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データで読み解く「RPA」 すでに普及段階。今後は“浸透率”がカギ

働き方改革や人材不足、定型業務の自動化として、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)への関心が高まっています。調査会社である(株)MM総研の研究副主任を務める高橋樹生さんに話をうかがいながら、調査データとともに「RPA」が進む国内状況についての理解を深めましょう。

調査手法 株式会社MM総研によるWebアンケート調査
調査対象 年商50億円以上の企業に所属する情報システム部門および企画部門
調査時期 2019年11月5日~11日
回収社数 1,021社

備考
1. 調査対象の内訳は、企業規模だと大手企業が49%、中堅/中小企業が51%。所属部門だと情報システム部門が30%、企画部門が70%。
2. 50億円以上の企業を対象に、大手企業は年商1,000億円以上。中堅/中小企業は年商50億円~1,000億円未満。

出典
MM総研「RPA国内利用動向調査2020」より公開データ(一部、非公開データも含む)
https://www.m2ri.jp/news/detail.html?id=391

未導入企業が3割以下に減少RPAが普及期に突入

RPAの導入率を見るとき、導入済みの伸び方(2018年6月から10ポイント減少)に目が行きがちですが、高橋さんは、「同時に未導入の減り方(2018年6月から21ポイント減少)にも注目です」といいます(DATA1)。

「統計的に有意差などもあるので一概に言えませんが、新たなテクノロジー調査の場合、導入済みが増えても未導入の割合が前回と結果があまり変わらないという傾向があるのに対して、RPAは例外で、未導入率がどんどん下がっています。導入済みと未導入の両者の割合の動きから、導入の流れが加速していると読み取っていい結果です」

調査対象が年商50億円以上ですので、まだまだRPAを遠い存在と捉える企業や組織も少なくない一方で、業種を問わない全体での調査結果では、導入率が38%に到達。確実にRPAが身近な存在になりつつあることは間違いありません。

「クラウド型のRPAであれば、導入後にすぐに使い始めやすかったりと、想像していた以上に手軽にRPAが導入できることも知られ始めています。総務省の通信利用動向調査とも比較すると、スマートフォンの拡がり方と似た推移をRPAがたどっていると弊社では考えています。労働力不足や働き方を見直す昨今と重ねても、RPAが普遍化していく動きは捉えておきたいところです」

RPA01.jpg
RPA導入率(社数ベース)が着実に上がっていることが確認できます。nは母数 ※計算上、構成比の合計が100にならないことがあります

 

複数利用の背景は前向きな様子見?!

導入率については、規模別に目を移すと(DATA2)、年商1,000億円以上の大手企業はすでに導入率が50%を超えています。対象がレイトマジョリティ(後期追随者)へと移り、今後は伸びの鈍化も予測される大手企業と比べると、現状の中堅/中小企業の導入率はそこまでには至っていません。

「中堅/中小企業側の声を聞くと、情報システム部門が社内に1人しかいないケースに遭遇します。Windows 10へのバージョンアップ対応といった通常業務で手いっぱいになると、なかなかRPA導入への準備にまで手が回らない現実も抱えています。それでも、検討段階の数値が伸びているなど、RPA導入のトレンドが大企業から中堅/中小企業へと移りつつあると言えそうです」

ちなみに同調査では、業種別調査も行っています。

「さまざまな業種で導入率が軒並み上昇中で、金融だと59%。他業種に比べて新たな技術の導入に時間がかかる傾向のある、流通や学校/医療福祉といった業種でも、それぞれ導入率が37%、43%という結果が出ています。特定の業種に限らず全業種でRPAが普及期に入ったと言える状況でしょう」

RPA導入企業に対する利用状況を見ていくと、「複数利用」と答える企業が47%もあり、その中でもっとも多かった理由が「比較検討/テスト」の36%。「安定稼働/リスク分散」(17%)や「複数部門での導入」(8%)といった、必要として使うための要望が1位でない事実も留意しておきたい(DATA3)。

「比較検討の36%については、同時にリプレイスメント(乗り換え)の可能性があるとも考えていいでしょう。導入側がRPAを明確に使い分けて運用できているところは限られています。現状は様子見の段階で、使いこなすための慣らし期間とも言えるでしょう。どのRPAを導入して使いこなすか、自社にフィットするRPAがどのベンダーのものかを見極めている状況です」

昨今のビジネス環境の変化によって、これからRPAがどのように求められていくのか。時代状況を勘案した判断が求められています。

RPA02.jpg
中堅/中小企業の「導入済み」はこれから、という結果ですが(25%)、「検討中」が数字を伸ばし(44%)、未導入が着実に減っています(30%)
RPA03.jpg
もっとも多い理由が「比較検討/テスト」。まだまだ導入側がRPAを探っている段階なのが表れた結果が出ています

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