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変化に適応するプロジェクトの進め方 会議を軸にドライブさせる“プロジェクトスプリント”

プロジェクトマネジメントにおいて、スケジュールと作業状況を調整する進行管理は、大事な業務の一つ。コパイロツトでは、定例会議を軸としたプロジェクトマネジメントのメソッドを体系化し、プロジェクトを取り巻く状況の変化にも素早く対応しつつスムーズな進行を実現しているそうです。そのノウハウをうかがいました。

1· 定例会議で、プロジェクトをグレードアップ!

変化に対応しゴールを目指すプロジェクトマネジメントとは?

コパイロツトでは、「プロジェクト」をWebサイト・プロダクト・サービスなどをつくり出すために限られた期間や予算で実施する業務、「プロジェクトマネジメント」をその制約の中でバランスを取る業務と考えています。近年、プロジェクトをベースにした働き方やテクノロジーの進歩により、プロジェクトの規模や参加するメンバーの人数が大きく変わりました。そのためプロジェクトも、最初に提案した企画やスケジュールを最後まで変更なく進めるということは少なくなったと感じます。状況の変化が速くなり、軌道修正や多様なメンバーと意見をすりあわせる場を持つ必要が出てきたことで、定例会議を活用しながらプロジェクトマネジメントをスムーズに進められないかと試行錯誤してきました。そうして体系化したのが、定例会議を中心に据えたプロジェクトマネジメントのメソッド「プロジェクトスプリント」です。

これは、プロジェクトに変化が起きることを前提として、定例会議で見直していく方法です。「クライアントの課題を解決する」ためには、最初に決めたことを信じ込んで実行するのがプロジェクトの本質的な成功とはいえません。進めていく中で新たに課題が出てきたり、最初に導き出したものよりもっといいゴールが見えてきたりする場合もあります。プロジェクトスプリントの一番の目的は、変化に柔軟に対応し、プロジェクトの成果をよりよいものにすることです。

具体的には、短いサイクルで定例会議を行い、その中で課題やタスクの洗い出し、その実行や検証を繰り返して進めていきます。定例会議は再構築の場として捉え、毎回ゴールのためにはこれでよいのかという見直しを行うことで、本質的な成功に近づけていきます。

プロジェクトの全体設計

プロジェクトがシンプルな施策で規模も小さく、状況が変わりにくくてゴールが明快なものであれば、一人のプロジェクトマネージャーで管理していくことが可能です。しかし、施策が複雑・多様で規模が大きく、状況が変わりやすくてゴールが不明瞭な場合は、プロジェクトの進行もチーム全体で対応していく方がよいでしょう。ここからご紹介していく方法はそうした場合に向いていますが、規模にあわせて必要なところを取り入れていけばよいでしょう。

まずは、現状の把握をします。探索から始めるべきなのか、いきなり要件定義から取りかかれるのかといったスタート地点を明らかにします。そして、ゴールにいたるまでのマイルストーンを設定します。マイルストーンごとの間の期間をフェーズと呼び、その期間内でどのくらいの頻度・開催時間で定例会議を行っていくか、最初のマイルストーンまでの定例会議ではどんなアジェンダを取り扱っていくのかといった、プロジェクトを設計していきます(01)。

ゴールは変化していく前提ですが、何も決めないままだと動き出せないので、その段階で判断できる仮説を組み立てていきます。以降は、毎回の定例会議で見直します。クライアントに不安を感じさせないためにも、プロジェクトの進め方やフェーズごとのゴール・成果物を明確にし、その上で変化していくことに理解・納得をしてもらうとよいでしょう。

会議の頻度や開催時間は、プロジェクトの納期やかかりそうな工数、クライアントの担当者が短いスパンで確認したい人かどうかなどの観点から判断していきます。経験上、週1回、1~2時間程度で始める場合が多いです。

プロジェクトを取り巻く状況に変化の兆しが見えてから関係各所に会議の打診をしていては、すぐに動けず手遅れになる場合もあり得ますが、定例会議を設定すると、想定外の変化や新たに見えてきた課題に対応しやすくなります。また、開催曜日や時間を固定することでプロジェクトメンバーのスケジュールを確保しやすくなり、作業のリズムも掴みやすくなります。

pjsprint_01.jpg
01 プロジェクトを設計する
プロジェクトの最初に行う設計例。例えば半年後のゴールに向けて二つのマイルストーンがある場合、このように全体のマイルストーンの設計とフェーズ1の定例会議ではそれぞれ何を行うかという計画を立てていきます。これらの内容は定例会議ごとに見直し、必要に応じて変化していくことが前提です

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掲載号

Web Designing 2020年2月号

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2019年12月18日発売 本誌:1,560円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

効果的なコミュニケーションを生む“ベストチーム”のつくりかた

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予定通りに進まないWeb制作の壁を突破せよ!

失敗しない
Webビジネスのプロジェクトマネジメント

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Webビジネス、ひいてはWebサイト制作のプロジェクトにおいて、「当たり前」でありながらも最大の難関と言えるのが、
「予定通りに完遂する」ではないでしょうか。

クライアントと制作サイド、どちらも大勢の人間が関わり、多くのステークホルダーが存在するWebのプロジェクトでは、
全員の共有がうまくいかなかったり、責任の所在が曖昧になったり、立ち上げ当初には思いもよらなかったトラブルが発生したりと
スムーズに進めることが難しくなってきます。

しかし、スピードが勝負のWebビジネスの世界において、プロジェクトの遅れは致命傷になりかねません。
また、万が一プロジェクトがうまくいかないと、利益の損失、機会の損失はもちろん信頼の損失にも繋がります。

そこでWeb Designing2020年2月号では、

「なぜ、プロジェクトはうまく進まないのか」

を掲げ、その原因の中でも特に重要な
「スケジュール」「コミュニケーション」にフォーカスして
機会損失・利益損失・信頼損失の事態にならず成果をあげる「失敗しないプロジェクトマネジメント」のコツを
お届けします。



【こんな方におすすめ】
◎クライアントワークで上流から関わる制作会社のディレクター、デザイナー
・企業のIT推進担当、Web担当者、マーケター


【内容(予定)】
●プロジェクトの流れを把握しよう
●失敗しない「ゴール設定」
●失敗しない「チーム作り」
●失敗しない「状況把握」
●失敗しない「内外調整」
●失敗しない「成果・評価」

●定例会議がグレードアップする「プロジェクトスプリント」
●PM担当者のための理想のPDCAサイクル
●目的が途中でブレないために「なぜ」を追求せよ

●プロジェクトを円滑に進める最強ツール活用術
Backlog/Googleスプレッドシート&Microsoft Excel/Trello/Slack/Chatwork

●Webビジネスのプロジェクトマネージャー育成/採用講座

●動画のプロジェクトマネジメント
●SNSのプロジェクトマネジメント

『Web Designing』2020年2月号の連載記事「知的財産権にまつわるエトセトラ」に誤りがございました。
下記の通り訂正し、読者ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

129ページ右段上から3行目について
(誤)市立芸大
(正)造形芸大

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