アニメの「聖地」活用!ローソンのWebプロモーション 事例詳細|つなweB

「地方」というテーマで何を書こうか迷ったのですが、「コンビニ×Webプロモーション×地域活性化」の事例にします。かくいう私は、愛知県豊橋市で高校まで過ごし、大学は東京、ローソンに新卒入社して最初に配属されたのは、大阪府松原市の店舗です。そこで約3年間、店長やスーパーバイザーのアシスタントをしました。環境の変化が辛く感じることもありましたが、今思えば地方の様子を肌で知ることができ、いい経験をしてきたなと考えています。そんな経験も活かしながら、地方も絡めたWebプロモーション企画をいくつか実現しているので、2つ紹介します。

1. エヴァンゲリオン×神奈川県箱根町

2010年、アニメ『エヴァンゲリオン』の聖地として知られている神奈川県箱根町仙石原で、専用アプリをかざすとエヴァ初号機が等身大で現れるというAR技術を使った企画を実施しました。同時に、現地の店舗で限定商品を販売したのですが、想定を超える数のお客様が来店され、開始から2日で中止することに。地方とARを掛け合わせたキャンペーンとしては先がけだったので残念な結果ですが、住民の方にご迷惑をおかけしてしまったので、やむを得ない判断でした。

2. サマーウォーズ×長野県上田市

2019年9月1日まで実施している「サマーウォーズand Lチキ スマホスタンプラリー」は、ローソン公式アプリで各店舗来店時にもらえるスタンプを集めると、プレゼントに応募できる企画。スタンプには、映画『サマーウォーズ』に登場する陣内家30人それぞれのキャラクターが描かれており、店舗によって異なるスタンプがもらえます。ビーコンとGPSにより店舗を特定してスタンプが押される仕様で、2018年、全国のほとんどの店舗にビーコンを導入していたので実現できました。

サマーウォーズは、「ここ10年で最も多く見ている作品ではないか」というほど大好きです。仮想空間「OZ」の世界観も好きなのですが、陣内家の家族みんなで強大な敵と戦うというストーリーに強く共感してます。地方出身で、正月やお盆に親戚が大集合していたことも重なるのかもしれません(やっていた遊びは花札ではなく百人一首でしたが…)。

家族を集結させていくスタンプラリーにより、作品の世界観を感じてほしいというのが本企画の意図。そのため、作品の舞台・長野県上田市にある「ローソン上田駅前店」は、サマーウォーズとのコラボ仕様にしました。店内にOZをイメージした装飾を施したほか、入店音を「ようこそ、OZの世界へ」と変更するなど、ファンの方が楽しめる工夫を凝らしています。

このように、近所でも楽しんでもらえる全国的なキャンペーンに加えて、聖地になっている地域にコラボ店舗をつくることで、作品のファンに対し、地方に足を運んでもらえるきっかけを提供しています。

映画『サマーウォーズ』公開10周年を記念し、スタンプラリー(写真上・中)と長野県上田市のコラボ店舗(写真下)によるキャンペーン企画を実施中。作品の世界観が伝わると嬉しいです https://www.lawson.co.jp/lab/entertainment/art/1375811_5839.html

 

ナビゲーター:白井明子
(株)ローソン マーケティング本部 シニアマネジャー  デジタルドリブンな取組の推進を担当。「Web人大賞」、日経ウーマン「ウーマン・オブ・ザ・イヤー準大賞」受賞。ACC新事業検討委員会委員、法政大学イノベーションマネジメント研究センター客員研究員。http://www.lawson.co.jp/
白井明子
※Web Designing 2019年10月号(2019年8月17日発売)掲載記事を転載

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