自分が仕事をする環境において、「文章の価値」を今一度見直しておく。|WD ONLINE

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Web Designing 2021年10月号

自分が仕事をする環境において、「文章の価値」を今一度見直しておく。

「ウェブデザイン」には2つの視点で文章が必要

「Web Designing」読者の皆様、初めまして、松井謙介と申します。現在ONE PUBLISHINGという出版社でメディアビジネス全般をマネージメントしている者ですが、一方で、20年を超える編集経験を活かし、「文章のつくり方・書き方」のセミナーなども行っています。以後お見知りおきください!

Web Designing本誌の読者の皆様は、その誌名が表す通り「ウェブのクリエイティブ」に関わっている方がほとんどでしょう。「いま一番使いやすいコーディングツールは何か」「SEOやSEMに関する最新トレンドは」—そんな視点でこの雑誌を読んでいらっしゃると思います。

本誌2021年02号の特集「Web制作のリアル2021」での「今後習得したいWeb関連技術は?」というアンケートにおいて、「コピーライティング」「文章作成や編集に関する技術」という項目が、前回実施時よりそれぞれ10ポイント程度アップしているという結果がありました。さらに1位は「総合的なプロデュース」となっており、この「総合的」の中には、「コピー」も「文章」も入ってくるでしょう。すなわち、ウェブクリエイトにおいても、「テクニカルな技術」と同じくらい、「やっぱり『文章』って大切なんじゃない?」という思考が広がりつつあると感じます。

私も編集者・プロデューサーとしてウェブを制作することが多いです。その際、編集者である私と、文章の役割は二つです。

❶サイトオーナー(顧客)の意向を正しく表現し、そのコンセプトを「顧客(クライアント)—編集(文章)—開発者(皆様)」という流れで、誤解が生じぬよう伝達すること。

❷ウェブに掲出される企業・商品・サービスなどの価値を、正しく、美しい形でターゲットユーザーに伝えられるよう、アウトプットを整えること。

クライアントは、きっと編集者ではありません。そして皆様も、素晴らしいクリエイターであると思いますが、編集経験は多くないでしょう。ならば、間にはインタープリター(翻訳者としての編集者)がいたほうがいい。さらにほとんどのサイトが「情報を読み手に伝達する」という役割を担う以上、制作チームにも表現者としての編集者・コピーライターのスキルがあるに越したことはないのです。

 

「文章の価値」は、いま飛躍的に高まっている

2020~21年、私たちの生活は劇的に変わりました。その理由は言うまでもなく、新しい感染症・コロナウイルス。感染予防の観点から「密な接触を避けること」がスタンダードとなり、多くのイベントが中止に。「会議・会食・会合」のように、「会う」ことを前提とした行為はどんどんオンラインに移行していきました。

このように、「会わないこと」を前提としたビジネスが浸透すると、改めて「文章作成」の価値が強くクローズアップされます。会えない以上、メール、チャット、ブログ、ウェブ、noteなど様々なところに存在する「文章」から、人は信用や価値という目に見えないものをくみ取り、そのくみ取ったものを自分の頭の中で再構築し、イメージをつくり上げるわけです。

何を隠そう本稿も、本誌の岡謙治編集長と一度もリアルで打ち合わせすることなく執筆に至っています。やりとりは、Zoomなどでのオンラインミーティングとメール、チャットツールのみ。ある日のチャットでは、「おせわになっております! こちらこそ進められなくてすみません! やる気とモチベは持ち続けてますので、小さくてもできることをおっぱじめましょう!(原文ママ)」と来ました。全文に「!」です。なんだかもう岡編集長は忙しすぎて、走りながらこのメッセージを打ったのではないかと思わせるような勢いがあります。その後の「おっぱじめる」に至っては、何とも言えないエッチな雰囲気と、私への急激な「親密さ」を感じ取ることができました。きっと人懐っこい方で、誰とでも仲よくなる方なんだろうなあ、と思った次第です。それが、正しい人物評価かどうかはわかりません。大事なのは、「(読み手である)私は、そう感じた」ということ。岡編集長がエッチであるかどうでかではなく、「文章から、私はそう感じた」ということです。

文章は、正しく書いて、適切に伝えることが何より大切です。本連載では、皆様の素晴らしいアウトプットが正しくユーザーに伝わるよう、今一度「文章」というものの価値を、つくり方を見直していきます。次回からの具体的なメソッド紹介により、本稿が皆様の「文章力向上」の助けになればそれ以上の喜びはありません。

