WD Online

特集一覧 Web Designing 2019年10月号

導入は現実的?「テレワーク」について 「働き方」に地方を取り入れる際の手段として

「テレワーク」とは、「tele=離れたところで」と「work=働く」をあわせた造語です。働き方に地方を取り入れる場合にも、有効だと考えられるテレワークが果たす意味について、日本テレワーク協会の事務局長、富樫美加さんに話をうかがいました。

5a19215f4cf5d54ba0d1c3f23d838a0e.jpg
一般社団法人 日本テレワーク協会 事務局長 富樫 美加
https://japan-telework.or.jp/

社会、雇用主、就業者それぞれの立場にメリットあり

日本テレワーク協会とは、2000年に設立した、国内のテレワークの普及推進を目的に活動する一般社団法人です。最初にテレワークの一般的な定義を踏まえると、テレワークとは、情報通信技術(ICT)を活用した、場所や時間を有効に活用できる柔軟な働き方を指す造語です。

本誌では、Web制作会社が本社とは別の地域に拠点を置く場合、生産性を損わず、現実的に本業を営む働き方の1つとしてテレワークに着目していますが、もちろんテレワークと呼べる働き方は、もっと広義な範囲を指しています。

「テレワークの勤務形態は、主に「在宅勤務」、「サテライトオフィス勤務」、自宅・オフィス以外で働く「モバイルワーク」の3種類が挙げられます。社会、雇用主、就業者それぞれの観点に分けて考えても、人や社会の多様なあり方に柔軟に対応できる点でメリットのある働き方が、ICTを活用したテレワークだと考えています(01)」(日本テレワーク協会・富樫美加さん、以下同)

少子・高齢化を背景に、労働力人口は今後もさらに減少することが想像できます。場所や時間に縛られづらく、育児や介護などの状況にも応じた、現実的な働き方の有効な手段にテレワークがあることを踏まえておきましょう。

a6008fad34c1c6b5d75cdb2a091f579b.jpg
(01)テレワークの効果とは?
場所や時間にとらわれない働き方ができると、 それぞれの側面でのメリットが考えられます

 

テレワーク導入で見えてくる?生産性の向上について

国内のテレワークの導入状況はどうなっているでしょうか。総務省が毎年発表する「通信利用動向調査」(2019年)では、テレワークを導入している企業の割合が19.0%で、その内訳はモバイルワークが12.0%、在宅勤務が7.1%、サテライトオフィス勤務が2.1%です。この調査は、対象の企業が「常用雇用者が100人以上」で、かつ業界業種を問わない数値ですので、中小規模のWeb制作会社の規模感や実態とずれる点も含みますが、まだまだ導入している会社が多くない現状は確認できそうです。

その上で着目したいのが生産性です(02)。調査から見えてくるのは、産業を問わず国内企業がテレワーク導入によって「生産性が向上している」点です。

「身近な例だと、通勤時間が短縮できて、その分の時間に加えて場所も制約されずに働けます。働く側にフォーカスすると、テレワークが仕組みとして整備されていれば、自身のライフステージの変化や、育児や介護といった状況にも柔軟に対応しやすくなり、安心して働き続けるメリットがあります。企業側にとっても、多様な働き方を受け入れておけるほど、優秀な人材を流出せず、確保しやすくなります」

さらに、採用に関するデータを見ても、制度として導入されていると、働く側には嬉しい、心強いと考えられている背景がつかめてきます(03)。

「従来は、育児や介護をはじめ、当人が抱える特別な理由があるなど、時間の制約がある従業員に対する福利厚生施策でした。現代は、徐々にではありますが、特別な理由がなくても全社員が選べる働き方として、テレワークを活用している企業が増えてきています」

