Web動画マーケティングの目的は?試行錯誤しながら探ろう 事例詳細|つなweB

[目的・ターゲット設定1]
スモールスタート+PDCAが動画施策成功のカギ

・どんな動画をつくればいいのかわからない…
・どこに予算をかけるべきかわからない…

「小さな成功」を積み重ね最適な動画の形を探る

いざマーケティングに動画を活用しようとすると「どんな動画をつくればいいのか」という点で悩む事になると思いますが、その正解は一つではありません。商品・サービスの内容によっても、環境によっても異なるからです。さらに言うと、マーケティングの進展の度合いや、顧客との関係性によっても変わってきます。

しかも動画をつくる際には、前ページで紹介したような、動画というメディアの持つ強みを活かした内容にしなければ意味がありませんから、結局、手探りで、最適な動画活用の形を見いだしていかねばいけません。つまりPDCAサイクルを何度も回すことで初めて、最適な動画の形を見つけることができるというわけです。

 

「小さな成功」を積み重ね最適な動画の形を探る

そこでポイントになるのが予算の考え方です。動画マーケティングをスタートさせる際に、一度の動画制作にすべての予算をつぎ込んでしまってはいけません。また、「成功したら次がある」という考え方もうまくいきません。PDCAサイクルを2回、3回、4回と回すことを当初から念頭に置き、予算を配分してから施策をスタートすることが大事です。

となれば当然、動画1本あたりにかけられる予算は小さくなりますが、もし初めてチャレンジするなら、まずは成功と失敗を繰り返すことのできる「スモールスタート」を考えてみてはいかがでしょう。

ただし、社内のコンセンサスをしっかりととっておくことを忘れずに。小さな取り組みとはいえ、失敗を嫌う人も多いため、慎重に理解を促しながら進めましょう。

 

 

[目的・ターゲット設定2]
マーケティングでの動画活用目的設定のポイント

・まずどこから始めれば良いのかわからない…
・目的・ターゲット設定のやり方がわからない…

スモールスタートにマッチしたターゲットとは

前項では動画施策を成功させるための基本的な考え方として、2つのポイントをピックアップしました。PDCAサイクルを回しながら、自社のマーケティング施策にマッチしたやり方を探っていくこと、そのために何度か試行錯誤をしてみること。施策回数で経験を積みながら、自社の目的に最適な動画を探っていこうというわけです。ここではその考え方にマッチした、計画の立て方を考えてみたいと思います。

 

ファネルのどこに注目すべきか

動画施策もマーケティングの一種ですから、当然ながら「目的」と「ターゲット」の2つの点を明確に定める必要があります。その際に大事になるのができるだけ明確に、かつ具体的に設定するという点です。この点が明確であればあるほど動画の成否が判断しやすくなり、結果としてPDCAサイクルの確度を高めることができるからです。

 

ターゲットや目的を考える際に役に立つのが、右ページに用意したファネル図です。ファネル図は広く集客した顧客が、興味・関心、比較・検討、そして購入・申し込みとふるいにかけられていく様子を示すもので、どの段階の消費者に対し、どういった施策を打つべきかを明確にするためのものです。では、この図のどこに注目すべきでしょうか。

もちろん、まずは動画の主たる目的でもある「認知」も重要ですが、このファネルの上に行けば行くほど対象となるユーザー層が広いため、必要となる予算は膨れ上がり、動画の内容設定も難しくなっていく可能性があります。また、その成功・失敗を判断するための指標が曖昧になりがちな側面もあります。

 

ターゲットを絞れば動画の中身が見えてくる

では「購入・申し込み」のフェーズにあるユーザーにアプローチすると考えるとどうでしょう。「申し込み件数が50件から100件になった」「問い合わせが30%増えた」といったように、明確な数値が導きやすいでしょう。もちろん、業務や自社の状況によっても変わってきますが、最初にコンバージョンの目標を立て、そこから逆算するように考えていくと、成否の判断も容易になり、PDCAサイクルで「次に何をすればいいのか」といった点もはっきりします。そして、つくるべき動画はどのようなものか、「成果につながる動画」コンテンツも考えやすくなるのではないでしょうか。

例えばそういった考え方のうえで、これまでテキストと写真でつくっていたバナー広告を動画に切り替えてみるところから始め、数値の比較評価をしてみたりするとわかりやすいのではないでしょうか。動画の効果を測るために非常に適した項目だということがおわかりかと思います。

このようにファネルの下段、最終目的から逆を追って考えてみると適切な認知へのアプローチが見えてきます。

 

マーケティングの施策を考える際にしばしば使われる「ファネル」。通常は上から下に施策を進めていくが、動画の目的・ターゲット設定を行う際には、「下から」考えていくのがポイントとなる。

 

Text:編集部 Illustration: 鈴木海太