【コラム】あきこちゃんが“女流棋士”になるまで|WD ONLINE

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One's View コラム Web Designing 2018年6月号

【コラム】あきこちゃんが“女流棋士”になるまで 今号のお題「コンテンツ」

さまざまな方々に、それぞれの立場から綴ってもらうこのコラム。ひとつの「お題」をもとに書き下ろされた文章からは、日々の仕事だけでなく、その人柄までもが垣間見えてきます。

今回のテーマが「UX視点でのコンテンツ」ということで、先日ローンチしたローソン公式LINEアカウントの「将棋機能」についてご紹介させてください。

ローソンの公式LINEアカウントは、2,380万人ものともだち登録をいただいております。通常の機能としては、以前にこのコラムで紹介したマイクロソフトのAIりんなちゃんの技術を応用した「AIあきこちゃん」が、チャットボットで返事をしてくれます。

これまで月に1回のペースでアカウントに新機能を追加しているため、「なにかAIっぽいコンテンツはないものか…」と日々悶々としながらアイデアを練っていました。そんな折、テレビで藤井聡太六段の快進撃を見て「将棋なら搭載できるかも」と頭に浮かんだのです。時を同じくして、AIのコンピュータ将棋ソフト「Ponanza」開発者である山本一成さんにお会いする機会があり、将棋機能を搭載できることになりました。

ところで、私の隣のデスクにはAIエンジニアの岩立くんが座っています。今回の将棋機能は、岩立くんとマイクロソフトのエンジニア、冨田さんで実装することになったのですが、将棋をLINEで表現した事例がないため、一からUIを議論することになったのです。過去に「リバーシ」を搭載した際には、LINEトーク内の“対話”でゲームを進める方法を採用しました。同じように、まずは対話形式で将棋を指せないかを検討しましたが、ルールが複雑という理由から不可能だという結論に至り、最終的にローソンLINEからしかアクセスできない「Webブラウザ」で実装することになったのです。多くは語れませんが、そこに至るまでにかなりの議論がありました。

対局相手となるあきこちゃんは、イラストレーターのゆめろぼさんに“女流棋士あきこちゃん”として描いてもらい、トーンとマナーをあわせた盤面まわりと駒は、社内にいるデザイナーの林さんがつくってくれました。将棋ゲームではあまり見ることのない、和柄をモチーフにした薄いピンクの色合いは林さんのアイデアです。

女流棋士あきこちゃんに薄いピンクの盤面。ほんわかした甘いトーンなのに中身は「Ponanza」…という見事なギャップが受け、1日で約2万人が対戦してくれるサービスになりました。ただ、Ponanzaゆえ「手強すぎる」というご指摘も多くいただいており、強さのレベルを調整できないか、現在検討中です。

将棋機能が好評なため、4月から将棋連盟さんのWebサイトで、あきこちゃんがホンモノの「女流棋士」にローソンのデザートを届けるコラム連載を始めることになりました。インタビューを通してデザートや将棋について語っていただきます。

LINEの将棋から生まれたコンテンツ「女流棋士あきこちゃん」ですが、今後もさまざまなメディアですくすくと成長していければな、と思っている今日この頃です。

 
LINE公式アカウントの新機能「あきこと将棋」は、ともだち登録していただければいつでも女流棋士あきこちゃんと対局できます(写真左2つ)。思わずデスクでパシャリとした隣の岩立くん。開発中には「ふー」とか「むー」などなど、いつも独り言をこぼしていました(笑)
ナビゲーター:白井明子
(株)ローソン マーケティング本部 シニアマネジャー  デジタルドリブンな取組の推進を担当。「Web人大賞」、日経ウーマン「ウーマン・オブ・ザ・イヤー準大賞」受賞。ACC新事業検討委員会委員、法政大学イノベーションマネジメント研究センター客員研究員。http://www.lawson.co.jp/

掲載号

Web Designing 2018年6月号

Web Designing 2018年6月号

2018年4月18日発売 本誌:1,559円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

Webビジネスの成功は【UX視点のコンテンツ】にある!

