読み手の時間を奪う長文を止めるには、可能な限り「冗長表現」を排除せよ!|WD ONLINE

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Web Designing 2022年6月号

読み手の時間を奪う長文を止めるには、可能な限り「冗長表現」を排除せよ!

仕事現場での長文は罪「わかりやすさ」を追求する

前回の本連載で、私は「文章は短くしてください。長いとわけわかんなくなるんです」と書きました。本当です。本当なのですが、世のビジネスパーソンは、自らの文章展開力を過信し、とにかく長い文章を書きがちです。もちろん1文が150文字でありながらも、ビシっと論理展開の整った名文を書かかれる方もいます。でもそれは、ごく一般的なビジネス文書や、皆様が手掛けられるようなWebサイトでは必要ありません。何より重要なのは、「わかりやすさ」、この一点です。

思い浮かべてください。あなたの職場でも、メールだっていうのに『rockin’ on』誌の1万字インタビューよろしく、信じられない長文を送りつける人がいるでしょう。あれは罪です。①人の時間を奪う罪②長いから要点がわからない罪③なんかわかんないけど同じくらいのテンションで文章を返さないと、自分が手抜きしているように感じられるんじゃないかと思わせる罪、この3つの罪に問われることになります。

今回は、少し掘り下げて考えてみましょう。「なぜ、長くなるのか」です。ひとつは、「構成ができてない」ということ。これは根本的な問題ですが、本連載の第二回で切り込んだテーマですので、ここでは「みなさんクリア済」とします。もうひとつの原因、それは、「冗長表現」を投入してしまっているからにほかなりません。「構成ができていない」は文章を書く前の課題ですが、「冗長表現」は、文章を実際に書くときに起こる問題点です。こちらはいくつかのルールを知っておくだけで、劇的に改善されるので、ぜひ覚えておきましょう。

具体的に説明します。①余分・曖昧②繰り返し③形式名詞④意味の重複⑤手クセ文、この5つが「冗長表現」をブレイクダウンした項目です。

さて、今みなさんが構築しているWebサイトの「サービス紹介文」で、この①~⑤の表現がなされていないかチェックしてください。きっとどんな文章にもあるはずです。今回の連載を参考に、「冗長表現」のない、すっきりしたテキストに修正してみてください。みなさんでも実践することができるはずです。

ね? この「さて」以降の120文字くらい、冗長でイラっとしたでしょう?

5つのポイント改善で文章がグッと簡潔に

まず①余分・曖昧。これは「こう書いときゃなんとなく締まるだろう」的な表現です。「この記事を参考にPythonをしっかりとマスターしてほしい」みたいな、常套句をそう呼びます。

②繰り返し。これも書きがちです。「50代の転職は非常に厳しい。なぜなら50代の転職市場は求人が少ないからだ」。「50代の転職」は、1文にひとつで十分。「50代の転職は非常に厳しい。なぜなら求人自体が少ないからだ」。繰り返しは割愛しましょう。

③形式名詞とは、「~すること」という表現。これ、めちゃくちゃ頻出します。しかし、これらはなくても意味が伝わるので、極力減らしましょう。「50代でも転職することができる」は、「50代でも転職できる」でいいのです。

④意味の重複、これは語彙の問題。「発売を開始した」「各項目ごとに」「最後の追い込み」、みんなダブってます。重言ともいうこの表現は、無駄な長文化につながります。

⑤手クセ文。つい書いてしまう表現を私はそう呼びます。「この件につきましては」は、「この件は」でいいのです。「子どもという生き物は、元気なものだ」なんて、「子どもは元気だ」で十分。若干ニュアンスは変わるので、精査は必要になります。

【悪い例】ご存じない方に詳しく説明しましょう。「Web Designing」という雑誌は、ネットビジネスに携わる事業者や企業のWeb担当者などに向けた「ネットビジネス情報誌」です。今話題のネットビジネスをグッと掘り下げて解説するとともに、具体的な事例をたっぷり紹介。インターネットを利用してビジネスを展開するすべての人に向けた情報をお届けします。6月号発売開始です! 最寄りの書店やネットショップで購入することができます。編集長はご存じ、あのオカケンです!

