2019.07.16
動画の力を採用・社内研修に活かす
Illustration: 鈴木海太
[採用・研修1]
この会社に入りたい! と思わせる採用動画をつくるポイント
・自社にマッチする人材が集まらない…
・離職率がなかなか下がらない…
採用・研修採用の現場で動画が使われる理由
広告以外の用途における動画活用事例として、まずご紹介したいのが、「採用」分野です。新卒や中途を問わず、優秀な人材の確保が多くの会社で重要な課題となっている中、動画の活用事例を見た企業からの問い合わせが日ごとに増えています。
採用に動画が使われるようになった理由はいくつかあるのですが、何と言っても、その会社で実際に働く社員の人柄や職場のリアルな雰囲気、さらには代表者の持つビジョンなどが、より伝わりやすくなる点が挙げられます。対象者の表情や声のトーン、仕事に対する熱意といった情報がリアルに伝わりますので、応募する側の共感を得られやすく、結果としてミスマッチを防ぐ効果が期待できるのです。とはいえ、採用動画を制作する際には、企業側が伝えるべきことを整理できていなければ、中身は薄いものになってしまいます。まず動画を作成する「目的」は何なのか、というところから考えてみることが大切です。
例えば、採用向けの動画コンテンツといっても、次ページの概念図のように、いくつもの種類に分類することができます。動画の趣旨が「会社案内」や「サービス紹介」をメインに広く周知するのか、それとも絞り込んだ候補者に狙いを定めるのかによって、当然、表現する内容は変わってきます。
さらに言えば、企業と候補者をつなぐ「エージェント」にターゲットを絞るケースもあります。ちなみにエージェント向けの動画は、人事採用担当者の工数負担を減らすことを目的とした動画です。エージェントが変わるたびに企業情報から会社の魅力、欲しい人材のタイプを伝えるのは、担当者にとって大きな負担となりますから。
社員のリアルな姿を動画で伝える
採用動画コンテンツの表現方法にはいくつかのパターンが考えられますが、会社が求める人材像を明確に伝えたいのであれば、社員への「インタビュー」や「座談会」、さらには「ドキュメンタリー」といった方法が有効です。スタートアップ企業では創業者のビジョンやミッションを語るのが効果的だったりするのですが、一般的な企業では、働く人物にスポットを当てて職場の本音をリアルに伝えることが多かったりします。
本音が伝わるからマッチングがうまくいく
初めて採用動画をつくる際には、社員が会社のリアルを語る「インタビュー動画」が取り組みやすいです。ただし、話すシーンが延々と続かないように、社員が実際に働いているシーンを交えたり印象的なコメントを抜き出してテロップとして動画に表示するといった伝えたいメッセージを立たせる工夫は欠かせません。また、例えば中途採用を目的とした動画をつくるなら、社内の制度についてあれこれと解説するよりも、お子さんを持つ社員でも働ける環境であることを語ってもらうとか、趣味と仕事を両立させている社員について紹介する内容にしたほうが安心感が得られやすく、志望へのモチベーションを高めることができます。
「たくさん費用がかかるのでは?」と思われたかもしれません。しかし、こうした動画を自社サイトだけでなく、採用サイトやYouTube、SNSとさまざまなメディアを通じて配信してアピールできることや人事担当の負担の軽減を考えれば、けっして高いとは言えないのではないでしょうか。