エレベーターピッチとは?短時間で語り尽くすテクニック 事例詳細|つなweB
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ごくわずかな短い時間で会社の特徴を語り尽くす

ペルソナシートを作成する段階では社内のインタビュー調査を行うことで、社内のスタッフに共通する内発的な動機(WHY)を明らかにしてきましたが、今度は募集要項に書き込む事業内容を整理していきます。入社希望者の疑問に答える文章になりますから、端的な文章でありつつも、特徴がはっきりとわかるものにしなければなりません。

そこで活用したいのが「エレベーターピッチ」と呼ばれるフレームワークです(08)。エレベーターピッチはそもそも、エレベーターでたまたま乗り合わせた顧客に対し、そのごくわずかな時間で売り込みを行う「強烈な売り文句」を決めるためのもの。事業の特徴を端的に明確化するだけではなく、競合に対する優位性なども明記するところに特徴があります。説明はすばやく行うことになりますから、募集要項のような限られたスペースで使用する文章の内容を整理するのにたいへん役立ちます。 ところでこの、エレベーターピッチを埋めていく際にはひとつ留意すべきポイントがあります。それはペルソナシート作成に書き込んだ、「内発的動機」を意識しながら書き込むということです。

たとえば「ワクワクしたい」とか、「人を驚かせたい」といった内発的動機と、自社の商品やサービスを利用するユーザーのニーズとを紐付けようというわけです。スタートアップ企業などは、ここを決めてから事業をスタートさせますから、モチベーションの高い環境ができあがるというわけです。すでに事業を行っている企業がこれをやろうとすると、少々無理が生じることもあるのですが、図09で示したように、両者の重なる部分と、事業内容とが重なると、募集要項は非常に強いものになります。

さらにここにはありませんが、事業計画の全体像や将来像を明らかにするためのフレームワークである「リーンキャンバス」を活用すると、募集要項の作成をいっそう緻密に進めることができるでしょう。

09 「エレベーターピッチ」を記入してみる
ECサイトの利益を上げるため、その売上に寄与する要素には何があるかを書き出し、分解していく。 こうすることで、達成すべき課題が明確になり、チーム内でも共有しやすくなる
10 内発的動機とユーザーニーズが重なる部分
会社の事業や特徴は、会社のスタッフが共有する「内発的動機」と商品を利用するユーザーのニーズとの共通点から見つけだしましょう
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小泉森弥
※Web Designing 2018年8月号(2018年6月18日発売)掲載記事を転載

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