地方自治体と盛り上げるインバウンド・アウトバウンド 事例詳細|つなweB

佐賀県の佐賀牛の取り組み

平成19年に佐賀県農業協同組合(JAさが)、佐賀県、関係市で構成する「佐賀県農林水産物等輸出促進協議会」を発足。香港やシンガポールなどアジア各国でフェアの開催や見本市への出展のほか、バイヤーの招聘事業などを行い、この10年間で輸出量を5倍以上にも増やしてきました。

また、英語を入れた佐賀牛のプロモーション動画も作成。佐賀県のさまざまな観光イメージも見せつつ、生産現場の牧場や佐賀牛の特徴、調理シーンまでを紹介しています。それらにより、海外でも「佐賀県=佐賀牛の産地」として認知されるようになってきました。

佐賀を訪れた際に佐賀牛を食べる観光客も増え、佐賀牛レストラン「季楽」本店では外国人観光客の来店数は9年前から17倍にも増加。その中でも最大の輸出国である香港からの観光客が一番多くなっています。

台湾バイヤー招聘事業の様子
佐賀牛の輸出量
(佐賀県農林水産物等輸出促進協議会調べ)
賀牛のプロモーション動画
佐賀牛レストラン「季楽」本店の外国人来店実績
(季楽調べ)

 

青森県のりんごの取り組み

国産りんごはアジア諸国に輸出されていて、そのうち青森県産のりんごは9割を占めているといわれています。

青森県では関連団体と連携し、台湾や香港で輸入業者等を招聘して産地視察や意見交換会を開催したり、台湾での三村申吾知事によるりんごと観光のトップセールスなどを展開したりしてきました。

一方、青森県への外国人観光客数は東日本大震災のあった平成23年には落ち込んだものの、現在は宮城県につぎ東北2位となっています。りんごの産地としての認知度を活用しながら、青森市などによる台湾のブロガーを招聘したプロモーションや、国内観光客の減る冬季に雪遊びをアピールしたことが成功しています。平成29年の外国人延べ宿泊者数は前年より10万人増の24万人以上にもなり、りんご輸出国である台湾からの観光客が一番多くなっています。

台湾で行ったフェアの様子
(提供:一般社団法人青森県りんご対策協議会)
台湾ブロガー招聘事業の様子
雪遊びを楽しむ中国人観光客
青森県の外国人延べ宿泊者数
(観光庁 宿泊旅行統計調査より)
平成29年の外国人延べ宿泊者の国別割合
(観光庁 宿泊旅行統計調査より)
平田順子
※Web Designing 2018年12月号(2018年10月18日発売)掲載記事を転載

関連記事