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データのミカタ Web Designing 2018年12月号

アジアでのEC展開に欠かせないソーシャルメディア対応 データアナリスト萩原雅之氏による統計コラム

日本の企業でも、中国のTmall(天猫)や東南アジアを中心としたLazada(ラザダ)などの有名モールを通して、自社商品をアジアの国々で販売する動きが活発だ。アジアの消費者の購買力が上がり、日本製品は高い評判を維持してはいるが、商品をECに乗せるだけで勝手に売れるわけではない。各国の消費者特性やオンライン行動を正しく理解して、それに対応したプロモーションやサポートが必要である。

トランスコスモスが今年春に発表した「アジア10都市オンラインショッピング利用動向」もそのような目的で実施された調査であり、私も企画と分析にかかわった。全体を通して明らかになったのは、アジアの都市消費者が東京の消費者とかなり異なっているという事実だ。

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東京を含むアジア10都市、10代~40代のオンラインショッピング利用者3,200人を対象に、トランスコスモスが実施した調査から、ソーシャルメディアに関する2項目を掲載。小数点以下の四捨五入により、合計で100を超えている都市がある
出典:「アジア10都市オンラインショッピング利用動向調査2018」

ECを頻繁に利用するアジアの消費者は検索サイトだけでなく、FacebookやInstagramなどのソーシャルメディア経由での商品認知が多く、インフルエンサーの意見やクチコミサイトが極めて大きな影響力を持つ。購入した商品や体験をSNSへ投稿するという利用者比率も、東京を大きく上回っている。ECとソーシャルメディアとの関係が、日本で想像する以上に密接なのである。

また東京に比べると、サイトの写真や説明文と実物が違うという経験が多いため、正規品保証や商品の生産地などが重視される。配送への信頼度もそれほど高くないので、職場や店頭での受け取りがよく利用されている。日本ではあまり浸透していないメッセージングアプリや、チャットによる価格交渉やサポートへの対応も検討する必要がある。

アジアでのEC展開を考えるならば、先入観にとらわれず調査データや現地での観察、ヒアリングを十分に行ってほしい。それによってリスクを大きく減らせるはずだ。

 

Text:萩原雅之
トランスコスモス・アナリティクス取締役副社長、マクロミル総合研究所所長。1999年よりネットレイティングス(現ニールセン)代表取締役を約10年務める。著書に『次世代マーケティングリサーチ』(SBクリエイティブ刊)。http://www.trans-cosmos.co.jp/

掲載号

Web Designing 2018年12月号

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2018年10月18日発売 本誌:1,559円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

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2017年、訪日外国人の数は2869万人にのぼり、毎年400万人のペースで伸びてきているといいます。政府は、2020年に4000万人に乗せるという計画を公表しており、今後ますます国をあげて「訪日外国人増大」の波は確実に大きくなっていきます。

日本国内に向けた商品展開や売上に行き詰まりを感じている企業をはじめ、当然この「訪日顧客」の存在を無視する手はありません。さらに言えば、インターネットにより訪日外国人だけでなく世界中の人々に自社の商品・サービスの情報を届けることができる時代に、国内だけを見て一喜一憂していていいのでしょうか?

…とはいえ、

じゃあ何をすればいいのよ?
日本との文化の違いは大きな壁じゃないの?
どこの国を狙えばいいかわからない
売りたい商材、狙う国によってウケるアプローチは違うよね?

などとおっしゃる方も多いでしょう。そこで、海外を相手に「売り込む」「呼び込む」「買ってもらう」3つのアプローチを軸に、海外マーケティング戦略の基礎から1年で実現できる具体的な手法・考え方を、はじめの一歩から教えます。


[第1部]
■海外進出のために考えるべきことと準備すること
 ●売るのは「モノ」から「コト」へ
 ●海外の人に向けて、自社商品は何がウリなのか
 ●海外顧客に対応するためのWebでの受け入れ対策

■[Webで海外を相手にするアプローチ①]海外進出(アウトバウンド)
 海外に売り込む
  海外で取り扱ってもらうにはまず何をすればいい?
  ルールや法律はどちらの国のものが適用される?
 
■[Webで海外を相手にするアプローチ②]インバウンド
 ●日本向けと海外向けでコンテンツマーケティングの考え方は違うのか
 

■[Webで海外を相手にするアプローチ③]越境EC
 ●海外から自社ECショップへの集客術
 ●関税・免税はどう対処すればいい?


など

[第2部]

■世界地域別:進出とらの巻
第1部「海外を相手にする3つのアプローチ」を、自社ではどの国に仕掛ければいいでしょうか?
市場、文化、国民性、言語、法律、税制などアジア、ヨーロッパ、アメリカ、その他。地域独特の課題とクリアするヒントを解説します。

●自社の商品はどの国が狙い目?
 ターゲットにする国の選定基準

●各地域別攻略のヒント
 中国、東南アジア、アメリカなど


[第3部]

■言葉の壁をのりこえろ!

・ただの自動翻訳では客は集まらない!
・翻訳サービスの実際:作業期間・費用感
・サイトの海外対応で必ずぶつかる諸問題をできるだけ低予算で解決する
・テキストを使わないアプローチ



[第4部]

■海外戦略は決済対応が基本!

・地域別決済システムの有利不利・そのキメテ
・各国の決済事情への対応方法
・海外との決済関連の注意点
・低コストで導入できるサービス

など

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