2015.12.27
グロースハック実践③「体」グロースハックを駆動するチームを作る●特集「成長戦略 グロースハック」
グロースハックを進めるために、最適なチームの形とはどういったのだろう。ハッカー(開発者)、ハスラー(ビジネス担当)、ヒップスター(デザイナー)の役割を持ったチームこそが大切なのだ。
【20】ハッカー、ハスラー、ヒップスターでチームを作る
製品開発に関する総合的な知識が必要になるグロースハックだが、チームには「ハッカー」「ハスラー」「ヒップスター」の3者がいればよい。ハッカーとヒップスターはそれぞれ、「エンジニア」と「デザイナー」と同義だが、ハスラーはハッカーがやる製品開発、ヒップスターがやるデザイン業務以外のすべての業務を担当する。例えばビジネス交渉やプロモーション計画の策定、オフィスの掃除や夜食の買い出しなど、ハッカーとヒップスターが製品開発に100%集中できるよう、それ以外のすべてを受け持つのである。さらに、ハスラーの語源である「ハッスル」からもわかるように、チームの障害を取り除き、鼓舞していくこともハスラーの重要な役割だ(もしかしたらそれがハスラーの一番大事な仕事かもしれない)。
【21】チームに「決済者」を巻き込む。そのための方法とは?
チームが、自分たちで立ち上げたスタートアップのように全権を持っている場合は別だが、多くの場合はそうではないだろう。その場合に忘れてはいけないのは、チームの中に製品の最終意思決定ができる人間をハッカー、ハスラー、ヒップスターのいずれかとして参加させるということだ。最終意思決定できる権限をチームに委譲してもらってもよい。
その理由は二つある。一つは「スピード」。たとえば当社の場合、行ったグロースハック施策が想定と異なる結果になった場合、2~3時間でその施策を捨てて前のバージョンに戻す、といったことも珍しくない。結果が出ていない施策を放置することはけっしてあってはならない。素早い判断が求められるのだ。
二つ目の理由は、失敗がつきもののグロースハックでは、それを認め、何度でもチャレンジする必要があるということだ。グロースハックにおける失敗は、成功に近づくために必要不可欠な要素だ。一度や二度の失敗でうまくいくなどというのは、不可能な前提であり、何度も失敗しても許されるような(最終的には成功しなければいけないが)環境下でグロースハックをしなければならないのだ。