【コラム】諦めと決別、からの再会 事例詳細|つなweB
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こんにちは! 大阪のちょっとやんちゃな八尾という地域にある社員35名の老舗石鹸屋で商品企画・広報を担当してる峰松です!

私の仕事は数字に始まり数字に終わる、と言っても過言ではないくらい、日々さまざまな種類の数字を追っています。広告や商品をつくるという、一見すると華やかな仕事として捉えられるその裏側には、“膨大な数字とのにらめっこ”や“巨大なエクセルとの戦い”という地味な作業があります。

つい先日も広告代理店で働いている友人から、「みねちゃんは数字の人って感じ。売上や数字へのコミットの大切さに気づかされるよ」と言われました。確かに、面白いプロモーションの提案を受けた時も、その実現可能性や売上のシミュレーションをずっとエクセルでぽちぽち計算していたので、代理店の人には新鮮だったのかもしれません。

そんな彼に私はこう答えました。「いやいやいや(苦笑)。実は、分数の計算がわからなくなった小三のときに、金輪際理数で生きていくのはやめようと心に決めたんだよね」

これ、本当の話なんです。昔から算数が大の苦手で、数字を前にいつも劣等感に苛まれていました。たしかテストで12点とか余裕で取ったことあります。小学生の頃から補講を受けさせられていました。嗚呼…お姉さんになったら文理選択っていうのがあって、この理数地獄から解放されるんだ!  この地獄よ、早く終われ! 本気でそう思いながら生きていました。

しかし新卒でマーケティング担当になってからというもの、数字が読めなければ話になりません。毎週木曜日に、「商品がどれくらい売れたか」「今まで自分の商品を買っていた人が次に何を買ったか」など、競合の数字も含めて膨大なデータが調査会社から送られてくるのです。そのデータから売上やマーケットの分析をすることこそ、新人としての仕事でした。みんなが出社してくる前に速報レポートを作成して全世界に配信するというタスクだったのですが、小三で算数を諦めた私にはキリキリと胃が痛くなる仕事だったんです(水曜は飲み会が多かったので文字通り胃が痛いこともあるのですが)。

死ぬほど苦手なものでも必要に迫られれば、人間死ぬ気でやるもので、いつしかその面白さもわかるようになりました。大人の算数教室なるものがあるらしく、一度人生で決別した算数ですが、機会があればまた仲良くさせてもらいたいものです。

懐かしの答案用紙を実家で発見! というのは冗談で、今回はイメージがないことをお伝えしたら、編集部が小3の気持ちになってつくってくれたそう(笑)。当時の算数に対する、決して明るくない気持ちをすこしだけ思い出してしまいました(笑)

 

ナビゲーター:峰松加奈
新卒で外資系消費財メーカーに入社し、2015年夏より大阪の中小企業・木村石鹸工業(株)に転職。商品企画部門がなかったため、マーケティング室を立ち上げて自社ブランドの開発・育成に日々奮闘中。目標は、今までにない革新的なブランドを作って、「家事」の概念を変えること。木村石鹸ブログ:http://www.kimurasoap.co.jp/blog/ Twitter:@mnmtkn
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峰松加奈
※Web Designing 2017年12月号(2017年10月18日発売)掲載記事を転載

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