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特集一覧 Web Designing 2019年6月号

真の課題解決を目指す[企画立案] 知っておくべき情報や理解すべき状況

クライアントからの与件やヒアリングをもとに企画を立ても、目先の課題解決にしかならない場合があります。根本的な要因から解決していくためには、さまざまな情報を把握し、クランアントの状況を理解する必要があります。
Illsutration:そねくみ

課題解決(1)5W1Hのヒアリング

課題を深掘りするためのヒアリング

クライアントからの情報収集としてまず大事なのは、ヒアリングです。売上を伸ばしたい、商品をプロモーションしたいといった要望を提示された際に、その背景にあるクライアントの考えや状況を詳しく知らないと、本質的な課題解決ができない場合があります。クライアントと制作側で本来見るべき問題や課題がズレてしまわないようにするためにも、本質を見極めたいところです。

コパイロツトでは、クライアントの要望をフラットにヒアリングして課題などを整理した次のステップとして、自社で作成したヒアリングシートに基づき「5W1H」で話を聞きます。そのシートでは企業戦略や経営、事業戦略、プロダクト、サービス、マーケティングなどさまざまな面について、幅広くリストアップしています。市場やトレンドの変化に対してクライアントはどう捉えて、何をしていこうと考えているのか。競合はどこで、どの部分にベンチマークを打っているのか。企業メッセージとしてどんなことを発信しているのか。他に公には出ていない情報はないのかなどを確認し、幅広く情報を収拾していきます。

というのも、例えばコーポレートサイト制作やサイトリニューアルの依頼が来た際、主に関連する情報は企業戦略や企業プロフィール、経営戦略などになるかと思います。しかし、コーポレートサイトを通してクライアントの課題を本質的に解決するためには、実は事業戦略を刷新する必要があったり、プロダクト開発が必要となったりする場合があるからです。

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企業方針などを反映することで、クライアントの目的に沿った企画となり、担当者にとっても納得感を生みやすい企画になるのではないかと思います

 

さまざまな場所から企業情報を集める

先述のヒアリングシートは40項目以上あり、すべて聞くのは時間もかかるので、クライアントが制作した資料や社内報からわかる部分はそれらを代用するケースも多いです。その際、第三者の視点が入ったものではなく、クライアント自身が発信していて、極力内容に加工が入っていないものが望ましいです。ときには、中期経営計画書やアニュアルレポート(統合報告書)なども見ます。

 

課題解決(2)多角的な情報収集

例えば新規事業のプロジェクトを手がける際には、クライアントの社長の言葉をチェックすることもあります。社内報や広報が発信しているもの、社長自身がSNSやブログなどで外に出している発言などから、新商品に関連するものはひととおり集めます。こうしたクライアント自身が発信しているメッセージを元に企画を立てていくと、クライアントの目標到達を支援するようなものになるので、企画が通りやすくなるように思います。社長メッセージや経営層の情報や指針が企画の元になっていれば、その目的を実行するための施策は否定されにくいものになるからです。また、こうした情報は、立案中の企画が、クライアントのためになっているかどうかを判断するためにも使います。

 

ユーザー像を理解する

クライアントの商品やサービスのターゲットとなるユーザー情報も大事な要素です。ユーザー像を掴むための方法として、ペルソナをつくることがあります。このとき、プロジェクトに関わるメンバー各人の中で、ペルソナがどういう人かというのを明確に描くことができるようになっていることが重要です。そのため、「ペルソナはこういう人だからきっとこう思うよね、こう行動するよね」というように、繰り返し話の中に登場させるようにし、刷り込みを行うことで、ユーザー視点を内部のメンバー全員がきちんと認識できるようにします。

スピーディーにその場で意識を合わせるためには、ぺルソナに合致するパブリックイメージの芸能人、 チームメンバーで合致する人をベースに議論を始めてもよいでしょう。

また、「リーン顧客開発」という、ペルソナに合致するユーザー5~10人くらいに15~30分ほどインタビューを行い、本当に想定しているユーザー層に合致しているのか、企画がユーザーニーズにマッチしているのかを判断し、改善を回していく手法を行うこともあります。メールや電話インタビューでも構いませんが、どういう質問をするかはとても大切です。

このように、企業や市場のデータといった定量的な情報とユーザー心理のような定性的な情報の両面から、ユーザーのニーズを紐解いていきます。

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クライアントの担当者からのヒアリング、クライアントが発信している企業情報、インタビューやペルソナといったユーザー情報など、多角的に情報を収拾し、それらを踏まえて真の課題を見つけ出していきます

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掲載号

Web Designing 2019年6月号

Web Designing 2019年6月号

2019年4月18日発売 本誌:1,530円(税込) / PDF版:1,200円(税込)

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「自信に満ちた企画であってもなぜだか通らなかった」「用意周到に進めたつもりでもコンセンサスが得られなかった」。企画に関しては、そういった類のことが社内外を問わずに起こりうるものです。考えが浅いのか、企画が甘いのか、それともコミュニケーションが足りないのか。いろいろと頭の中で考えを巡らせてみるもののその答えはよくわからないまま、なんてことも多いと思います。
とは言っても、「誰も思いつかないエッジのたった企画を!」「すごい発想力が必要!」と意気込む必要はありません。

企画(力)は、①発見(インプット) ②立案 ③提案(アウトプット)の3段階でそれぞれの手順を踏めば見違えるほどレベルアップするのです。

本特集では、大きく3つの段階で考えるべきこと、やるべきことをステップ化し、Webビジネスの現場で「仕事につながる=お金になる」企画力の鍛え方を、順を追ってチェックできるように構成しました。
スピード感がもっとも重要な特徴の1つであるWebビジネスで「より速く」「より確度高く」「より効果の出る」企画を実現させるノウハウを凝縮しています。

【イントロダクション】
なぜ、あいつの企画書は通るのか?
クライアントの心を鷲掴みにする、勝つための「企画術」


【インプット】
●クライアントは頼りたくなる本当の「インプット」とは?
●課題明確化のためのヒアリング術
●意見を引き出すためのブレストノウハウ術


【企画立案】
●やるべきことを見誤らないために、正しく課題を洗い出す
●速く繰り返すアジャイル開発で答えを探ろう
●クライアントの反応からわかる企画提案の落とし穴
●デザイナーが主導する、企画のあり方


【アウトプット】
●読み手目線で伝える企画書づくり
●「聞かせる」「見られる」を意識したプレゼン術
●佐藤ねじ式・「企画」の流儀


●戦国武将から学ぶ、ビジネスに活きる“11”の企画
●チームで企画を生み出すためのTips「12」

など


※記事内容は変更になる場合があります。


【こんな方にオススメ!】
■競合他社に先んじて有力な企画を打ち出していきたい企業担当者、プランナー
■Webのスピード感に乗って数々の課題解決を提案する制作会社ディレクター、アカウント、クリエイター
■上司やクライアントに「費用対効果に見合う」と判断(納得)させ予算を引き出すノウハウを知りたい
■面白い企画なのにうまく実現できない、企画はバッチリのはずだけど承認されない・・・
■企画を提案しても、クライアントに即決してもらえない&値引きなどの注文をつけられてしまう

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