2018.07.26
AIが変える採用のかたち IT活用が成功のカギ
これまではエントリーシートをチェックする人や面接官の「好み」によって採用の合否が決まることも少なくありませんでした。今、導入が進んでいるITを活用した手法の実態を専門家に伺います。
AI活用で時間短縮
選考の時間短縮や効率化、コストダウンなど多様な人材を発見するためのツールとして注目を集めているのが、AI活用と動画面接です。AIエンジンを搭載した採用管理システムを多くの企業に提供している株式会社ヒューマネージの山口真貴子さんは、そのメリットを次のように説明します。
「採用活動はよくマーケティングに例えられ、事実、マーケティングの手法が数年遅れて導入されるのが常となっています。マス・マーケティングから、One to Oneマーケティングと進化するなかで、人材採用でもAIを使って入社へ導くのは非常に理にかなっています」
例えば同社が提供しているAIを搭載した採用管理システム「i-web AI」では、基本情報や、マイページへのアクセス状況、セミナーへの参加状況、エントリーシート、適性検査などのデータから、応募者と企業とのマッチング度・志望度を予測してマッピング。分析結果を用いることで、以下の3つが実現できると山口さんは言います。
(1)求める人材へきめ細かく働きかけ、志望度を向上させる。
(2)人が行っていた選考基準を科学的に可視化し、精緻化する。
(3)効果的な働きかけによる、選考辞退率の改善を図る。
HR総研の松岡さんもAIの活用による効果を指摘します。
「エントリーシートを、いわゆる学歴フィルタで絞ることも多いのですが、AIではそういった一律的なフィルタリングではなく、多角的に判断することが可能になります。使っていくことで精度も上がっていきますから、AIの活用は今後、増えるでしょう」

ヒューマネージが提供するAIエンジン搭載型採用支援システム「i-web AI」のマッピング画面。ビッグデータから、企業とのマッチング度・志望度を予測。エントリーシートなどの合否判定時だけでなく、個人情報登録をした早いタイミングから、効果的な働きかけを実現できる