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クライアントが頼りたくなる本当の「インプット」とは? 受け身はNG! 積極的姿勢がインプットの大前提

クライアントから一声かかったら、みなさんは次の打ち合わせに備えて、どう「インプット」を行いますか?Web制作会社と組んでのデジタル施策の実績が豊富な(株)ジェネシスコミュニケーションに、最適なインプットのあり方について話をうかがいました。

1. 「クライアントが本当に望むこと」を常に意識する

「あなたにお願いしたい!」と思わせるための事前準備が鍵

「インプット」を必要とする状況を想像してみてください。新規案件、既存案件のいずれにも関わらず共通するのは、「どう伝えるのか」というアウトプットへの意識とともに、「クライアントが本当に望むことは何か」を考えて情報収集するという意識が必要です。

クライアントが一声かけてくる状況を考えた時、仕事を引き受けるWeb制作会社側の理想は「指名」です。声がかかった後の交渉で、クライアントの気持ちをつかめば正式な依頼に発展しますが、うまくいかなければクライアントは他社の様子をうかがいたくなります。

クライアントとWeb制作会社とをブリッジする立場で仕事を手がける機会が多い私たちの実感としては、「課題解決をどこにお願いしていいか迷う、わからない」と悩むクライアントがとても多いことです。クライアント側の業務は多忙をきわめています。窓口の担当者も1つの業務に専念しづらい状況であることをよく見受けます。こうした相手に、もし「この制作会社は、先回りして私たちのことを考えてくれる」と思わせられれば、仮に最初の声がけの段階では曖昧だった依頼への意識が、強い確信へと変わっていくでしょう。

また、最初の声がけの時点ではクライアントからあまり情報が示されていないことも多々あります。だからこそ、少ない情報をテコにして「何を望んでいるか」を考えながら情報収集を進め、「クライアントの本質的な課題」を事前につかむくらいの意識でインプットしましょう。

「インプット」とは、ただ相手の情報を入れる受動的な工程ではないのです。クライアントに「頼れる相手だ」「もっとお願いしたくなる」と思わせる、相手を説得するための能動的な工程なのです。

 

2. 先回りして徹底的に調べておく

新規案件はクライアントの情報を掘り起こして本質をつかんでおく

例えば、「A会社のB部署でプロジェクトリーダーのCさんから、主力サービスDのプロモーションサイトをつくってほしい」という新規案件話があったとします。勝負は一度目の打ち合わせです。相手の話とともに、クライアントが求める範囲はわきまえつつ、先回りして相手の課題の本質を把握できるかです。

基本情報を検索しただけで初会合に臨み、お互いの会社紹介だけして帰ってくるようでは「私たちは頼りになりません」と伝えにいったようなものです。

この例だとA会社→サービスD→B部署→Cさんという優先順位で事前に掘り下げます。A全体が手がけるビジネスサイズや主な売り上げは何か、Aの競合会社やその中でのポジション、サービスDの詳細や売上を上げるための方程式は何だと考えるべきか。Dと競合とを比べた時にできていることとできていないことは何か、などについておおよその当たりをつけておきます。

余力次第でB部署についてや、Cさんについても調べます。Cさんはプロパーなのか転職組なのか。所属部門の在籍は長いのかなど、すべてわかるわけではないものの、インターネット検索によってわかることがあるので調べておきます。過去にインタビューなどメディア露出がある人なら、その中身に目を通して人となりや考え方、担当施策などもインプットします。A~Dを把握したら、プロモーションサイトという要望が本当に現状の最適な施策かの検証を行います。

サイト自体がすでにある場合は、サイトのクリエイティブや構造、ナビゲーション、タグも見てテクノロジーの導入状況も探りましょう。競合についても同様に調べます。あとは打ち合わせ時間内に、優先度の高い項目からクライアント目線で話を伝えると、「わかろうとしている」「一緒にやろうとしてくれている」という気持ちの共有が生まれやすくなります。

NGは、自社紹介中心、自社の得意なことだけを話すことです。サイトを見ればわかる実績や強みを話しても、閉じた方向にしか話が向きません。

 

