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データのミカタ Web Designing 2017年12月号

利用時間の拡大からみるネットビジネス データアナリスト萩原雅之氏による統計コラム

あらゆる「Webの数字」や「アプリの数字」のベースにあるのが、「ユーザーの総利用時間」である。ニュース、ゲーム、SNSなど、どんなコンテンツでもPCやスマートフォンの画面を見つめている時間のシェア争いだ。そしてこの数年、もっとも注目されているのが「デバイスシェアの変化」であることはいうまでもない。

総務省が今年7月に発表した「情報通信白書」では、各デバイスでインターネットを利用する人の割合を「ネット利用行為者率」として毎年推計している。2016年のデータでは、スマホを含むモバイルが63.2%、PCが25.5%、タブレットが7.4%だ。これに行為者の平均利用時間をかけた「面積」が総利用時間ということになる。4年前の2012年の状況と比較してみると、モバイルの行為者率は約4ポイント増加、利用時間が63.2分から97.1分へ1.5倍に増加し、総利用時間も大きく膨らんでいる。

一方、PCは行為者率が32.5%から25.5%へ7ポイント減少したため、平均利用時間は伸びても総利用時間はあまり増えていない。またタブレットは、行為者率も利用時間も大幅に増加、総利用時間は4年間で5倍に増加している。スマホやPCに比べると総利用時間は少ないが、成長の余地はまだまだありそうだ。

広告、購読、販売など、どんなビジネスモデルもこの総利用時間を収入や利益に変える試みである。新聞や雑誌の広告や購読収入が低下しているのは、接触時間の減少による。ネットはPCのほかにスマホやタブレットが加わったことで、いまだにユーザーの利用時間が増え続けている。

ただ、ユーザー数も一人が使える時間も有限であり、いずれ必ず頭打ちになる。とすれば、近い将来「時間あたりの収益」という数字がより重視されるようになるだろう。

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媒体別のインターネット利用行為者の平均利用時間と利用行為者率を掛け合わせた図(=デバイス別総利用時間)で、著者のオリジナル。 出典:「情報通信白書平成29年版」(総務省) http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/pdf/n1100000.pdf

 

Text:萩原雅之
トランスコスモス・アナリティクス取締役副社長、マクロミル総合研究所所長。1999年よりネットレイティングス(現ニールセン)代表取締役を約10年務める。著書に『次世代マーケティングリサーチ』(SBクリエイティブ刊)。http://www.trans-cosmos.co.jp/

掲載号

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