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データのミカタ Web Designing 2019年12月号

NPSがマイナスであることを気にする必要はない データアナリスト萩原雅之氏による統計コラム

顧客体験(CX)向上施策がうまく効いているかどうかは、何らかの指標で管理する必要があり、多くの企業が採用しているのがNPS(ネット・プロモーター・スコア)である。「満足したか」ではなく、「薦めたいか」という質問は、たしかに体験の総合評価としてシンプルで使い勝手がよい。

その企業やサイトを「友人や同僚に薦める可能性」について、0(まったく思わない)から10(非常にそう思う)の11段階スケールを用いる。9と10をつけた人(プロモーター=推奨者)の比率から0~6につけた人(デトラクター=批判者)の比率を引いたものがNPSスコアである。ネットは「正味の」という意味で、-100から+100までの値をとる。

はじめてNPSを導入する企業の多くは、スコアがマイナスになることに驚くだろう。11段階の真ん中「5」は回答者にとって良くも悪くもないという気持ちだろうが、NPSでは「批判者」としてマイナスに扱われる。日本人の回答が無難な中央に集まりがちであることは多くの実験や国際比較で明らかになっている。

そこで頼りになるのが業界内比較だ。NPS事業を扱うNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは業界別に自主調査を行い、主要企業の平均や分布を定期的に発表している。これを見ても、多くの企業やサイトのNPSはマイナスだ。逆に米国のベンチマークでは多くがプラスとなる。グローバル比較で日本法人だけいつもマイナスで肩身が狭いという話も聞くが、同情せずにはいられない。

NPS活用はスコアそのものではなく、継続的に調査してその変化を見ること(トレンド分析)、業界平均や他社と比べて相対的に評価すること(ベンチマーク分析)、顧客特性やグループで分けて比較すること(セグメント分析)の3つが重要だ。頭文字をとり「TBS」と覚えておくとよい。

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NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが発表したランキングより。2018~2019年に公開された業界の中から8つのオンラインサービスやWebサイトを選んで掲載。()内は各業界の対象社数と調査時期。数値は小数点以下を四捨五入した※Net PromoterおよびNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、 フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標。 出典 : NPSランキング&アワード
https://www.nttcoms.com/service/nps/report/
Text:萩原雅之
トランスコスモス・アナリティクス取締役副社長、マクロミル総合研究所所長。1999年よりネットレイティングス(現ニールセン)代表取締役を約10年務める。著書に『次世代マーケティングリサーチ』(SBクリエイティブ刊)。http://www.trans-cosmos.co.jp/

掲載号

Web Designing 2019年12月号

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真の「顧客の顔」がわかれば失敗しない!

Webビジネスの顧客体験(CX)改善テクニック


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最近、Webビジネス界隈では「顧客体験(CX)の重要性」がよく話題に挙がるようになってきました。

「お客様一人ひとりにあった情報やサービスを提供し、顧客満足度をあげる」




この顧客体験は企業の経営層だけの話ではなく、企業の課題を解決するパートナーである制作会社をはじめ、すべてのWebやアプリ制作者、ディレクター、プロデューサーが考えなければいけないものになっています。

とはいえ、顧客体験の提供? 個人単位で接客? どうやってやればいいの? 高価なツールが必要なんでしょ? と考えてしまう企業のWeb担当者もいれば、「ウチはWebサイト制作が生業だから関係ないでしょ」と思う制作サイドの方もいるかもしれません。

いえいえ、今やすべてのビジネスでWebやアプリなど「デジタルの顧客接点」なしでは成り立たない状況の中、その接点が顧客体験向上にはなくてはならない重要な役割になっているのです。

本特集では、顧客体験(CX)が注目される背景から紐解き、実務で実現させるために必要な考え方・進め方をステップバイステップで丁寧に解説します。

本特集を読めば、すべての作業でCXを頭に置いて取り組めるようになるはずです!




【こんな方におすすめ】
◎クライアントワークで上流から関わる制作会社のディレクター、デザイナー
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■全てのWeb・アプリ制作者がCXに注目しなければならない理由。
■UXとCXはどう違う?
■自社の顧客体験見直しチェック
■生活者目線で探したい最適なタッチポイント  
■ユーザーインタビュー 8つの鉄則を学べ!顧客への「聞き方」のコツ
■CX向上を実現していくための6つのステップ
■「それイイね!」が集まるSNS運用の顧客体験向上術
■効果を10倍にするWeb動画の顧客体験向上術

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