「文章」は、内容と同じくらいプロポーションも大事です。岡編集長のメッセージにおける「おせわになっております!」の「漢字変換ボタン」を押し切れなかったアウトプットに、「岡編集長、あわてんぼさんだなぁ」というイメージが付与されます。それが事実かどうかは、関係ありません。
「翻訳者」と「表現者」のパートに、「編集者/コピーライター」のようなプロがいればいいが、必ずしもそうした環境でウェブ制作が行われるわけではないだろう。ウェブ制作者が、クライアントと正しい文章でやりとし、閲覧者に美しい表現を届ける必要が高まっている。
まついけんすけ
株式会社ワン・パブリッシング取締役兼メディアビジネス本部長。20年間雑誌(コンテンツ)制作に従事。現在はメディア運営のマネジメントをしながら、コンテンツの多角的な活用を実践中。自社のメディアのみならず、企業のメディア運営や広告のコピーライティングなども手掛ける。ウェブサイトのディレクション業務経験も豊富。

掲載号

Web Designing 2021年10月号

Web Designing 2021年10月号

2021年8月18日発売 本誌:1,560円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

“ウェビナー過多” 状態でも自社イベントが選ばれ、結果をあげる経験者の知恵

サンプルデータはこちらから

Web Designing 10月号(8月18日発売)特集

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オンラインイベントをビジネスにつなげる「先達者の知恵」

オンラインで
[セミナー][イベント][プロモーション]
成功ノウハウ

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業種問わず企業は、オンラインを前提にビジネスを成り立たせる方法に切磋琢磨しています。リアルの集客がままならない状況は依然としてある中、誰もが一度は考えるのが「オンラインイベント」ではないでしょうか。

しかし、ネット上を見ると、玉石混合ながらさまざまな企業が次々に開催しており、すでに「オンラインセミナー(ウェビナー)過多」状態です。ただ単に「オンラインセミナーやります」で立ち上げても埋もれてしまうのは火を見るより明らかです。

そんな飽和状態の中、せっかく頑張って立ち上げた自社オンラインセミナーを見つけて参加してもらい、ビジネスにつなげていくにはどうすればいいでしょうか。

また、いざオンラインセミナーを開催しようとしても、実作業としてどんなフローがあり、どんな手続きや準備が必要で、どこまで決めておかなければいけないのかわからない方、もしくは失敗した方は少なからずいらっしゃるでしょう。

そんな失敗や困りごとを、オンラインセミナーをうまくビジネスに活用している方々は実際どのように乗り越えていったのでしょうか。
その答えは、実務を担当した経験者が持っています!

そこで、「できるだけ予算はかけず」「準備~実施後の施策まで抜け漏れをなくし」「リード獲得やコンバージョン(売上)につなげるか」の時系列に沿って、実際にはどんな思いも寄らない問題が起きたか、そしてそれをどう解決したかなど、「経験者しか語れない」成功ノウハウをお伝えします。


ー<CONTENTS>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【企画編】 “参加したい”と思わせる中身と仕組みの考え方
テーマを決めるのが難しい…/続けていくうちにテーマがネタ切れ!/収支のバランスがとれてない…?/
誰に登壇してもらおうか/集中して見てもらえるか不安/そもそも参加してもらえるのだろうか/運用スタッフがまだまだ不慣れ

【環境構築編】 トラブルなく本番を迎えるために必要な事前準備
機材トラブルが心配…/チーム内で誰が何をやればいいの?/ケアレスミスが発生しそう/
人手が足りないけど大丈夫だろうか…/有償にしたけどクオリティに不安/会場をどこにしよう…

【集客編】 申し込んでもらう・視聴してもらうひと工夫
事前申し込みの要否に迷った!/告知のタイミングが難しい…/集客のためのハウスリストがない!/
申し込んでくれても当日の参加率が低い/フラインからの移行にどう対応する?/競争激化でリーチが伸びにくい…etc.

【配信編】 トラブル防止対策と満足度向上計画
本番中に予期せぬトラブル…/リハーサルはやっておくべき?/一方通行になっている気がする…/
編集を入れないと見てもらえない…/質問が殺到して回答漏れが発生!/コメントはどうやって受け付ける?…etc.

【アフターフォロー編】 開催した後、成果につなげるために
アーカイブでいいや」が多いけど…/イベントの成功って何だろう?/交流の場がなく名刺交換できない…/懇親会ができない穴をどう埋めよう/参加者はアプローチを求めているのか


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