だからこそ、働く側に求められるのが自律性やスキルの側面です。

「例えば、上長や責任者がいなくてもきちんと働くことは自然と求められますし、一人でしっかりと働けるだけのスキルを兼ね備えている必要があります。単に導入すれば問題が解決する、ということではないことも踏まえたいところです」

eab5b4ed197bf073951bfc0e98bb0a70.jpg
(02)テレワークの導入と労働生産性の関係(推移)
テレワーク導入済みの推移と、未導入の推移を比べると、約1.6倍前後の労働生産性の違いに。労働生産性は、(営業利益+人件費+減価償却費)÷従業員数により算出 出典:総務省「通信利用動向調査」(各年)
07e10a8e03ffbf2b06ae640ca2deb7c1.jpg
(03)転職志望度が上がりそうな制度、上位10項目
転職活動で応募する企業を選ぶ際に、必要に感じる制度について尋ねた調査では、テレワークが第2位に(複数選択可) 出典:「働き方改革」に関する意識調査(日経HR社)

続きを読むためにはログインが必要です。
マイナビBOOKSの「WD Online全文購読サービス」(有料)をご利用ください。

マイナビBOOKSへの新規会員登録もこちらから。

定期購読者はオンライン版が読み放題 !!
雑誌『Web Designing』の定期講読者には、
WD Onlineの全文購読サービスを無料でご提供しています。
詳しくは「定期購読のご案内」をご覧ください。

掲載号

Web Designing 2019年10月号

Web Designing 2019年10月号

2019年8月17日発売 本誌:1,530円(税込) / PDF版:1,200円(税込)

ローカルへの貢献でビジネスも広げよう

サンプルデータはこちらから

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

クリエイターのスキルが活かせる課題&チャンスが日本中にある!
地域活性化成功のポイント

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

【複数拠点】【リモートワーク】
場所に縛られない働き方

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

高齢化や人口減少など、地方が抱える課題は山ほどあります。
一方で、インバウンドによる地域資源の再発見やITインフラの整備など、
ポジティブに捉えられる話題もあります。
もちろん地方の自治体・民間企業は今、大きな課題に対し真摯に取り組んでいますが、
WebをはじめとするITスキルのプロフェッショナルの力を必要としているのです!

WebやIT業界で活躍する制作会社をはじめとしたプロフェッショナルのみなさんは、
今そこにある地方の課題解決に多少なりとも貢献できるスキルを持っていると言えるでしょう。
また、ネットワーク技術の進化は働く場所の自由度を大きく広げました。
自分の理想とするライフスタイルに合わせて、住む場所をはじめ関わりを持つ地域の選択肢も増えています。
そこで、企業や制作会社の地方も視野に入れた働き方の可能性も追求していきます。


また、ネットワーク技術の進化は働く場所の自由度を大きく広げました。
自分の理想とするライフスタイルに合わせて、住む場所をはじめ関わりを持つ地域の選択肢も増えています。
そこで、企業や制作会社の地方も視野に入れた働き方の可能性も追求していきます。



●地方が抱える課題とは
・制作会社の力が活きる地方のニーズ

●地方におけるWebビジネスのヒント
・制作会社の強みを活かす 考え方と実践
・今行われている地方でのビジネスとは?

●自治体側の受け入れ態勢や協業、助成金

●地方との繋がり方
・「移住」は手段の一つ。「住まなくても繋がる」関係性

●企業で考えるべき「働き方」
・地方志向の社員を活かすための制度導入
・サテライトオフィス、在宅リモートなど事例

【本誌内注目の一文】
■本当の魅力を発見して伝えていくためには、外から来たヨソモノ視点が必要

■まずは参加して、違う環境に関わってみよう

■都市部の高齢化問題の先進事例はローカルにある

■地域外の人材が地域づくりを担い変化を生み出す

■WebやITを生業とする方であれば、自身のスキルを活かす形でも関係人口になれます

■特別な理由がなくても全社員が選べる働き方として、テレワークを活用している




【スペシャル記事】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

より高速に、よりクリエイティブに!
共同制作の質を大きく向上させる新定番ツール

Adobe XDで進化するWeb・アプリの開発プロセス

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この記事を見た人はこんな記事も見ています