号では、
昨今のキーワードである「ヘッドレス」とともに、
企業の情報発信を効率的に、会社の情報資産を有効活用するためのテクニックと
それを可能にする注目CMSを紹介します。

ー<CONTENTS>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■ヘッドレスCMSって要するになに? 
CMSトレンド1年生 そもそもの仕組み、用途、メリット・デメリット、
取り入れるために必要な 社内状況(事業計画や予算)などを専門家(先生)が基本のキから解説。
 
■クッキーレス時代 CMSで自社コンテンツの最適な配信方法とは
■コンテンツ配信にベストなCMSの選び方
■ワンソースマルチユース コンテンツ管理&運用の基礎
コンテンツ評価の考え方/実践編
■おすすめCMS紹介!

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