2018.06.22
[1-1]採用は会社のメンバー全員が〝自分ゴト〞化して初めて成功する! Part.1 「募集要項」をつくる
本当に必要な人材を採用するためには、社内の体制を整え、意見を統一する必要があります。採用活動のためのステップを踏んでいくその前にまずは頭を整理し、チームを整えましょう。
採用「難」の時代には発想の転換が求められている
これまで企業の採用というと、エントリーしてきた人の中から、テストや面談を経て、採用者を選ぶやり方が一般的でした。エントリーした人の中から相対的に優れた人を選ぶこの選抜方式で優秀な人に巡り合うためには、できるだけ多くの人にエントリーしてもらうことがポイントとなっていました。
しかし、人材難の今、一部の企業を除くと、エントリーする人の数を増やすのは容易なことではありません。しかも、このタイプの選抜方式は、全般的に優秀な人を見つけることはできても、会社のニーズに合致した、「本当に欲しい人材」を見つけ出すのは難しいという、そもそもの弱点を抱えています。採用できたはいいものの、力を発揮できずにいたり、社風と合わずに辞められてしまったりと、お互いに不幸な事態に発展することも少なくないのです。
そういった失敗を避けるためには、P024からの序章でも説明をしましたが、能力を持っているだけでなく、社風とマッチし、仲間と共感しあえるような人を見つけだして採用をすることが大切です。そのためには、現在転職活動をしている人だけでなく、検討をしていない人にも届き、「この会社で働いてみたいな」、と思わせるような魅力のあるメッセージを投げる必要があります。
ただし、それを始める前に、考えておかなければならない重要なポイントがあります。

デジタルマーケティングのノウハウが進化したことで、募集する前にターゲットを絞り込むやり方をとれるようになってきました。採用の形も大きく変化しつつあるのです
採用活動には会社のメンバー全員で取り組もう
採用に関して、社内でこんな声を聞いたことはないでしょうか。
「○○さんは社長の一存で入社した人だからさ…」
「人事が現場の声を無視して採用を決めたんだよな…」
せっかく採用した人材について、こんな声が出てしまっては、採用された人にとっても、会社とっても不幸なこと。絶対に避けたい事態です。ただし、会社の未来にとっても、現場のスタッフにとっても一大事である採用が、ごく一部の人達の間だけで行われているとしたら、こうした声が出るのも無理のないことです。採用は、会社全体で「自分ゴト」として考えて初めてうまくいくもの。全員で臨むことができる、全社的な仕組みづくりが必要です。では、どうしたら会社全体で採用に取り組むことができるのでしょうか。
採用を、会社全体の理解を得ながら行うにあたっては、「旗振り役」の存在が重要となります。会社の中長期的な計画をもとに、なぜ採用が必要なのかを会社のメンバー全員に語りかけ、説得をする。これはやはり、リーダーである経営者の役割でしょう。
そしてその経営者のパートナーとして、実際の採用プロセスを実施する中心となるのが人事担当者ということになります。責任を担う「CEO(最高経営責任者)」と、運用を担当する「COO(最高執行責任者)」の関係性にあると考えればいいと思います。