2017.08.30
[いきなり!ステーキ]リピートに繋げる、いきなり!ステーキの電子決済戦略 カードのインセンティブでファン化を促進
1号店オープンから、わずか3年8か月にもかかわらず、急成長を続けるペッパーフードサービスの「いきなり!ステーキ」。その成長を支えるのが、電子決済機能付きのカードだ。
電子決済のインセンティブが呼んだ想像以上の反響
美味しいステーキを食べたい量だけ、立ち食いで食べるという斬新なコンセプトで、2013年の創業以来、急速な成長を続けるペッパーフードサービスの「いきなり!ステーキ」。
第一号店のオープンからわずか3年8か月にもかかわらず、今や全国に142店舗(2017年8月4日現在)。その急激な成長の一つの要因となっているのが、独自に発行している電子決済機能付きのカード「肉マイレージカード」だ。カード導入のきっかけを、同社の取締役を務める川野秀樹さんは次のように説明する。
「いきなりステーキはオープン以来、おかげさまで非常に多くの方にご利用いただくことができたのですが、いきなりステーキの特徴は、何度も足を運んで下さるリピーターの方が非常に多いこと。しかも、昨日は何グラム食べたと、楽しそうに話して下さる。そこで食べていただいた肉の量を記録できるようにしたら喜んで頂けるのではと考えたのが、肉マイレージカードの始まりです」
同店ではオープン当初から交通系や電子マネーに対応していたことから、「肉マイレージカードにもプリペイドカード機能を持たせるのは、当初からの予定」だったと川野さん。しかし、食べた肉の量を記録できるというカードのコンセプトを強く打ち出すためにも、プリペイド機能はカードのスタートから1年ほど遅れて追加。とはいえ、当初はプリペイドへの入金はそれほど期待していなかったという。しかし、いざプリペイド機能をスタートすると、想像を大幅に超える入金があったという。その理由を川野さんはこう分析する。
「一番大きいのは、やはりインセンティブだと思います。いきなり!ステーキはランチタイムでも1,000円以上と、決して安い価格帯ではありません。でも、何度も通いたいから、少しでもお得に利用したいというお客様が非常に多かったのだと思います」
肉マイレージカードは、3,000円以上の入金で1%、5,000円以上で2%、10,000円以上の入金で3%のインセンティブを受けられるのが特徴。それがリピート率の高い客層に広く支持されたのではないかと川野さんは言う。
それを象徴するのが、2016年2月に実施した「肉の日・5倍デー」だ。これは2月9日と、毎月29日に入金すると、いつものインセンティブが5倍になるキャンペーン。すると、大きなPRはしていないにもかかわらず、通常の10倍を超えるチャージがあったという。また、2014年7月からは同店のアプリ「いきなり!肉マイレージアプリ」もリリース。アプリでは、これまでに食べた肉の量がわかるだけでなく、全国ランキングも表示。さらに2017年4月からは、それまでプリペイドカードへの入金は店頭での現金入金のみだったのが、アプリからのクレジットカード入金にも対応。これによって、さらにチャージの頻度も上がったという。