2016.03.07
コトラーと近江商人が教える“従業員”の重要性●特集「リピーター&ファンを生む新法則」 「従業員エンゲージメント」が「顧客エンゲージメント」をつくる
「エンゲージメント」で重要なのは実は顧客だけではない。従業員こそが、高いエンゲージメントを生む金の卵だ。
「顧客満足」のために従業員が疲弊し、利益が減っていませんか?
日本マクドナルドやワタミなど低価格戦略で一世を風靡した企業の業績が低迷し、スタッフの低賃金・長時間労働などが労働問題として話題になることが増えました。
「お客様は神様」「顧客満足第一」との考えから勤務時間・業務量の負担が増大する一方で、給料は低い企業の従業員は仕事へのモチベーションや労働環境への満足度が低下し、商品・サービスの質が低下します。「ワンオペ」(深夜の1人勤務)が社会問題化したすき家のような例もあり、このように間違った「顧客満足」主義に疲弊し苦しんでいる企業・従業員を多くみかけます。
この間違った「顧客満足」主義の問題点は、「商品もサービスもすべて心を持った人間である従業員がつくり出している」「従業員のパフォーマンスは雇用企業との”エンゲージメント”で大きく上下する」という視点が欠けていることです。
従業員とのエンゲージメントに目を向けることで、企業内部から競争力を高め、顧客満足・売上の向上を図る。実はこうした考え方は、経営学やマーケティングの世界ではよく知られているものです。