不採用時の連絡どうする?おさえておくべき4つのポイント 事例詳細|つなweB

採用か不採用かの判断基準

採用の裁量権を現場のメンバーに任せるとはいっても、なぜ「一緒に働きたい」と思ったのか、あるいはなぜ「一緒に働きたくない」と思ったのかは、しっかり言語化して共有してもらうようにしましょう。自社の社内風土にマッチするか否かというのは感覚的な部分でもありますが、その理由は他の人が納得できるように言語化する必要があります。その言語化したものは、必ず採用に関わった人全員に共有しておくことが大切です。DONGURIでは「Slack」というメッセージアプリを使い、全メンバーに共有しています。ログが残るので、後で振り返ることもできます。

企業にマッチするか否かの判断軸は、会社は「共同目的型組織」なので、共通の問題や目標を建設的に話し合って解決・達成できたり、それ自体を楽しむことが一緒にできそうかということになります。従来の採用では「異性として付き合いたい人」「飲み仲間になれそうな同性」を採用するといいということも言われてきましたが、それはナンセンスです。一緒に遊んで楽しい人と、一緒に心地よく仕事ができる人は別です。

メンバーによる合否の判断は、ほとんどの場合が納得できるものです。ただ、ごく稀に「自分のポジションが脅かされそうで不安」という思いから候補者に対してネガティブな判断をしてしまうというようなこともあるかもしれません。その場合は、メンバーと改めて採用の目的について話し合い、判断ミスが減るように取り組む必要があります。

 

不採用の場合はより丁寧な対応を

残念ながら不採用となる方には、きめ細やかで誠実な対応が必要です。まずは、自社に関心を持ってくれたことへの感謝の気持ちをしっかり伝えましょう。また、今後どのような縁があるかわかりませんし、不誠実な対応をすることによって自社への好感度が下がり、SNSをはじめとして悪評がたつきっかけにもなりかねません。もし面談のはじめの段階でミスマッチを感じたとしても、5分、10分で早々に面談を終了するということはせず、ある程度お互いに話をする時間を設け、面談後の見送りもしっかりと行いましょう。

就職活動で不採用になったというのは、単にお互いがマッチしなかったというだけの話です。しかし落とされた方は、人格を否定されたかのように大きな出来事と捉えがちです。そのため、不採用の連絡をする際には失礼のない内容にしましょう(01)。

不採用になったとはいっても、ペルソナ設定がきちんとできている場合、書類選考を経て面談までたどり着いたというのは、自社との親和性がそれなりに高い人材です。また、その人自身はよい候補者であるけれどさらにマッチする人がいて、募集人数の都合上採用できないという場合もあります。お断りしたり、あるいは候補者の方から断ってきた人も、その後の財産になるかもしれません。候補者との繋がりを持っておく「タレントプール」の観点からも、SNSで友達申請したりイベント開催時に声をかけるなどして、ゆるく繋がっておくとよいでしょう。

実際にDONGURIでは、一度不採用になったけれども再エントリーして入社してくれた人がいたり、自身は不採用になったけれど友人に弊社を推薦してくれる人もいました。候補者に好感を持ってもらうと、こうしたメリットが生まれる場合もあります。

01 不採用の連絡でおさえておくべきポイント
不採用になったことを知らせる際には、相手に失礼にならないよう、上記の内容を書くようにしましょう。DONGURIの場合は、こうした内容をメールで送付し、その後もSNSなどでゆるく繋がるようにしています
平田順子
※Web Designing 2018年8月号(2018年6月18日発売)掲載記事を転載

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