【良い例】雑誌「Web Designing」は、ネットビジネスに携わる事業者や企業の担当者などに向けた「ネットビジネス情報誌」です。各ビジネスをグッと掘り下げて解説するとともに、具体的な事例をたっぷり紹介。6月号発売中。最寄りの書店やネットショップで購入できます。

これくらいタイトでいいのです。あっ、勢い余ってオカケンのところもカットしてしまいました。まあ、文意に変わりはないので問題ないでしょう。

文章は肉体と同じ。ぜい肉が付いていると、見る人(読み手)に心地よく感じてもらえません。必要以上に長い文章、ぜい肉の多い文章は、ビジネスシーンで相手の時間を奪う「罪」です。相手に「あっ、この人できるな」と思ってもらうために、「冗長表現」のダイエットをおすすめします。
まついけんすけ
株式会社ワン・パブリッシング取締役兼メディアビジネス本部長。20年間雑誌(コンテンツ)制作に従事。現在はメディア運営のマネジメントをしながら、コンテンツの多角的な活用を実践中。自社のメディアのみならず、企業のメディア運営や広告のコピーライティングなども手掛ける。ウェブサイトのディレクション業務経験も豊富。

掲載号

Web Designing 2022年6月号

Web Designing 2022年6月号

2022年4月18日発売 本誌:1,560円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

Googleアナリティクス4で変わるITビジネス

サンプルデータはこちらから

Web Designing 6月号(4月18日発売)特集
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2023年夏までのカウントダウン。分析・解析の常識が覆る!

分析【まず複雑なデータを読み解けるか】
解析【最適解を導き出せ】
レポーティング【伝わるレポートの基本は4ページ】

<緊急報告>
Googleアナリティクス 4
UA(ユニバーサルアナリティクス)廃止が決まり業界騒然
Googleアナリティクス新時代にどう対応する?
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2021年に突然リリースされたメジャーバージョンアップ版のGoogleアナリティクス4。
昨今の「クッキーレス」や個人情報保護の動きに呼応するように、
トラッキングの方法をはじめ全てが一新したGAは、どんな使い方を想定されているでしょうか。
それによりIT業界はどのような流れになっていくのでしょうか。
緊急特集として追究します。

メイン特集は、「分析・解析・レポーティング」。

昨今叫ばれている「DX(IT)人材育成」。その主眼は「社員のITリテラシー向上」であり、
その具体的なポイントの1つとして「デジタルデータの分析力」があります。

DXを至上命題とした企業の成長は「正しい把握とレポーティング」が必要条件です。

一方、「分析」「解析」はよく聞くキーワードですが、
その実際は、分析と解析の違いレベルで正しく把握されていない状況があります。
まずは「分析」「解析」の正しい理解から、それを行う際の目の付け所と考え方を学び、
実践的な問題でトレーニングしましょう!

そして、「レポーティング」は数字など情報の整理からレポートの体裁、
レポートの活用用途に合わせた見せ方、論法など詳細に解説します。

ー<CONTENTS>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■運命の日に備えよ! GA4の時代がやってくる
・既存のバージョン(ユニバーサルアナリティクス)と何が違う?
・導入が遅れるとどんな問題が起きる?
・大刷新の背景にあるITビジネスの大変革
・ここを押さえろ! 5つのポイント機能
・導入&運用を早期実現させるポイント

■分析してわかる、サイトに求められる役割
■数字を見る前にやるべき自社サイトの現状分析
■的確な現状分析を導くデータの読み解き方
■アクセス解析でサイトの価値を上げる
■Web解析術 再入門!
■4ページで伝える・伝わる!レポート作成
■超実践的「改善提案書」の書き方
■あなたの分析力はどれくらい?Webアナリスト検定にチャレンジ

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