WD Online

販路拡大を実現するオンラインセールス 「訪問しないと売れない」を覆す!

新型コロナウイルスによって大きな影響を受けた企業の営業活動。そうしたなか、注目を集めるのがオンラインセールスです。しかし、本当にオンラインのみで受注につなげることはできるのでしょうか? 成長著しいSmartHRの実例をもとに、そのノウハウを紹介します。

1. “売れる”オンラインセールスをつくるには?

オンラインセールスでターゲットの入り口を広げる

入退社手続きや従業員情報の一元管理、年末調整などの人事・労務管理を行える、クラウドサービス「SmartHR」。2015年にスタートし、現在、2万社以上のユーザーを抱える同社が、オンラインのみで商談から契約までを完結する「オンラインセールス」ユニットを立ち上げたのは2018年。当初、2名で始まった部門は、現在9名にまで成長するなど、大きな成果を上げています。

同社の営業体制は業務・役割別に右ページの図のように大きく4つのユニットに分かれています。Webサイトからの問い合わせやeBookのダウンロード、無料トライアルへの申し込み、展示会で興味を持ったユーザーなど、リード(見込み客)を獲得する「マーケティング」ユニット。

リードに対して、メールや電話でアプローチし、SmartHR導入のメリットがあると判断したら、商談につなげる「インサイドセールス」ユニット。インサイドセールスから引き継いだ情報をもとに、商談から受注までを担う「クロージングセールス」ユニット。

契約後の使い方や相談をサポートする「カスタマーサクセス」ユニットです。

同社が「クロージングセールス」ユニットのひとつとして、オンラインセールスをたちあげたのは全国展開がきっかけ。全国に支社や営業担当を配置してフィールドセールスを拡大するか、オンライン専門部署を立ち上げるかの選択肢があったなかで、取り組んだのがオンラインセールスでした。チームの立ち上げに携わった株式会社SmartHRの正木聡帆さんは、オンラインセールスには2つの大きなメリットがあると言います。ひとつはアプローチできるターゲットを増やせること。もうひとつが1人あたりの商談数の増加です。

「最大のメリットは、フィールドセールスではアプローチしづらい遠方のお客様や、小規模のお客様など、ターゲットの間口を広げて提案できる点です。また、移動時間がない分、担当者1人あたりの商談数を増やし、効率的にセールスすることができるのも大きなメリット。現在は1つの商談に時間と準備をかける方向にシフトしていることもあり、1日あたりの商談数は少し減りましたが、私の場合、以前は1日平均、5~6件の商談を行っていました」

加えて、移動時間がないことによって、交通費や出張費、宿泊費などのコスト削減、労働時間の効率化にもつながります。成果を出すことさえできれば、オンラインセールス導入のメリットは大きいと言えそうです。

 

顧客側、セールス側の両方にコミュニケーションの戸惑い

SmartHRでは、立ち上げ当初は従業員数50名以下の企業を対象にオンラインセールスを開始。その後、対象規模を少しずつ大きくしていき、現在は首都圏と営業支社がある関西圏を除く、従業員2000人以下の企業はオンラインのみでセールスを行い、多くの受注につながっています。同社が扱うのはオンラインセールスと相性が良さそうなクラウドサービスであるとはいえ、『オンラインで打ち合わせや初期の商談はできても、受注はできない』という先入観をなくすのに十分な事例でしょう。

一方で、オンラインセールスならではのデメリットもあります。

「一番のハードルはお客様がオンラインでのコミュニケーションに慣れていないため、フィールドセールスに比べると打ち解けづらいことです。その結果、セールス側もコミュニケーションの壁を感じて、オンラインでセールスは難しいと感じてしまいます。特にフィールドセールスで実績をあげている人にとっては、『訪問すればもっとできるのに』という心理的なバイアスを払しょくするのに時間がかかるように思います」

ただ、新型コロナウイルスの影響で、ZoomやMicrosoft Teams、Skypeなどを使ってのオンライン会議やお客様とのコミュニケーションを導入・経験した人が少なくない今、オンラインセールスへ取り組むには、これ以上ないタイミングかもしれません。

「オンラインでは売れない」「お客様とコミュニケーションが取れない」といった心理的ハードルを取り除き、しっかりと成果に結びつけるにはどうすればいいのでしょうか。

次ページでは、オンラインセールスとフィールドセールスの違いやコミュニケーションのコツ、オンラインならではの強みを活かすための具体的な方法を見ていきましょう。

smartHR_01.jpg
オンラインセールスで幅広い層にアプローチ

続きを読むためにはログインが必要です。
マイナビBOOKSの「WD Online全文購読サービス」(有料)をご利用ください。

マイナビBOOKSへの新規会員登録もこちらから。

定期購読者はオンライン版が読み放題 !!
雑誌『Web Designing』の定期講読者には、
WD Onlineの全文購読サービスを無料でご提供しています。
詳しくは「定期購読のご案内」をご覧ください。

この記事を見た人はこんな記事も見ています