2016.01.21
キーワード02「シェア」:IoTが拓く「シェアリングエコノミー」●特集「IoTの現在」 6つのキーワードから知る、さまざまなIoTのカタチ
スマホで個人の運転する車を呼び出す「Uber」や個人間で空き部屋を貸し出す「Airbnb」など、これまでになかった「借りる・貸す」という形のサービスが生まれている。これらは「シェアリングエコノミー」と呼ばれており、IoTを活用することで、これまでになかった新しい価値を創造しようとしている。
「コミュニティサイクル」という新しい形
「貸し自転車」といえば、観光地などで提供されているものを思い浮かべる人が多いかもしれない。今、都市の新たな交通手段として、それとはまったく違う「コミュニティサイクル」という「自転車を共有する」実験が始まっている。厳密な定義があるわけではないが、コミュニティサイクルとは「一定の地域内に複数配置されたステーションで自由に貸出・返却できる貸し自転車で、借りたステーションとは異なるステーションに返却することが可能なシステム」などとされており、世界各国で導入されている。
現在、東京・千代田区、港区などで実証実験が行われているのは、(株)NTTドコモが開発したシステムだ。このシステムでは、自転車本体が通信機能を持っていることが大きな特徴だ。電動アシスト自転車に、GPS機能や遠隔制御機能(貸し出し・返却管理やバッテリの残量把握)などを搭載しており、自転車のさまざまな情報をリアルタイムに把握できる。これは、まさにIoTだ。運営側は効率的な自転車の配置やメンテナンスの時期が把握でき、ユーザー側は利用可能な自転車がどこにあるかを携帯電話やWebサイトで確認して、予約もできる。また、これらの情報を蓄積し、交通状況を分析していくことも予定されている。