サテライトオフィスが生産性・売上・採用・育成すべてに貢献 事例詳細|つなweB

(1)現状と地方に拠点を持つようになった背景について

現在、東京本社を含めて4地域7拠点。内訳は、東京本社に22名、仙台に19名、日南に6名、鹿児島に8名です。クリエイターが高いパフォーマンスを発揮できるために、生産性高く働ける環境づくりを進めた結果です。例えば、都心に比べて地方はオフィスと家との通勤距離が近く、満員電車に乗らず通勤時のストレスが少ない、などです。

最初に仙台を選んだ理由は、何とはなしに西日本より東日本で探したかったこと、人が集まりやすく東京からアクセスしやすい場所だからです。設立当時(2010年)、仙台にはエンジニア向けの専門学校が多数あり、地元志向の希望者の受け皿になれればとも考えました。

遠隔地との業務遂行ノウハウもたまり、2018年には地方創生を目的に日南と鹿児島にもオフィス開設。各自治体には積極的な協力も得られ、選定しました。

 

(2)本社と地方拠点をつなぐ仕組みは?

スタッフ間の普段のやりとりはSlack、ファイル管理はDropbox、プロジェクト管理はBacklogやJira、ミーティングはZoomなどを使用。

柔軟に社員の動きにあわせられるフレックス制度を導入。定時から2時間までの早出、1時間までの遅出がOK(承認不要)。日頃は無駄なミーティングを行わないように心がけつつ、週に一度は全拠点をつないで朝会を実施。お互いの顔や声を認識する場も設けています。

 

(3)地方ごとの拠点の役割について。所属社員やスタッフの人事評価は?

拠点ごとで役割は分けていません。各拠点にクリエイティブ部門があり、プロジェクトによって対応。どの拠点でも対応できることが、会社全体が同じスピード感で同じ方向に向けて仕事ができます。

全拠点が共通で給与査定を実施、拠点での分け隔てはありません。地方と本社/仙台では、固定残業時間を変えて、ライフスタイルにあわせた地方手当で対応。勤怠管理は、全拠点共通で専用システムを利用しています。

 

(4)地方に拠点を置くメリットや成果について

地方での採用が可能となり、仙台オフィス設立前と現在を比べて従業員数が約4倍に増加。大規模案件も請け負いやすくなって、当時と比べて売上も約5倍に向上しています。

案件の規模と数が増えて、所属クリエイターがさまざまな業界やポジションでの業務を経験できるようになり、個々のスキルアップが可能に。人数増に伴うメンバーのマネジメントスキルを磨くことにもつながっています。

 

(5)地方に拠点を置いたからこその気づき、注意点は?

複数の拠点を持ったからこそ、社員やスタッフ個々のライフスタイルがあると改めて気づかされました。要望をすくいあげる大切さと難しさにも直面。昨今は自然災害が多く、各拠点の迅速な災害対策にも気をつけています。

代表の立場としては、face to faceだからこそ気づけることがあるので、月1度を目安に各拠点に顔を出しメンバーたちとの交流、各地方の文化体験なども行っています。

遠藤義浩
※Web Designing 2019年10月号(2019年8月17日発売)掲載記事を転載

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