時間を取ってもらいやすい既存案件でのインプット術

既存案件ではどうでしょうか。既存案件だと、直接会う予定も組まれているでしょう。そこでのやりとりが今後の仕事につながる可能性があります。例えば、クライアントとの雑談中に「もっと集客施策に力を入れてみたい」という話が出れば、その一言がクライアントの課題認識で、そう遠くない時期に動き出すシグナルと読み取れます。

この場合、「集客」という基点ができます。集客に絡めて改善施策がしたい意思も現れています。ここからまず現状の集客施策の状況を調べ、これからの集客施策のあり方も検討しながら、最適な展開施策が本当に「集客」なのかも見分けていきます。集客の前の「認知」にもっと力点を置かないと、集客施策を打っても投資に見合う効果が期待薄だ、と見えてくれば、一度クライアントに時間をつくってもらいましょう。新たな提案は、施策のニーズを考えると相手も聞く耳を持ちやすいはずです。

クライアントは集客に固執しているのではなく、成果を引き出す施策を優先したいはずです。ここまでの提案に一定の説得力が示せれば、ビジネスにつながらずとも、好意的な印象を残すでしょう。こうした、現場でつかんだヒントから先回りしたインプットが、次のビジネスを生む可能性を高めます。

もう1点補足すると、本業にかかりきりのクライアントの担当者は多く、競合サービスの施策を追いきれていないということがあります。例えば、競合製品サイトのリニューアルにあわせて自社の足りない点や競合が進化した箇所をレポートすると、現状把握できたクライアントが次へのアクションを検討しやすくなります。

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掲載号

Web Designing 2019年6月号

Web Designing 2019年6月号

2019年4月18日発売 本誌:1,530円(税込) / PDF版:1,200円(税込)

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「自信に満ちた企画であってもなぜだか通らなかった」「用意周到に進めたつもりでもコンセンサスが得られなかった」。企画に関しては、そういった類のことが社内外を問わずに起こりうるものです。考えが浅いのか、企画が甘いのか、それともコミュニケーションが足りないのか。いろいろと頭の中で考えを巡らせてみるもののその答えはよくわからないまま、なんてことも多いと思います。
とは言っても、「誰も思いつかないエッジのたった企画を!」「すごい発想力が必要!」と意気込む必要はありません。

企画(力)は、①発見(インプット) ②立案 ③提案(アウトプット)の3段階でそれぞれの手順を踏めば見違えるほどレベルアップするのです。

本特集では、大きく3つの段階で考えるべきこと、やるべきことをステップ化し、Webビジネスの現場で「仕事につながる=お金になる」企画力の鍛え方を、順を追ってチェックできるように構成しました。
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【イントロダクション】
なぜ、あいつの企画書は通るのか?
クライアントの心を鷲掴みにする、勝つための「企画術」


【インプット】
●クライアントは頼りたくなる本当の「インプット」とは?
●課題明確化のためのヒアリング術
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【企画立案】
●やるべきことを見誤らないために、正しく課題を洗い出す
●速く繰り返すアジャイル開発で答えを探ろう
●クライアントの反応からわかる企画提案の落とし穴
●デザイナーが主導する、企画のあり方


【アウトプット】
●読み手目線で伝える企画書づくり
●「聞かせる」「見られる」を意識したプレゼン術
●佐藤ねじ式・「企画」の流儀


●戦国武将から学ぶ、ビジネスに活きる“11”の企画
●チームで企画を生み出すためのTips「12」

など


※記事内容は変更になる場合があります。


【こんな方にオススメ!】
■競合他社に先んじて有力な企画を打ち出していきたい企業担当者、プランナー
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■上司やクライアントに「費用対効果に見合う」と判断(納得)させ予算を引き出すノウハウを知りたい
■面白い企画なのにうまく実現できない、企画はバッチリのはずだけど承認されない・・・
■企画を提案しても、クライアントに即決してもらえない&値引きなどの注文をつけられてしまう

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