Slackの“自分専用”ワークスペース 事例詳細|つなweB

今回のテーマは「ツール」ということで、仕事でもプライベートでも愛用しているSlackについて、お話したいと思います。

私は、Slackで自分専用のワークスペースを設けています。そこでは、ブックマークした記事や好みのデザインのWebサイト、読みたい本、プライベートで行きたい場所や欲しいものなど、さまざまなチャンネルを設けておき、気付いた時にSNSで見かけた情報や、仕事中にデザインのイメージ収集をしていて素敵だなと思ったサイトのURLなどを、片っ端から該当するチャンネルに放り込んでいくのです。

この方法を試す前は、WebやSNSで一時的にインプットした情報をアウトプットできずにお蔵入りさせてしまうことが多々ありました。例えば「プレゼンのエビデンスに、打ち合わせ時のちょっとした小噺になど、その記事を読んだ瞬間は「あとで使おう!」と思っていても、いざ使える場面になった時、「そういえば、あの記事ってどの媒体で見たんだっけ?」となってしまうのです。各SNSやブラウザで「いいね」や「ブックマーク」といった保存機能を使うことはできますが、それでは集めた情報を一元化できません。いい方法を模索し、たどり着いたのが、Slackの自分専用ワークスペースでした。

メリットは「どのデバイスからでもアクセスできること」「URLと一緒に一言コメントを残せること」「絵文字リアクションで読んだものにチェックできること」の3つあると思います。この中でも「一言コメント」がもっともメリットがあると感じており、インプット時の気持ちを一緒に残せるため、読み返すときに「こんなことを考えていたんだ」と気付きがあります。

ただ、Slackにひたすら放り込むだけでは以前のブックマークと何ら変わりありません。そこで、1日の中で記事を読むための時間をつくる工夫はしています。以前は通勤時間を使っていましたが、現在はリモートワークなので、朝、仕事を始める前に未読の記事をひととおり読むようにしました。一度すべてのブックマークをSlackに共有することを定着させてしまえば、スマホをいじっている10分、15分のわずかな隙間時間でも手軽に情報収集するクセがつき、インプットも気負わずできるようになります。

これは個人的な話ですが、私は昔から「何食べたい?」「どこ行きたい?」と質問されるのが苦手で、自分の引き出しが少なく、意見が出せないことをコンプレックスに感じていました。このコンプレックスも、ワークスペース内に「行きたいところ」や「気になるもの」などのチャンネルをつくったことで、探す当て(=引き出し)ができたり、ブックマークの傾向から好みの系統がつかめたので、少し解消につながった気がします。

リモートワークによって、ますますSlackを利用する機会は増えました。仕事の域を超えて使えるツールの一つとして、もっと面白い使い方が模索できたらと思っています。

「好きなデザイン」「読みたい本」「行きたい場所」といった、さまざまなチャンネルをつくっておき、リンクを貼り付けています(左)。一言コメントをつけることや、絵文字リアクションで読んだものを可視化することもできて便利です(上)。
ナビゲーター:小島香澄
株式会社KOS デザイナー。ハウスメーカーに新卒入社、資料のデザインが褒められたのをきっかけに、デザイナーとしてWeb制作会社に転職。日々の学習記録をSNSで発信していると、“モテクリエイター”として活動するゆうこす(菅本裕子)の目に留まり、2019年より現職。ゆうこすの手がけるサービスやプロダクトのデザイン全般を担当。 Twitter:@_mi_su_ka_
小島香澄
※Web Designing 2020年12月号(2020年10月17日発売)掲載記事を転載

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