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特集一覧 Web Designing 2019年10月号

自治体支援の今を知る 受け入れ側の意識はどうなっている?

ここまで地方で活躍するクリエイターや制作会社の事例を紹介してきましたが、それを実際に受け入れる側の地方自治体や地元企業の体制や意識はどのようになっているのでしょうか。一般社団法人 移住・交流推進機構(JOIN)の植田賢さんと出羽朋絵さんに話を聞きました。

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植田 賢 一般社団法人 移住・交流推進機構(JOIN) 参事

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出羽 朋絵 一般社団法人 移住・交流推進機構(JOIN)参事

RESEARCH #1 地方移住・交流地方への関心

都市と地方自治体のマッチング

近年「地方創生」や「関係人口の増加」といった文脈で、地方移住や多拠点居住・事業展開といった新しい働き方に対する関心が高まっています。しかし、それを受け入れる側の地方自治体の支援体制や地元経済の状況については、よくわからないというのも実情です。そこで、全国規模で移住・交流希望者のマッチング業務を行なっている一般社団法人 移住・交流推進機構(JOIN)に現状を伺いました。

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ニッポン移住・交流ナビ
地方への移住や交流に関わる情報が集まるポータルサイト。「自治体支援制度検索」「地域おこし協力隊」「空き家情報」といった情報に加え、相談会やお試しツアーなどのイベント情報が掲載されています

「人口減少や超高齢化といった大きな流れ自体は地方に共通している課題ですが、実際の地域の抱える課題は実にさまざまです。一方で、移住を希望される方のニーズもますます多様化しています。以前は仕事をリタイアして自然の豊かな農村で『田舎暮らし』というイメージでしたが、若者や子育て世代の就労や、地方で事業展開したり起業したいといった目的で注目している動きも増えつつあります」(植田賢さん)

都市部の人材が持つ多様なスキルと地方自治体や企業が求めているニーズとのマッチングという難しい課題に対して、全国47都道府県の1,400を超える地方自治体と44社の法人会員(7月1日時点)が参加するJOINでは、さまざまな形で情報発信や交流イベントの開催に務めています。

「移住・交流希望者への情報発信という意味では、ポータルサイトである『ニッポン移住・交流ナビ』、『地域おこし協力隊』のWebサイト、そしてJOINの公式Facebookページの3本柱となっています。また、これと連携する形で『JOIN移住・交流&地域おこしフェア』というリアルイベントも開催しています。昨年の来場者の傾向を見ると69%が40歳未満なので、若い世代の注目が高いようです」(植田さん)

 

受け入れ側の意識に変化はあるのか

ニッポン移住・交流ナビに掲載されている情報は、基本的に自治体や企業側が登録するものであり、JOINとしてはプラットフォームを提供する立場であるとする植田さん。しかし、地方自治体職員としての経験から、受け入れ側の課題意識や姿勢を読み解くためのヒントを教えてくれました。

「地方自治体の課題意識や求めていることはさまざまです。同じ道府県であってもエリアごとに課題が異なることも珍しくありません。自治体支援制度の内容をよく読んでいくことで、それが見えてくるのではないでしょうか。また、制度の詳細について最終的には各自治体のWebサイトで確認していただくのが確実です」(植田さん)

同サイトに登録されている4,000件以上の自治体支援制度の内容を読んでいくと、農林水産業など地場産業の純粋に人手不足を補うための施策から、地域経済の新たな可能性を広げるための施策まで実にさまざまです。同サービスでは職種ごとの検索には対応していませんが、例えばWebマーケティングなどの経験が活かせる地域を探すにはどうすればよいでしょうか。

『オフィス』『起業』などのキーワードで調べると、業種を問わないサテライトオフィスへの助成金や起業や創業のインキュベーション支援制度などが検索でヒットすることがあります。こちらであれば、都市部より有利な制度もありますので、これから地方に目を向けるWeb関連の方にも役立つ情報が手に入りやすいと思います」(出羽朋絵さん)

また、「移住」といった最終的なゴールの前に、まずは地域に関心を持ってもらおうという意識のある自治体を探すのであれば「お試し」「体験」といったキーワードで探すのも有効といいます。

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地方移住に興味を持ち始めた人たち(1)
移住・交流イベントへはこの4年間、8,000人を超える参加者を集め、初参加の人の割合も高い傾向です。受け入れる自治体側もこうしたイベントから得られたニーズを支援制度に反映して改善しているといいます
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地方移住に興味を持ち始めた人たち(2)
JOINが主催する「移住・交流&地域おこしフェア2019」で実施されたアンケートから来場者傾向を見ると、20代から40代の若年~中堅世代の割合が高いのが特徴です

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掲載号

Web Designing 2019年10月号

Web Designing 2019年10月号

2019年8月17日発売 本誌:1,530円(税込) / PDF版:1,200円(税込)

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高齢化や人口減少など、地方が抱える課題は山ほどあります。
一方で、インバウンドによる地域資源の再発見やITインフラの整備など、
ポジティブに捉えられる話題もあります。
もちろん地方の自治体・民間企業は今、大きな課題に対し真摯に取り組んでいますが、
WebをはじめとするITスキルのプロフェッショナルの力を必要としているのです!

WebやIT業界で活躍する制作会社をはじめとしたプロフェッショナルのみなさんは、
今そこにある地方の課題解決に多少なりとも貢献できるスキルを持っていると言えるでしょう。
また、ネットワーク技術の進化は働く場所の自由度を大きく広げました。
自分の理想とするライフスタイルに合わせて、住む場所をはじめ関わりを持つ地域の選択肢も増えています。
そこで、企業や制作会社の地方も視野に入れた働き方の可能性も追求していきます。


また、ネットワーク技術の進化は働く場所の自由度を大きく広げました。
自分の理想とするライフスタイルに合わせて、住む場所をはじめ関わりを持つ地域の選択肢も増えています。
そこで、企業や制作会社の地方も視野に入れた働き方の可能性も追求していきます。



●地方が抱える課題とは
・制作会社の力が活きる地方のニーズ

●地方におけるWebビジネスのヒント
・制作会社の強みを活かす 考え方と実践
・今行われている地方でのビジネスとは?

●自治体側の受け入れ態勢や協業、助成金

●地方との繋がり方
・「移住」は手段の一つ。「住まなくても繋がる」関係性

●企業で考えるべき「働き方」
・地方志向の社員を活かすための制度導入
・サテライトオフィス、在宅リモートなど事例

【本誌内注目の一文】
■本当の魅力を発見して伝えていくためには、外から来たヨソモノ視点が必要

■まずは参加して、違う環境に関わってみよう

■都市部の高齢化問題の先進事例はローカルにある

■地域外の人材が地域づくりを担い変化を生み出す

■WebやITを生業とする方であれば、自身のスキルを活かす形でも関係人口になれます

■特別な理由がなくても全社員が選べる働き方として、テレワークを活用している




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