WD Online

One's View コラム Web Designing 2020年6月号

【コラム】ジェンダーギャップの“データ”と“実体験” 今号のお題「データ」

さまざまな方々に、それぞれの立場から綴ってもらうこのコラム。ひとつの「お題」をもとに書き下ろされた文章からは、日々の仕事だけでなく、その人柄までもが垣間見えてきます。

2019年末、日本のジェンダーギャップ指数が世界121位であったことが話題となりました。そして2020年の国際女性デーには日本マスコミ文化情報労組会議がマスコミの女性管理職の比率を発表し、新聞社の女性管理職比率が7.71%であると報じられています。片や、海外では女性首相が続々と登場し、特にフィンランドの内閣は19人中12人が女性であることは有名な話ですね。

私は2019年の夏からポートランドで暮らしていますが、かつては日本で暮らすITベンチャー界隈のワーキングマザーでした。女性役員比率も育休復帰率も他業界よりは高い傾向にあったと思います。私自身も育休復帰後に独立起業し、その後次男を産んだ後に現職上場会社の子会社代表に就任しました。周りにも子どもを育てながらバリバリ働いているママが少なくありません。男女雇用機会均等法成立時の先輩たちが切り拓いてくれたから、就職氷河期世代の私たちは働きやすい環境を得ることができ、日本でも女性が働きやすくなったかな、男性も育児に参画するようになったかな、なんて感じていた当時。保育園ではパパがママチャリで送迎する姿も見かけ、同世代で育休を取得するパパも増えました。

そしてポートランドに移住した私が最初に驚いたことは、20代に渡米してそのまま米国で暮らしている日本人女性の多さでした。個々にさまざまな事情あれども、自分らしく生きられる選択をした結果、彼女たちはこちらを選んだのだと思いました。そもそも、平日の朝10時にたくさんのパパが公園で子どもと遊んでいますし(仕事は…?)、保育園の送迎はパパが担当する家庭もたくさんあります。小学校の送迎さえも(14時迎えなのに)パパがたくさんいます。自転車に子どもを乗せて、街を走るパパの姿もたくさん見かけます。

「ママはダウンタウンまで通勤しているからさ、僕が送迎も買い物もやってるんだ!」その光景はまさに“衝撃”でした。先日は小学校のお迎えの時に「おやつにスコーンどう? 僕が焼いたんだ!」と、パパ友からひとつもらいました。生のブルーベリーが入っていて、それは美味しくいただきました。

さて、冒頭のデータは日本女性の活躍が確実に世界から遅れていることを物語ります。それと同時に、私は暮らしの中の実体験として、日本のジェンダーギャップの大きさや、性による役割分担が根強く残っていることを感じていました。

データがすべてではない、私はそう思っています。データは信用しすぎると「細かい事象」や「大事なこと」を見落とすから、自分の目で確認することが必要だと思っています。その意味において、このジェンダーギャップはデータと事象が両方揃ってしまった出来事だったのです。

私は地方出身であり女性であることから、多少ですが我慢した経験があります。だから20代になってから「選択できる人生と暮らし」ができるよう努力を継続し、今も続けています。

そして多くの人が、もっと選択できる、自分の人生をつくれる世の中にしていきたいと思っています。「暮らしをつくろう。自分の暮らしのオーナーは自分自身です」と会社のヴィジョンに記しました。これは私が、多くの女性に伝えたいメッセージでもあり、私の信条です。私にできることは、発信すること、サービスをつくること、ぐらい。それがこのジェンダーギャップを埋めることに少しでも貢献できたらと思っています。

このコラムは今回で最終回。皆さんお付き合いありがとうございました!

Matsubara.jpg
先進国の中でもジェンダーギャップにおいては断トツに後進国な日本。日々の暮らしで体験するさまざまな事象とデータが結びつくと、真の姿がよりくっきりと浮かび上がってくるのだと思います
出典:Global Gender Gap Report 2020
http://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2020.pdf
スイスの非営利財団「世界経済フォーラム」が、男女間の格差を「経済」「教育」「保健」「政治」の4分野を指数化したもの。男性に対する女性の割合(女性の数値/男性の数値)を示しており、0が完全不平等、1が完全平等となる
WD194P133_OnesView_Matsubara.jpg
ナビゲーター:松原佳代
2005年に(株)面白法人カヤック入社。広報および企業ブランディングを担当する。2015年に独立し、株式会社ハモニアを設立。スタートアップの広報戦略、広報人材育成をおこなう。2017年7月より、(株)カヤックLivingの代表取締役を兼任。暮らし、住宅、移住をテーマとする事業を展開する。カヤックLiving/ Twitter @kayom

掲載号

Web Designing 2020年6月号

Web Designing 2020年6月号

2020年4月17日発売 本誌:1,560円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

緊急特集【テレワーク】/世界のリサーチ結果をプレゼンやビジネスの武器にしよう!

サンプルデータはこちらから

■■■■■■■■■ Web Designing 6月号(4月17日発売)特集 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■

【緊急特集】テレワーク
リモートワーク・ビデオ会議の質を高めるための実践テクニック


世界の大規模なリサーチデータを集計して徹底分析!
Webビジネスの最新動向

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

<概要>

--【テレワーク】-----------------------------------------------------------------------
・リモートワークが余儀無くされる状況下、何からどう取り組めばいいか困っている人へ、
 企業として長くリモートワークに取り組んできた2社のノウハウを紹介。

・どんな機器、ツール、体制がおすすめ?
・円滑に、質の高いリモートワークを実現させるための実践ポイント



-【Webビジネスの最新動向】-----------------------------------------------------------------------
・公的機関をはじめ民間企業の独自調査など、90以上の世界中のリサーチ結果を見やすく整理。
 社内外の提案などで参考資料として使える資料集。

・ツール選定などの参考資料にもなります。

・リサーチ結果から各業界のプロが現在~近未来の潮流を優しく解説。

・Webマーケティング編(マーケティング全般、SNS、動画、ECなど)
 最新テクノロジー編(AI、RPA、IoT、VR、5Gなど) 
 採用&働き方編(テレワーク、採用、キャリア育成、組織改革など)
 
・目的なくして調査の意味はない! ユーザーリサーチの心得
・「調査屋」ではなく「戦略パートナー」にする! プロにリサーチを依頼するメリットとは?

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

【Web Designing 6月号を読んだメリット】

・いますぐリモートワーク、Web会議などを整備するために必要な現場のノウハウがわかる
・リモートワーク、Web会議をより快適に行うための機器やツール、運用体制の参考になる

--------

・提案・プレゼンの根拠づけなどに使える
・ツール導入などの選択基準として使える
・Webビジネスの技術・働き方の潮流が把握できる
・ビジネスの最新動向を系統立てて把握できる
・リサーチ結果の数字を読み、自分のビジネスに活かせるノウハウが身に付く
・効果的なリサーチ方法、アンケートの設問の作り方などがわかる



【こんな悩みを持つ方にオススメ!】
■大事なビジネス方針を決めるのに、たった1つの調査結果だけで大丈夫かな…?
■プレゼン資料を作るのに、色々なデータをかき集める時間がない!
■マーケティング手法もテクノロジーも目まぐるしく変わっているけど、今のポイントを知りたい
■リサーチが必要なことはわかっているけど、そんな予算もないし何をしていいかわからない
■決裁者に提案を通すために効果的な数字やその見せ方が知りたい

など

この記事を見た人はこんな記事も見ています