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意見を引き出すためのブレストノウハウ術 やる目的“ だけ” は決めて、あとは広げる意識で!

企画立案の材料を掘り起こすために、「ブレスト(brainstorming)」が担う意味は大きいはずです。そこで、デジタルクリエイティブを中心にクライアントとの直接取引の機会も多い(株)原宿サン・アドでクリエイティブディレクターを務めるひがしよしひろさんに、手応えをつかむためのブレストのノウハウを教えてもらいます。

最低限の目的だけは事前に共有すること

私が所属する原宿サン・アドでは、ブレストについて厳密にルール化しているわけではありませんが、社内のメンバーや、時には社外のクライアントも招いてブレストを行う機会はよくあります。目的次第ですが、基本は参加者が過度にプレッシャーとなるノルマを課さず、なるべく制約のない意見交換ができる場となることを意識しています。

一方で漫然とブレストを行っても、必ずいいアイデアが生まれるわけではありません。「実りの多いブレストだった」と手応えをつかむには、どう意識して臨むべきでしょうか。

例えば、ブレストと企画会議は違います。ブレストは積極的に風呂敷を広げていくイメージで、さまざまな意見を表に出していく場です。出席者はある程度ラフな状態で集まってもOKとし、ネガティブなコメントの出し合いは避けながら、多面的な意見交換ができることを目指します。企画会議となると、仕切り役があらかじめ企画の方向性をまとめておき、出席者は方向性に沿って形になったアイデアを持ち寄ったりする点で、大きな違いがあります。

だからこそ、企画会議の前に行うブレストの価値や意義があるわけですが、まったくの自由にすると手応えがつかみづらいでしょう。「何を決めるブレストなのか?」「どれほどの時間でやるのか?」の2点は、あらかじめ出席メンバーに伝え、共有した上で開催しましょう。

ブレストとは、関わるメンバー全員の時間を預かることにもなります。仕切り役はその当事者意識を持つべきですし、出席者はその時間が有意義となるように、能動的な参加を心がけたいです。ブレストの成否は、「最低限の目的の共有」「設定した制限時間」「参加者全員の協力」にかかってきます。

 実行のタイミングは、クライアントからのオリエンテーションを受けてやる場合ならその翌日にはやりましょう。短時間でも早めに集まらないと、「そうだった?」というあやふやな状態が膨らむばかりです。プロジェクト全体を効率的にするためにも早めの開催がお勧めです。

 

仕切り役の心がけ「若いスタッフが話しやすい場」にする

ここからは役割や参加メンバーの違いごとで解説します。

ブレストの仕切り役は、もっとも参加者への目配せがしやすい立場です。場が活性化するかどうかは、仕切り方次第の側面があります。まずは、参加者全員の意見を引き出すことを最優先で注力してください。例えば、現場に近い若手たちほど、よく考えているのに発言しづらそうにしていませんか? 経験があり年次を重ねたメンバーほどスラスラ語りやすいものです。その時は「〇〇さんは?」と無理なく話を向けてみて、仕切り役が若手と1対1で対話するような状況をつくることも手です。

ブレストは5~6名くらいのチーム単位で行うことが多いと思いますが、メンバーは本業の手を止めて参加しています。仕切り役は、特に「時間内で何を決めるのか」を意識し、参加者全員の話を引き出す中心役を担いましょう。参加回数が少ない新しいメンバーほど、聞いていてハッとする意見を持っていたりします。一方でそういう人たちほど、想像以上に当人が緊張し、話しづらそうにしていたりもします。声の大きな人の意見を聞くだけのような会になったなら、その失敗の原因は仕切り役にあると自覚すべきです。

多様な意見を引き出すために、積み上げた話を意図的にひっくり返すことも、時にはやっていいでしょう。一つの方向で盛り上がり過ぎないように、「こちらの方向性だとどうだろう?」と振ってみて、異なる意見を出やすくするのです。予算や期限などくつがえらない条件に触れたままの場合も、やんわりと条件で引っかかることは伝えます。後味のいい終わり方とともに、次につなげる調整も行うのが仕切り役の責務です(01)。

ブレストの内容を次の回へと引き継ぐために、話の内容が追ってわかるようにもしましょう。細かなやりとりの記録ではなく、話し合いの内容の核心や多面的な意見の中身が確認できるように、仕切り役がまとめておきます。

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掲載号

Web Designing 2019年6月号

Web Designing 2019年6月号

2019年4月18日発売 本誌:1,530円(税込) / PDF版:1,200円(税込)

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「自信に満ちた企画であってもなぜだか通らなかった」「用意周到に進めたつもりでもコンセンサスが得られなかった」。企画に関しては、そういった類のことが社内外を問わずに起こりうるものです。考えが浅いのか、企画が甘いのか、それともコミュニケーションが足りないのか。いろいろと頭の中で考えを巡らせてみるもののその答えはよくわからないまま、なんてことも多いと思います。
とは言っても、「誰も思いつかないエッジのたった企画を!」「すごい発想力が必要!」と意気込む必要はありません。

企画(力)は、①発見(インプット) ②立案 ③提案(アウトプット)の3段階でそれぞれの手順を踏めば見違えるほどレベルアップするのです。

本特集では、大きく3つの段階で考えるべきこと、やるべきことをステップ化し、Webビジネスの現場で「仕事につながる=お金になる」企画力の鍛え方を、順を追ってチェックできるように構成しました。
スピード感がもっとも重要な特徴の1つであるWebビジネスで「より速く」「より確度高く」「より効果の出る」企画を実現させるノウハウを凝縮しています。

【イントロダクション】
なぜ、あいつの企画書は通るのか?
クライアントの心を鷲掴みにする、勝つための「企画術」


【インプット】
●クライアントは頼りたくなる本当の「インプット」とは?
●課題明確化のためのヒアリング術
●意見を引き出すためのブレストノウハウ術


【企画立案】
●やるべきことを見誤らないために、正しく課題を洗い出す
●速く繰り返すアジャイル開発で答えを探ろう
●クライアントの反応からわかる企画提案の落とし穴
●デザイナーが主導する、企画のあり方


【アウトプット】
●読み手目線で伝える企画書づくり
●「聞かせる」「見られる」を意識したプレゼン術
●佐藤ねじ式・「企画」の流儀


●戦国武将から学ぶ、ビジネスに活きる“11”の企画
●チームで企画を生み出すためのTips「12」

など


※記事内容は変更になる場合があります。


【こんな方にオススメ!】
■競合他社に先んじて有力な企画を打ち出していきたい企業担当者、プランナー
■Webのスピード感に乗って数々の課題解決を提案する制作会社ディレクター、アカウント、クリエイター
■上司やクライアントに「費用対効果に見合う」と判断(納得)させ予算を引き出すノウハウを知りたい
■面白い企画なのにうまく実現できない、企画はバッチリのはずだけど承認されない・・・
■企画を提案しても、クライアントに即決してもらえない&値引きなどの注文をつけられてしまう

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