ローソンクルー&オーナー限定アプリ「ろーちゃん」 事例詳細|つなweB
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今回のテーマが「採用マーケティング」ということで、ローソンのクルーさんとオーナーさん限定コミュニティアプリ「ろーちゃん」を紹介します。

ローソンでは、2018年4月の時点で、およそ19万人ものアルバイトさんが働いてくれています。男女比は4対6で女性が多く、年代別だと10~20代が約53%を占めます。

コンビニエンスストアで働く人は多様化しており、外国人の方は約1万人(構成比5.5%)、60歳以上の方は1万7,000人(構成比9.1%)となっています(ローソン調べ)。コンビニは新規の採用が年々難しくなっているため、一人のクルーさんにいかに長く働いてもらえるかがとても重要です。

ローソンでは、クルーさん向けにiOS、Android対応のアプリを用意し、クルーさん同志でやりとりするコミュニティづくりを行っています。毎週、数万人のクルーさんがアプリを通して「最新情報」「クルー限定情報」「お店で起きたこと」などをシェアしてくれています。そんななか、コミュニティを運営する加盟店人財開発部の野村さんが、もっとも「いいね!」がついたクルーさんの投稿を表彰する企画を始めたのですが、レベルの高いPOPやイーゼルの投稿が増えたように思います。

投稿を見ていると、頑張っているクルーさんが何を考え、何を不満に思っているのかがわかります。実は私、店内放送も担当しているのですが、流れている曲の感想だけでなく、放送頻度が高くてうるさい、などとリアルタイムに投稿されるので、すぐに放送内容や頻度を見直したりもしています。

このように「ろーちゃん」はデジタルを生かした繋がりを通して、ローソンで働くクルーさんを応援する試みですが、同時にリアルな繋がりも大事にしたいと思っています。実は、ローソンで過去にクルーさんとして働いていただいた方は数百万人いらっしゃり、商談をしていると「実は僕、元クルーです」と言われることもしばしば。

このコラムで度々登場している「ローソンクルー♪あきこちゃん」は、東京の大学に通う八王子に住む20歳の大学2年生という設定なのですが、ローソンで働いてもらいたい「クルーさん像」を体現したアバターです。2013年にあきこちゃんを題材にした『ホット&クール!ローソンのソーシャルキャラクター戦略』(小池書院)という本を小池一夫さんが出版してくださったのですが、その本の編集者こそ、私が店長をしていた大阪の松原三宅店で夜勤クルーをしていた山本さんなのです。彼はその後、編集者の道へ進んだのですが、私が本社でキャラクターを使ったマーケティングをしていたことを知り、メッセージをくれたのがきっかけでもありました。

今後も現クルーさんはもちろん、元クルーさんにも伝わるコミュニケーションを、デジタルも含めながら考えていきたいと思います。

 

ローソンのクルーさんとオーナーさんに限定したスマホアプリ「ろーちゃん」。クルーさん共通の課題を解決したり、アイデアを出し合ったり、個別の感想を述べてみたりと、クルーさんの投稿を通したコミュニティをつくることでサポートを行っています。写真右は、初代月間MVPを獲得したひさちゅんさんの投稿です

 

ナビゲーター:白井明子
(株)ローソン マーケティング本部 シニアマネジャー  デジタルドリブンな取組の推進を担当。「Web人大賞」、日経ウーマン「ウーマン・オブ・ザ・イヤー準大賞」受賞。ACC新事業検討委員会委員、法政大学イノベーションマネジメント研究センター客員研究員。http://www.lawson.co.jp/
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白井明子
※Web Designing 2018年8月号(2018年6月18日発売)掲載記事を転載

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