【数字とビジネス】「重み付け評価」で点数化 事例詳細|つなweB

 

客観的な判断基準を共有できる、「重み付け評価」

仕事では、いくつかの事象から適切なものを選ぶ力が求められることが多々あります。評価というのは多角的にするものなので、「この側面ではA社が優れているけれど、この側面では圧倒的にB社が優れている」など、何をもって判断の根拠としたらいいのか迷うことがあります。また、人によって重要視するポイントが異なることも多いので、周囲の人に相談をしすぎてかえって判断できなくなった、ということも少なくありません。そんなときに役立つのが、数理的根拠に基づいて選択する力、「選択力」です。

選択力でぜひマスターしてほしいのが、「重み付け評価」の選択方法です。これは、検討すべき評価対象を点数化し、点数の高いものから選択していく、あるいは優先順位をつけていくというものです。

たとえば5つの企業を評価する場合、どのポイントで評価をしていくのか、評価項目を決めていきます。見積価格、納期、購入実績、企業与信など、項目は状況に合わせて設定し、それぞれを5段階評価で点数化します(手順?)。ピックアップした評価項目のうち、どの項目を重点的に評価したいのか優先順位をつけ、それに従い「重み」を付けていくわけですが(手順?)、何をどの程度優先的に判断するのかで、重み付けを変えていきます。あとは、各項目に割り振った点数に重みをかけて総合評価点数を算出するだけです(手順?)。1つの項目だけではなく、いくつかの項目を点数化して複合的に評価をするため客観性が増します。

ちなみに、このような計算方法を「積和」といい、表計算ソフトの「SUMPRODUCT」という関数を使うと、あっという間に計算できて便利です。

 

長期視点で優先順位をつけるときは「期待値」を活用

社運をかけたプロジェクトでどれを選ぶのかなど、長期的な視点で大きな選択判断をしなければならない場合があります。このような、プロジェクトに成功した場合の収益だけで判断するのではなく、失敗した場合の損失も考慮して判断すべき時に効果的なのが、「期待値」を用いた考え方です。

期待値とは、将来その状況が起こる確率のことです。簡単にいえば、成功確率、失敗確率です。この確率を用い、成功時の期待収益、失敗時の期待損失を算出して比較することで、客観的な判断が下せることになります。

身近なプロジェクトでも期待値の考え方は活用できます。たとえば期首に営業戦略を立てる際、どの企業との取り引きを強化すれば売り上げが伸ばせるのか、と長期で好成績を狙いたい時に有効です。小さなプロジェクトの場合は、期待値が「確定」や「五分五分」、「難しい」など、あいまいな言葉で表現される場合もあります。これをざっくりと数値化し、「確定…90%」「五分五分…50%」「難しい…10%」と置き換えれば、確率の計算ができ、理論的には効率的な選択が可能になります。

重み付け評価の例
八波志保(Playce)
※Web Designing 2017年12月号(2017年10月18日発売)掲載記事を転載

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