サンプルデータはこちらから

【その情報を一番欲しがっているユーザー】に、
【最適な形】で、
【発信側の希望通りの行動】を促す
UX視点のコンテンツ戦略・制作方法!

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UXでキラーコンテンツを生む方法

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近年、盛んに「UX」の重要性が叫ばれていますが、それはサイトのデザインだけの話ではありません。
Webに掲載し、ユーザーに読んでもらう・見てもらう「コンテンツ」こそ、Webビジネスの成否を握っていると言えます。

例えば自社の商品を「もっとも必要としている人」に、商品の魅力を十二分に理解してもらい、前向きな反応をしてもらうには、
サイトに載っている情報(キャッチコピーや説明文、ビジュアル、映像など)が刺さらなければ意味がありません。

その確度を上げるために有効なのが、「UX」視点です。
Web Designing 6月号では、より実践的に、UXの考え方を実際のWebビジネスに落とし込むための方法を網羅しました。
誌面を読んで、実際に手を動かしてみてください。

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「質問に答える」「付箋を貼る」「定型書式に書く」だけで、
自社に必要な「ユーザー視点のコンテンツ」が見えてくる!

◆答えるだけ!自社サイトに足りない“愛”診断
質問に答えて、どれだけターゲットになる読者のことを把握しているか、ユーザー目線で見られているか、現状を把握しましょう。


◆貼るだけ!付箋ではっきりさせる課題と方針
自社サイトをユーザーにとって何の役に立つものにしたいか、どんな情報を公開べきかが見えてきます!


●書くだけ!自動化できるテキストコンテンツ制作用フォーマット
定型の書式に書いていくだけで、文章が苦手な人でも効果が期待出来る文章が出来上がります!

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◆ユーザー調査・設定
コンテンツの成功は「ペルソナ」にある!伝えたい「読者像」を浮き彫りにする調査・考察方法

◆コンテンツ戦略設計とKGI/KPI設定
浮き彫りにした対象読者に、[何を][どのように]提供し、[どう感じてもらうか][どういった行動を取ってもらいたいか]の戦略の立て方

◆コンテンツ制作
届けたい相手の「行動変容」を促すユーザー目線(UX視点)の具体的テキスト・コピー・ビジュアルその他の作り方・限られたリソースを有効利用した制作体制の作り方


●これからはSEOに加えて、「SXO」が重要!
いかに検索で行き着いたユーザーの意図を捉えたコンテンツを作成し、検索体験を満足いくものにできるかどうかが今後のWebビジネスには必須になります。そのためには、UX視点での分析・施策が欠かせません。

■コンテンツの見せ方
せっかくのコンテンツ、一生懸命会心の作を作っても、見てもらわなければ意味がありません。コンテンツの「見せ方」も、ユーザー目線を持って考えなければ、「見えてるのに認識されない」「結局記憶に残らない」ということが往々にして起こり得るのです。では、発信するコンテンツを効率的に効果的に見せるにはどんなことを考えればいいのでしょうか。


<こんな方にオススメです>
■中小企業のWeb担当者
 ・自社メディアにかける予算なし
 ・本業の片手間でやらざるをえない
 ・プロジェクトチームを組める余裕はない

■引き継いだ、やる気だけはある未経験の担当者
 ・何書いていいかわからない

■自社メディアを始めてはいるが、停滞期に入っている
 ・PVが下がりもしないけど伸びもせず、サイトが役割を果たしているかわからない

■UXをまずは何から始めていいのかわからない
■UXってデザインだけじゃないの?
■そもそもUXってなにがよくなるの?
■部署を横断して取り組むべきなのはなんとなくわかっているが、説得する自信がない
■理論だけではなく、現場で実践していることが知りたい

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