採用は「面接」ではなく「面談」が大事!行うべきは自社プレゼン 事例詳細|つなweB

“面接”ではなく“面談”を行おう

従来の採用活動では、企業が候補者を選ぶために志望動機やこれまでの活動などについて聞く“面接”を行うことが一般的でした。しかし、候補者もまた企業を選ぶ立場であるという対等な関係にあります。お互いを知るための“面談”を行うのがよいでしょう(01)。

ただ、企業側でそういう心づもりでいたとしても、一般的に「採用は企業が人材を選ぶもの」という固定概念が存在するため、実際は企業側が少し下手に出るくらいの態度でないと、候補者に対等だというイメージを持ってもらいにくいものです。

面談の最初は、候補者の緊張を解きほぐす「アイスブレイク」から入るとよいでしょう。たとえば「○○(企業のある場所)へは来たことがありますか?」というきっかけから地元ネタを話しはじめたり、「今日は暑いですよね」というところから、暑さと社内エピソードを織り交ぜて話したり。いきなり本題に入ったり、「志望動機は?」と聞いたりといった従来の面接方式のコミュニケーションは、絶対にしないようにします。これは、エントリーしてきた候補者に対して“我々は対等である”という敬意を払うことでもあります。

 

面談はマッチングの場

面談は、候補者にとって働きたいと思う企業なのか、企業にとってマッチしている候補者なのかというのをお互いに確認するための“マッチングの場”です。お見合いだと思うと、イメージしやすいかもしれません。お互いに自己紹介をしつつも、企業は候補者の関心を高め、入社の意思を抱いてもらえるように、自社の情報を伝えるプレゼンを行う必要があります。

01 従来の面接と現在の面談の違い
従来の面接は、企業が採用可否を判断する場でしたが、現在の面談は、企業と候補者のマッチングの場となっています。後者のほうが、候補者の「好き」という気持ちを温めやすいです

DONGURIの場合は、最初に代表が面談を行い、自社のプレゼンをします。しかし採用における裁量権は持っておらず、その後に面談を行う現場のメンバーが判断するようにしています。このように過去の慣例とは採用プロセスが異なること、代表は採用における裁量権を持っていないこと、その後の採用はどのようなフローで行うのかについては、候補者にもきちんと伝えます。

現場のメンバーが裁量権を持つ理由として、「あなたの人生においても職場というのは大切なところなので、相性がマッチしている人と働くのがお互いに幸せになるからです」ということをしっかり説明すると、候補者の納得度と好感度が上がります。

基本的に企業の好感度は高くなる方がよいのですが、相性がマッチするか否かを判断するための場なので、「違うな」と思った候補者がこの段階で辞退することになるのは、悪いことではありません。

平田順子
※Web Designing 2018年8月号(2018年6月18日発売)掲載記事を転載

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